にょんギツネ
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- 自己紹介 日々読書や執筆、お絵描、文字の観察などを愉しんでおる寶曆6年生まれの仙人見習いな267歳幼狐なのじゃ!18禁要素注意じゃよ? ヘッダーは @une_back に依頼したのじゃ。褒めて質問お題箱を兼ねた投書箱 → http://marshmallow-qa.com/nyol2novel
2022年05月10日(火)
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(=`ω´メ 幼児化SSください
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メづDoS攻撃
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ちょっときつめに品詞の色を設定して仕事(スクリーンショットはちょっと前の作品)。慣れると結構気持ちいい。 pic.twitter.com/MbfeCqNNSb
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Wafflies || Fox of M @Waffliesinyofac
what if you were Very Depressed and then a cute boy who earnestly talks about A: his hobbies & B: world peace was dropped into your lap. what then.
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Wafflies || Fox of M @Waffliesinyofac
xenoblade 2 is cuter when you realize that *rex* is /pyra's/ manic pixie dream girl, rather than the other way around
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2022年05月09日(月)
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「第二に、創造とは自分が所蔵している文献を把握できなくなってから可能となります。その時の問題関心から文献を購入するのですが実際には忙しさからすぐには読めません。時が流れ、新たな問題関心から何かを書こうとした時、異なる関心から購入した文献がインスピレーションを与えてくれます」
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🍁紅葉紅葉🍁さん(@inm01_nagisa)への返礼品としてカエデちゃんを描きました。異色肌を描くの初めてだったのでうまくできてるといいな。 pic.twitter.com/2iQHlgvZzk
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2022年05月08日(日)
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@god_master_shin @BAMUBAMUbom @twittelunda 動画共有サイトではなくtwitterに対抗したSNSですがアマチュアの力で企業寡占に対抗できるかといういいテストケースになったと思います。結果は……この動画をご覧下さい
youtu.be/IgIdyL5qdyQ
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星空の肌を持つ娘は丸きりの獣ではなく、それどころか優雅に歌うように話し、話すように歌った。
虫や苔からは学べない発音と複雑な文法を操った。初め咀嚼するのに苦労したが、二つは呑み込めた。
「レナア」
それが少女の名前だった。
「カルパゴ」
それが自分に与えられた名前だった。
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猫と違って水は恐れなかった。
一方で猫そっくりに箱に身をこすりつけ、ふざけて、あるいは本気で?噛みつきひっかいてきた。箱の上にまたがってくることもあれば、そばで丸くなることもあり、よく箱の中で眠ることもあった。半分蓋を開けておく方が落ち着くようだった。
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posted at 02:52:40
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いずれもほとんど無臭だが、体臭と同じくかすかに麝香のようだった。
綺麗好き。用を足したり狩りで汚れたあとは、体を柔軟に折り曲げ捩り、ざらざらした長い舌で指先から股まで丁寧に舐め清めていた。
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爪は長く厚くとがっている。足指が長く手指に似てものを掴めるようだった。四肢はほっそりしているようで筋肉は発達している。
両目は瞳孔が縦に細く、周囲に星のような斑が散っている。砂金が混じったような煌めく尿、水晶柱そっくりの糞、時折溶けた真珠のような嘔吐をした。
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鋸歯が生えそろうころには、少女はすっかりみずみずしさを取り戻していた。
肌は瀝青炭(コールタール)のように黒いが、ところどころ星のように白い斑が点々と散っている。伸び始めた髪は縮れて白く、脇や股、尻の間にも密に茂っている。
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水辺の深みにいる針千本と鯰の合の子のような巨魚とかでなければ、好きにさせておいた。
この大食いの魚だけは少女を丸のみにしかねず、危なく鳴ったら駆けつけて箱の中にかくまってやらねばならなかった。
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鋸歯状で、伸びるにつれわずかに節足に痕をつけるほどに硬く強く、また噛む力も強くなった。
少女はもう箱の中でおとなしくしてはいなくなり、外へ飛び出すと、ひきつれよじれた動きで跳ねまわりながらみずから獲物を狩った。
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それでもどうにか生きものを平らげて、木乃伊は皮の下に筋があるのが見て取れるほどまでには復活し、動かしてもばらばらにはならずに済みそうだった。
節足数本でくるむようにしてそっと箱の中に収めると、さらに獲物がとれそうな場所へと拠点を移した。
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posted at 02:28:25
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いくつかは光や音に反応し、場合によっては殺した獲物を腐らせた匂いで引きつけねばならなかった。
妙な話だが作曲と料理を覚えた。もっぱら餌食を誘い込むための。以前はのんびり時間をかけられたが、今は少女の骸が乾き切る前に次の獲物を捕らえねばならないので必死だった。
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箱の中に納まったまま、節足をうごめかして、開かれた隠し部屋の周囲に少しずつ行動範囲を広げ、見つけた生きものを誘い込んだ。
