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2011年07月24日(日)
そしてお二人は居酒屋の中に消えていかれました。
明日、託生さんにお話した方がいいので………ピピピピピ♪
『託生には何も言うなよ』
ブチッ。
…………託生さん、申し訳ございません。
posted at 17:19:20
もしかして、私は何か失言をしてしまったのでしょうか。
「………そうか。わかった。桜井、礼を言うぞ」
副社長、目が笑っていません。全然、礼を言われているような気がしないのですが。
「真行寺、そろそろ中に入るか」
「はい!」
「じゃな、桜井、気をつけて帰れよ」
posted at 17:19:04
お二人の会話に、思わず不躾に立ち入ってしまった私に、お二方がゆっくり振り向いた。
「桜井、どうかしたのか?」
「あ……あの。託生さん、スタッフと一緒にマンションを探しておられましたが」
私が言うと、副社長の目がむっすりとすわり、真行寺さんは「葉山サン……」と頭をかかえられました。
posted at 17:18:31
「真行寺………」
この方も、託生さんと副社長が仲直りされたのを喜んでいるんですね。託生さんの側にいる方は本当に優しい方ばかりで、私まで嬉しくなってきます。
これも、託生さんの人柄なんですね。
「じゃ、向こうに行かれたら一緒に暮らすんですよね」
「あぁ」
「え?!」
posted at 17:18:03
あぁ、この方も祠堂の方なんですね。真行寺さん……ですか。
「あ、もしかして葉山サンがNYに行かれるのって……」
「あぁ」
副社長が答えられると、真行寺さんは感動したように目を赤く潤ませて、
「よかった……よかったです。皆心配してたんです」
よかったと何度も呟き鼻をすすった。
posted at 17:17:45
「わかりました」
確かに自分の荷物がまだ片付いていない状態。
副社長の言葉にありがたく帰路につこうとした私の背後から、
「ギイ先輩?!」
若い男性の声がしました。
「真行寺じゃないか。久しぶりだな」
「うわ!本当にギイ先輩だ!お久しぶりっす」
posted at 17:17:17
「お店の方に入られていますが」
そういえば副社長は、託生さんと同じ高校でした。ここにおられても不思議ではないですね。
「桜井。オレのSPがついているから、お前は帰れ。渡米の準備があるだろう」
「それは、ありがたいのですが………」
「気にするな。こっちには数人ついている」
posted at 17:16:47
【がんばれ桜井さん】
事務所の移転を一週間後に控えた金曜日。
託生さんは「高校時代の友人が壮行会を開いてくれるから」と、嬉しそうに事務所を後にされ、私は託生さんの後を追い、店が見える位置で立っていると、
「桜井」
すっと車が止まり、中から副社長が降りてこられた。
「託生は?」
posted at 17:16:17