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2013年06月12日(水)

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2013年06月09日(日)

りか @greenhouse_rika

13年6月9日

忍び込まれ重なり絡まり、くすぐられる。とたん形作っていた輪郭がおぼろげになり、溶け合い融合する。どこまでが自分でどこからが彼か、判別できない空間の中、熱く内部が高まっていく。呼吸が止まる。意識が霞む。自分が自分でなくなり、彼へと取り込まれるような瞬間。ただただ、幸せな刹那のとき。

タグ: 託生

posted at 20:42:53

2013年06月06日(木)

りか @greenhouse_rika

13年6月6日

「ギイは、ぼく以外の人からのプロポーズを待ってるんだ?もう、ぼくのモノなのに」
「い、いや、そんなことはない!だよな、オレは託生のモノだったな」

「咲未の初恋が、ギイにバレたらうるさいもんね」

タグ: Life

posted at 16:01:00

りか @greenhouse_rika

13年6月6日

「………そういう問題か?オレは、咲未に言ってもらえないのか?これは父親の夢だろ?」
「あー、もう。………ギイはぼくのモノなのに、プロポーズされたいの?」
「え?」

タグ: Life

posted at 16:00:49

りか @greenhouse_rika

13年6月6日

「それなのに、全然言ってくれる気配がない」
「たぶん、無理だと思うけど(ぼそり)」
「なにか言ったか、託生?」
「ううん。でも、ギイ。仮に大樹と一颯が『大きくなったら、母さんと結婚する』って言ったら怒るだろ?」
「当たり前だ!」
「だったら、いいじゃない」

タグ: Life

posted at 16:00:34

りか @greenhouse_rika

13年6月6日

「どうしたの、ギイ?溜息なんか吐いて」
「咲未のことなんだが……」
「咲未がどうかした?」
「もう5歳になるんだよな?」
「うん、そうだね?」
「オレは、この5年間、ずっと待ってたんだ」
「なにを?」
「『大きくなったら、ダディのお嫁さんになる』ってのを!」
「…………」

タグ: Life

posted at 16:00:20

2013年05月30日(木)

りか @greenhouse_rika

13年5月30日

お袋が「離婚だ!」と親父を殴り、親父の……世間一般かもしれないけれど、多少タブーに引っかかるかもしれないオレの恋を応援してくれている今、オレは全力をかけて、この恋を絶対成就させてみせる。

タグ: Life

posted at 20:19:53

りか @greenhouse_rika

13年5月30日

「それなら、遠慮なく働いてもらうかな」
とニヤリと笑った親父に、まずったかも……と一瞬過ぎったけれど、これは男のプライドだ。

タグ: Life

posted at 20:19:35

りか @greenhouse_rika

13年5月30日

そりゃ、生前贈与やら、色々と複雑な金のやり取りを経て、オレの懐にはそれなりの金はある。
しかし、それはオレが稼いだ金じゃない。
そんな金で、彼女と(オレの気持ち的に)デートしたり、スーパーマーケットで食材を買ったりなんてことはしたくなかった。

タグ: Life

posted at 20:19:16

2013年05月27日(月)

りか @greenhouse_rika

13年5月27日

「いえ、なんでもありません」
そして、後ろを振り返ることなく、一歩を踏み出した。
もう、二度と一緒に歩くことはないけれど、彼が歩いていく道は、幸せに包まれていてほしい。
それだけが、今のぼくの願い。

タグ: Reset

posted at 19:41:14

りか @greenhouse_rika

13年5月27日

あの不思議な花の香りをまとい、ほんの一瞬、つむじ風のようにぼくを包み込みんだ風。
……ここに、いるわけないじゃないか。
わかりきっている現実と、諦めきれない想いが交差する。
「託生さん、どうしましたか?」
立ち止まったぼくを、不思議そうに桜井さんが振り返った。

タグ: Reset

posted at 19:41:04

りか @greenhouse_rika

13年5月27日

紫のチューリップを劇場スタッフの人から受け取り、ホテルに向かって歩き出した。
そのとき一陣の風が頬を撫で、どこからか、ふわりと懐かしい香りを運んできたように感じて、
「……ギイ?」
思わず振り向き、そして、そこにギイの姿がないことを認識して苦く笑った。

タグ: Reset

posted at 19:40:52

2013年05月25日(土)

りか @greenhouse_rika

13年5月25日

「ないなぁ」
「なにが?」
「章三か」
「さっきから、邪魔なんだけどな。なに、探してるんだよ」
「爪磨き」
「…は?」
「託生がさ、オレの爪が綺麗って言ってくれたんだ。だから、ちょっと磨こうかと思ったんだけど、購買部に売ってないんだな」
「…男子校だっての、お前、忘れてないか?」

タグ: 日常会話

posted at 20:07:03

りか @greenhouse_rika

13年5月25日

「ギイの爪、綺麗だね」
「………は?つめ?」
「うん」
「爪って、これ?」
「そう。すごく綺麗な形だね」
「爪が?」
「うん」
「……爪を褒められたのは初めてだ(ぼそり)」

タグ: 日常会話

posted at 20:06:43

2013年05月24日(金)