鰭蛇、岩石そっくりに擬態した蛞蝓らしき生きもの、あめんぼのように壁面から少し浮いて滑るように動く足の長い毛むくじゃらの昆虫、すばやく這う粘菌。
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相手と自分がとっさに発揮した凶暴さそれぞれにぎょっとした。だが虫と苔で成り立っていたあの小さな世界でも、命はそうして残忍なやりとりをしていた。
ただ大きさが違うだけだ。鰭蛇はゆっくりと痙攣しながら冷えてゆき、徐々にしなび、やがて乾き果てた。
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posted at 02:18:56
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隠し部屋を一歩出ると、断崖に沿って削られた手すりのない通路だとわかった。下から冷たい風が吹き上がってくる。
耳を澄まし、目玉であたりを照らすと、やがて鰭蛇を見つけた。隠し部屋に入って来たものよりずと大きい。数匹が断崖の亀裂に身を捻じ込んでいて、光に反応して跳ね、
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posted at 02:12:57
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まるでヤドカリだ。ハコカリといった方がいいか。
左右に案外素早く動け、向きも変えられた。うっかりすると壁に垂直にのぼってしまう。
とにかく虫と甲殻類の中間のような動きができた。
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手足が箱と蓋の隙間から飛び出した。かちかちと瓦畳を固い先端が叩く音がする。懐中電灯のような光を発する目玉を向けると、不揃いな大きさの虫の足のようなものがうぞめいている。
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そう考えると、いてもたってもいられなくなった。せめて身動きができれば。そう考えたところで、瓶を投げられたのだから、ほかのこともできるはずだと気づく。
足、手、そういうものがありうる。はずだ。
音色と文字でそう意識を結ぶと、箱の内側で感覚器がざわめき、そうして。
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いやそうだろうか。それはあまりにも無責任だ。
箱の中に入った命の薬を使って復活の儀式を、半端にでもやった以上は、最後までどうにかしようとすべきではないだろうか。
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しかしそのすべてをもってしても少女、らしきもののひからびた体を潤すには足りないようだった。
いまだに箱の中に残っている自分を構成する何かを差し出せばいくらかはましはましだろうが、それとて一時の猶予にしかならない。
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やはり薬は変質していたものらしい。少女は復活に成功したとは言い難かった。完全に失敗してもいないようだが。
あの鰭蛇のように少女の骸を糧にしようとした苔や虫は逆に朽ちていた。
どちらがどちらの餌食になったかは明白だった。気の毒に隠し部屋の生態系はここで断たれてしまったのだ。
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瓦畳に寝そべる骨と皮ばかりの木乃伊に似た何かの周りで、虫の死骸が散らばっていた。枯れた苔も。
落ち窪んだ眼窩の中の闇にはわずかに命、あるいは命を模した何かがまだ残っている。
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posted at 01:54:28
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蓋をあけると、薬あるいは命を、命の薬を、高く掲げ、勢いよく壁に投げつける。
粉々に砕けた瓶が屑星のように燃え煌めいて消えてゆく。煙を上げる液体が壁を溶かし、骸骨を地面に投げ出す。
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そう思えた。
箱の中で感覚器をまさぐらせ、やがて箱の真ん中のあたりに、何かがあるのを捉えた。
瓶。だろうと思う。多面体の、硝子か宝石のような感触。掴むことはできないが、蓋に付いた輪を引っ掛け、持ち上げることはできた。
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posted at 01:48:52
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交差する天の川の下をはしる裸足の少女の夢を見ていた。それは一度は虫と苔がおりなす幻燈によって演じられた光景だったかもしれない。
少女が大腿骨の笛を吹き鳴らすと、丈の高い草原のあちこちで影が立ち上がり、大鎌を構えて前進した。
どこへ。何のために。なぜ。それらはどうでもよい。
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命、あるいは薬とは、自分のことなのではないか。
そういうことなのではないか。
死せる少女の復活のために作られた薬が、期限を過ぎても使われなかたたために奇妙な変質を来し、遠い別の世で死んだ誰かの残滓を捕らえてかりそめの復活を与えたのではないか。
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posted at 01:40:17
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本当だろうか。
しかしもし虫と苔によって演じられた物語が正しいなら、すでに八百八十九年がすぎていて、命あるいは薬はとうに熟しきり、ひょっとすれば変質が始まっているかもしれない。
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posted at 01:35:49
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しかしひょっとしたら、五百年かそこら経つと、少女を壁に塗り込めた際に副葬品として墓に置かれた命あるいは薬は熟し、子孫あるいは家臣あるいは信徒がやってきて、それを少女に捧げることで、死からの蘇りが果たせる。
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posted at 01:32:18
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星?花?渦?の下を闊歩し、歌い奏で?あるいは戦い?やがて倒れた。あるいは蛹になった。
少女の父?あるいは夫?は一族の墓?あるいは食糧保管庫?に骸を塗り込めた。少女の命?薬?をそばに置いて。しかしそれはゆっくりと熟成する。
五百三十四年後に。あるいは一万十七日後に。
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歌と光で、もう虫と苔に頼らなくても、物語を演じられそうだった。楽譜と歌詞が一緒になった文字の並びを追うことで、続きを紡ぐことも。
それは壁の中の髑髏の主、少女の生まれ死ぬまでを教えてくれた。偉大な、あるいは疫病にかかった、少女は多くを殺し、あるいは食べ?
