カモメ
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2014年03月20日(木)
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形容しがたい格好をしていた。あぐらをかいた魔王の両腕に、丸まった状態で抱えられている。何と言おうか。「それ、ゆーらゆら」前後に揺らされていると、魔物は段々眠くなってくる。子供扱いにぶつぶつと文句を言いながら、けれどもなんとなく、離れがたい。大きな腕に包まれて。ゆらゆら。ゆらゆら。
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「この格好は星が近く見えるな。もっと背伸び出来ないか」「……」肩車をした魔物の足首を持ち、王はもうどうにでもなれとばかりに腑抜けた顔をした。最初は逃げてばかりいたのに。近頃どうしてか、満更でもなさそうな顔をする。「何なら飛んでもいいのだぞ」「待て！ゆっくり」「はしゃぐと落ちるぞ」
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寝転がったまま、肩や背中を揉んでもらう。こうすると血行が良くなると言ったのは魔物本人なのだが、落ち着かない。「たまたま買った本が埃だらけで、気になったのだ」「そうか」返事のトーンを反芻して、少し寂しくなる。「つまらないだろう、私の話は」「聞いてやるから、好きに話してさっさと寝ろ」
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posted at 02:07:56
細かい砂に円を描いて、見ていた。少しの凹凸でも気になる魔物だったが、今日の円はなかなか完全に近いように思う。周囲の落ち葉を払い、満足した。「何だそれは」「これは私のまるだ」「少し尖らせてやろう、ほら」「やめろ、私のまるだ！」取っ組み合ったけれど、三角になってしまった。綺麗でない。
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posted at 02:29:18
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