りか @greenhouse_rika

13年5月24日

「託生、それ間違い」
「え?」
「確かに断食期間中の飲食、喫煙、性行為、投薬は禁止されてるけど、断食期間中ってのは日の出から日没までの間だから、夜はOKなんだ」
「そうなの?」
「なにしろ教典に『明け方まで飲み食い、性行為を行え』って書いてるし」
「って、脱ぐな、こらーっ!」

タグ: その他

posted at 16:41:07

りか @greenhouse_rika

13年5月24日

「ラマダーンは夜しか食っちゃいけないんだぞ」
「それで?」
「食いだめしないといけないから」
「ギイ、なに、してんだよっ!食べるんだろ?!」
「そうだよ、食うんだよ」
「なにを?!」
「なにって、ナニ」
「………ぼく、知ってるよ。あれってラマダーン中、禁止なんだよね」
「へ?」

タグ: その他

posted at 16:19:49

2013年05月17日(金)

いとめ @itome19

13年5月17日

@greenhouse_rika イカわたをごま油で炒め、胴、足、三角←を好みの大きさにカットしたものを入れ、味醂、酒で少し焦がしぎみに炒めると完璧だす( ´ ▽ ` )ノ 好みで七味、一味、粗挽き胡椒がよく合います。

タグ: レシピ

posted at 15:34:09

2013年05月15日(水)

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 いつか、また必ず会おう。そのときには、色々な土産話を持って、思い出話に花を咲かせ、時間の流れを忘れて笑いあおう。
「またね!」
 いつか、また、きっと………。

タグ: Life

posted at 07:07:52

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 利久が、帰省するときのような気軽さを装い、目を真っ赤にさせて手を上げた。
「………うん。みんな、またね!」
「ギイ、結婚式には呼べよ!」
「おう!二年後、楽しみに待ってろ」
 ギイがぼくの手を握った。

タグ: Life

posted at 07:07:42

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 そのとき、頭上にアナウンスが流れ、ぼく達の間の空気がふと引き締まる。
「託生」
「うん」
 もう、行かなくちゃ。
 みんなと向かい合ったものの、なにか言いたいのに、なにも言葉が出ず焦っていたら、
「託生、またな!」

タグ: Life

posted at 07:07:27

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

「ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!」
「ギイ………」
「耐えろ」
 ギイが、出国を知らせなかったのは、このためだったのか。
 ぼく、今すぐ、ここから離れたい………。
 ひとしきり騒いで、やっと納得したのか、矢倉が満足そうな顔して数度頷いた。

タグ: Life

posted at 07:07:13

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 自分が詰め寄られるのがわかっていたのか、章三はむっすりと腕を組み、ギイを睨みつけている。
 でも、紙テープって、なにかちょっと違うような?と、現実逃避をしようとしたのに、
「それでは、諸君!ギイと葉山の前途を祝して!」
 矢倉の一声に引き戻され、気が遠くなった。

タグ: Life

posted at 07:06:58

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 自画自賛して頷く矢倉の横で、同情を瞳に浮かべた八津がいて、利久なんて、両手でなぜか拝んでいる。真行寺は楽しそうだけど、駒澤は口を真一文字に引いて、いつもより怖い。
「章三、止めろよ」
「紙吹雪と紙テープは止めたぞ」

タグ: Life

posted at 07:06:42

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 『祝!ギイ&葉山、婚約おめでとう!』とデカデカと書かれた横断幕に、涙も引っ込んでポカンと口を開けた。
 周囲の人間が、物珍しそうにクスクスと笑いながら通り過ぎていく。
「いい出来だろ?」

タグ: Life

posted at 07:06:26

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 しかし、
「こんなチャンスを、みすみす見逃せられるか?」
 ニヤリと笑う矢倉の顔に、嫌な予感が背中を走った。
 その証拠に、真行寺と駒澤が、なにやらごそごそしているなと思ったら、左右に別れて走り出し………。
「げ…………」
「これが、嫌だったんだよ………」

タグ: Life

posted at 07:06:13

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 この三年間、アメリカに帰ることは何度もあったけれど、数週間経てば、また祠堂に戻ってきた。
 でも、今回はただの帰省ではない。本来、ギイがいるはずの場所に戻るのだ。
 次は、いつ、みんなに会えるかわからない。
 だから、うやむやの中、戻るつもりだったのだろう。

タグ: Life

posted at 07:06:00

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 鼻の奥がツーンとなって、咄嗟にギイのコートを握り締めたぼくの肩に手を回し、ギイがみんなに向かって歩き出した。
「黙って出国なんて、水臭いぞ」
「あー、すまん」
 文句を言う矢倉に素直に謝ったギイだけど、なんとなく知らせなかった理由はわかる。

タグ: Life

posted at 07:05:45

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

 みんな大学の準備で忙しいはずなのに。それに、終業式が終わって実家に帰っているはずの祠堂の後輩達までもが来てくれていた。
 卒業式翌日の退寮日。名残惜しげに麓の駅で別れて、もうなかなか会うことはできないだろうと思っていたのに。

タグ: Life

posted at 07:05:32

りか @greenhouse_rika

13年5月15日

「ギイ!葉山!」
「お前ら………」
「みんな………」
 出国ロビーに向かっていた、ぼく達の背後からかけられた声に振り向くと、そこには、事情を知っている人間全員が集まっていた。

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posted at 07:05:18

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