いろは
- いいね数 16,399/15,511
- フォロー 121 フォロワー 51 ツイート 20,785
2013年09月03日(火)
小山聡子『親鸞の信仰と呪術―病気治療と臨終行儀』(吉川弘文館)がべらぼうに面白い。現今の浄土真宗でタブーとされている自力と呪術を、親鸞および恵信尼・覚信尼・善鸞・覚如・存覚といった人々がどれほど取り入れていたかを、病気治しと臨終の観点から深く掘り下げたものだ。今井雅晴先生の弟子。
タグ:
posted at 23:41:11
善鸞が符によるマジナイを行ない布教に活用したことで親鸞に義絶されたことは有名だが、当の親鸞は風邪をこじらせ死にかけた際「大無量寿経」を思わず読誦して病気治しを図り、「あっこれ自力じゃんやべえ」と中断している。覚如は親鸞の教えを継承しながらも敢えて四天王寺だの住吉社だのに参詣した。
タグ:
posted at 23:46:00
《親鸞の信仰を検討するにあたっては、それまでの習慣として身についていた呪術信仰の影響を無視することは決してできないのである》(151頁)と、著者は卓抜した独創を持つ親鸞といえども、天台仏教の流れの延長線上に考えなければならないと説く。今井先生の弟子らしいエキサイティングな論考だ。
タグ:
posted at 23:50:02
ハッキリ言ってテーマとしても学説としても異端として扱われざるを得ないだろうが、是非、論争を巻き起こして欲しいものである。問題は300ページ弱の本なのに11550円もするという学術書ならではの値段設定だが(せめて4桁なら……)余談ながら小山先生はなかなかの美人だったりする。
タグ:
posted at 23:54:35