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posted at 01:23:50
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虫と苔から読み取った物語の中では、両者の違いはあいまいだった。
髑髏の主は笑ったようだった。楽しそうに。少なくとも箱の飾り穴から漏れる光の加減ではそう思えた。
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posted at 01:18:43
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ともかく自分に光を出す力があるのはありがたい。懐中電灯のように目から出る光で壁を照らし、埋め込まれた女の子の髑髏を照らした。
少しぶしつけだったかもしれない。いったんまぶた?というか似た何かを閉ざして、挨拶の歌を歌った。ひょっとしたら宣戦布告だったかもしれないが。
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posted at 01:17:17
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すると光が箱の飾り穴から漏れて、壁を照らした。何が起きたのかつかめずにいたが、やがて自分の目、というか視覚器?のようなものが輝きを放っているのだと解った。
そもそも外界から閉ざされた隠し部屋を見渡す際に、いつも無意識のうちにわずかに光を発していたのかもしれない。
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posted at 01:15:33
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そうしてふと自分がいつのまにか前世の言葉よりも、あの音色と文字からなる言葉で多くを考えているのに気付いた。
光、という言葉も自然に浮かんできた。
ラ・ラ・シ・ドといった感じだ。ララの間隔が短く、シは二音を合わせたより一割長く、ドは五分短い。
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posted at 01:13:03
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しかしそれには明りが足りなかった。斑の虫をあまり刺激して燐光を発させる訳には行かない。消耗させてしまう。限りあるたいまつのようなものだ。
どうにかほかの光源はないのかと頭を悩ませた。
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posted at 01:09:40
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苔は少女の髑髏の真上には広がらなかった。斑の虫も触れようとはしなかった。
それでも横向きにうめこまれた華奢な骨の主は、ある時こちらを振り返って笑ったように見えた。
錯覚かもしれない。いや錯覚だろうが。確かめたくなった。
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posted at 01:08:22
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髪の毛、足、海、たなびく雲、深い穴で待ち受けるもの、すなわち死?稲妻を発しておりてくるもの、すなわち神?走るとかげ、あれは馬だろうか、そういうものをどんな音色とどんな文字の並びが指すのかが解った。
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posted at 01:06:38
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不思議な見世物だったがあまり繰り返すとどうも特に斑の虫を消耗させるようで、季節のひと巡りに一度にとどめた。しかし繰り返すごとに壁の髑髏とそれを取り巻く文字と絵ははっきりしてゆくようだった。
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posted at 01:02:01
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それらは意味を持っていた。ひとつひとつ。
光の宴の後で、壁には鱗粉が塗され、それを赤い虫が貪り、痕に苔が広がった。黒い虫が食べてゆくが、濃淡が残る。
また別の絵があらわれるようだった。
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posted at 01:00:03
![](https://pbs.twimg.com/profile_images/1378386053124395010/u1wABD7__normal.jpg)
そうして薄れた絵と埋め込まれた髑髏を補い、絢爛たる絵巻というか幻燈を演じたのだ。
びっくりしてしまった。
壁の絵と文字は不動なのに、虫の光が加わることでまるで生き生きと姿を変え今にも踊り出すかのようだった。
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posted at 00:57:31
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それから、不思議なことが起きた。
恋愛の歌と警戒の歌が対応するような韻律でできているのに気付いて、二つの曲を同時に鳴らしてみようと考え、口?喉?発声器官?のようなものを二つ開いて、あるいは作って響かせたところ、斑の虫がまた眩い燐光を発して宙を舞い、うねり、壁をなぞった。
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posted at 00:56:05
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虫を先生に、延々と練習を重ね、最後はぴったりと同じ曲を奏でられるようになった。
何だかわからないものとして箱の中で暮らすようになってから、前世ではできなかったことを一つ達成した。音痴を克服したのだ。いちおう。虫の基準では。
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posted at 00:53:40
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やってみると空気がぶすーぶすーと噴き出す音がするだけだった。がっかりしてやめた。
しかし、ほかにすることもないのでまたしばらくして再開した。ようやくとぶぶぶぶ、みたいな音が出せるようになったのはかなり経ってからだった。
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posted at 00:49:45
