高水ふくちょ🦎
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2014年01月14日(火)

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「今回みたいに、私のお世話に来てちょうだい」
ぽかんと、一瞬の間をあけて。
怒ったような、呆れたような、そんな笑いが彼の顔にも浮かんできた。
「……人を体の良い小間使いみたいに」
「お給金は出ないから、待遇は小間使い以下ね」
「……良い性格してるよ、君」
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「だから悪いけれど、今後も私は改めるつもりはないし、貴方にそれを咎められたくもない」
「……でも!」
「もし、よ」
彼のあげかけた抗議の声にかぶせるように、私は掠れた声に力を込めた。
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「……お礼は言うわ。ありがとう」
「……」
「だけど、昨日言ったことは変わらない。こんなことで私は止まってられないの。悠長な時間は持っていないわ」
動きを止めた彼の背中に向けて、言葉を投げかけ続ける。
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「…ごちそうさまでした」
「おそまつさま。薬飲んだら熱測りなよ」
食べ終えたのを確認した彼は、そう言い残すと満足げに食器を片づけ始めた。
少し迷って、そんな彼の背中に向けて声をかける。
「……ねえカインツ」
「うん?」
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いただきます、と軽く挨拶して一口。
やや熱めな溶き卵が、冷えた体に染み込んでいく。
疲弊していても、やはりお腹は空くのだろう。淡白なはずのお粥の味は、やけに美味しく感じられた。"自分だけのために作られた朝食"が久々なこともあるかもしれない。
あっという間に全て平らげてしまった。
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促されるまま椅子に座り、彼が戻ってくるのを待つ。
泡立つお粥の表面をスプーンでかき混ぜて冷やしているうちに、すぐさま並々の水をグラスに注いで持ってきた。
「少しでも食べて、薬飲んでおきなよ」
「わかってるわよ」
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皮肉たっぷりに言ってやったつもりが、掠れきった弱い声がもれただけ。くそう。
「…水注ぎ直してくるから、座ってなよ。食欲はあるかい」
声を出すのが億劫なので、首を縦に振って答える。ただ、今は食べ物より飲み物が欲しい。
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「……────」
起きぬけの皮肉の一つでも言ってやろうかと思ったが、渇ききった喉からは呼吸の音がこぼれるだけだった。
様子を察した彼が苦笑いしながらグラスを差し出してくる。
一睨みついでに受け取って、一気に中の水を呷る。
「大丈夫かい?」
「…おかげさまで」
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布団を外套のように体に巻きつけ、それに近づいてみる。
真っ白なお粥が、お皿の中でふつふつと泡立っている。どうやら出来たてらしい。
「あ、起きた?」
キッチンからの声。スプーンとグラスを手にカインツが歩み寄ってきた。
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やさしい匂いで目が覚めた。
寒気も頭痛も相変わらずだが、寝る前よりは幾分良くなったような気がする。
重さの残る頭をもたげて、匂いの元を探す。それはすぐ近くに見つかった。
「………」
参考書が乱雑に詰まれたテーブル。その一角だけ奇麗にスペースが作られて、湯気の立つお皿がひとつ。
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