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目が覚めてからしばらく、ぼんやりしていた。
それからふと歌ってみる気になった。
音楽の成績は本当に悪かったし、そもそも箱の中にある体、ちゃんとした体があるとしてそれが歌えるのかどうかもはっきりしないが。
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posted at 00:48:25
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ひさしぶりに両親と弟の夢を見た。そんなにうまくいっていなかったが、小さい頃一緒に河原でバーべキューをしたのは楽しかった。母の酒量もまだ目立つほど多くはなかったし。
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posted at 00:46:57
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季節が変わっている。つまり苔の匂いが薄れている。
箱の飾り穴の隙間から覗くと鰭蛇の骸はちょっとした苔の森になっていたが、それもだんだん枯れかけてはいるようだった。どうも繁茂し続けるには隠し部屋は湿気が足りないらしい。
そのうちからからにひからびてしまうだろう。
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posted at 00:33:13
![](https://pbs.twimg.com/profile_images/1378386053124395010/u1wABD7__normal.jpg)
入っている箱の内側にも同じ模様があるので指?というか感覚器でなぞりながら、ひとつひとつの音階や音調を把握するように努めた。何回も何十回も何百回も何千回も繰り返すうち、書き順みたいなものもあるのが薄らわかってきた。
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posted at 00:29:49
![](https://pbs.twimg.com/profile_images/1378386053124395010/u1wABD7__normal.jpg)
あれは楽譜と歌詞を一緒にしたようなもの。ではないだろうか。妙な話だが赤い虫が繁殖の季節に発する歌と対照しているように感じられる。
いや確信する。
壁の文字は多分そういうものだ。
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posted at 00:28:12
![](https://pbs.twimg.com/profile_images/1378386053124395010/u1wABD7__normal.jpg)
よかったことは、蛇が暴れている間に、赤い虫の奏でる警戒の歌が暗記できたこと。恋愛の歌もはっきりより聞こえるようになったこと。
耳?を澄ませているうちに、壁の模様、いや文字がくっきりしてきたように思える。
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posted at 00:26:44
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ほかの虫の骸を食べる赤い虫もやや大きさを増したようだった。斑の虫の餌はいまだによくわからないが、やはりちょっと大きくなっているように思う。
四種類の虫は数も徐々に回復はしている。
蛇と言う栄養のみなもとが入り込んだことで起きた変化だろう。
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posted at 00:24:50
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ひょっとしたら黒い虫は滅びてしまうのではないかと心配したが、やがて苔むしたままそこそこに元気でいるものもあらわれた。
たいしたものだ。総じて動きは以前より鈍いが体は大きい。これを襲って食べる縞の虫も少し大きくなったようだ。
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posted at 00:22:36
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蛇のむくろから生えた苔は色も濃く匂いも強く、伸びる蒴柄は大きかった。胞子は毒が強いようで、食べに降りて来た黒い虫も何匹か動きが鈍くなり、やがて死んだ。
またはやり病にかかったように、苔むしたまま動き回る黒い虫がいて、それが同族に胞子を拡げてしまうようだった。
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posted at 00:20:09
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蛇は腹を見せて力なく五対の鰭を拡げていた。鱗は剥げ落ち、瞳に光はない。赤い虫が端に群がっている。
助からなかったらしい。
合掌。
と心のうちだけで思ったがもう合わせる手はない。入っている箱の中でかすかに身じろぎすることしかできない。
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posted at 00:15:29
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鰭蛇は最初のうち隠し部屋の虫を食べ尽くしそうに思えたが空を飛べる斑の虫の一匹を襲った際、獲物が燐光を放って爆ぜ、口を怪我したようだった。以来動きが鈍くなり、捕食も慎重になった。
蛇はじっとしていることが多くなり時がたつにつれ弱ってゆくようだった。鱗に艶がなくなるのは哀れだった。
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posted at 00:12:24
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自分が入っている箱の大きさからすれば、かなり小さいが、虫にとっては竜に襲来された村人のようなものだ。赤い虫の警戒の歌声がかそけくしかし激しく聞こえた。
しかし鰭蛇は大きくて動きの鈍い縞が好餌のようだった。
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posted at 00:07:30
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蛇には長い胴の横に五対の魚の鰭のような足が生えていて、ぴたぴたと床を叩き、やがてぱちんとゴム仕掛けのように跳ねて壁にぶつかり、また跳ねて、三角跳びの要領で天井まで達すると虫を一匹咥えて落下した。一瞬宙で鰭をじたばたさせてから、くるっと丸まって落下の勢いを減らしたようだった。
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posted at 00:05:30