にょんギツネ
- いいね数 93,460/126,415
- フォロー 133 フォロワー 724 ツイート 63,525
- 現在地 妖狐の里
- Web https://h02.fanbox.cc
- 自己紹介 日々読書や執筆、お絵描、文字の観察などを愉しんでおる寶曆６年生まれの仙人見習いな267歳幼狐なのじゃ！18禁要素注意じゃよ？ ヘッダーは @une_back に依頼したのじゃ。褒めて質問お題箱を兼ねた投書箱 → http://marshmallow-qa.com/nyol2novel
2021年02月03日(水)
非公開
タグ：
posted at xx:xx:xx
ジョナサンはまた笑みを浮かべた。さっきより大きく、随分と陽気な。
「お前に郵便だ」
大きな封筒だった。表面には企業の社章が印刷してある。
「ガルド国際宅配便（クーリエ）…中見た？」
「いや」
「じゃあ何で嬉しそうなのさ」
「そりゃ…多分、お前の探してる…」
タグ：
posted at 01:13:32
ジョナサンの言いたいことは解った。ミナは冷静さを装って封筒を開け、内容を読んだ。夜行便専門の飛行士募集の案内だった。発着地ごとに太陽光過敏症のための専用の暗室まで確保するという条件付き。
タグ：
posted at 01:16:18
「…ああ…」
だが飛行士の反応は昂ぶりどころか、どこか諦めの混じったような、切なさがあった。
整備士が黙ったまま待っている。
「すごく…いい…待遇も…うん…」
「焦るこたぁねえ」
「幾ら探してもこれ以上のものはないと思う」
「おう…」
「新設の会社だけど…ちゃんと許認可は全部ある」
タグ：
posted at 01:18:51
妻は知っていた。夫はおだてているつもりはない。事実だと思っていて、それを思い出さて、再就職活動はどっしり構えてやれと言いたいだけなのだ。
「それほどじゃねえが…その…国内貨物で、夜行便専門て条件で受けてくれそうなとこも…ある。第二の知り合いから紹介してもらった…」
タグ：
posted at 01:25:14
「…ジョナサン」
「お前向きじゃねえ。小さいとこで、短距離で…機体はおんぼろだ。だけど、ある…そういうのは。だから…ほかも探してみる。外国だって…新大陸だってある」
「新大陸？」
「おう…また引っ越しゃいい」
「君の仕事はどうするのさ」
「また探す」
「…馬鹿だなほんと」
タグ：
posted at 01:27:43
TS娘は親友君が好きだと自覚するけどあくまでも親友として接してくれていたからで、親友だと思っていたTS娘に突然告白された親友君はそれを拒否して、残ったのは少しずつ親友君の好みに少しずつ染まって自分を見失ったTS娘。親友君の好みに進んで合わせたけど、本人にそれを拒否されて逆恨みするTS娘…
タグ：
posted at 09:41:53
気分が落ち込み過ぎているので、インプットします。
適当に「読んでほしい」とか「読め」とか「自分の作品面白いよ」ってヤツを投げといてください。読みに行きます。感想とかは期待するな。
タグ：
posted at 15:56:24
◆◆◆◆
ガルド国際宅配便（クーリエ）の第三共和国統括事務所は、ミナとジョナサンの故郷の町に置かれた。
特に不思議はなかった。以前から国際郵便公社の重要拠点があり、飛行場、整備場、修理場、部品業者、物流倉庫などが集まっていたからだ。
タグ：
posted at 19:48:19
だが国際郵便公社は時流に逆らいきれず、民営化と私企業との統合計画が進んでおり、拠点の縮小と再編が喫緊の課題となっていた。
ミナや父のチャールズ・マリーが飛び立つ前に打ち合わせや事務に使っていた棟も閉鎖になる見込みだっった。
タグ：
posted at 19:52:57
といっても目下、ガルド国際宅配便に在籍する正規の飛行士は経営者のガルド氏を除くと、元公社の花形だったアルティルミナ・マリー氏のみ。
なお結婚に伴い姓はアルティルミナ・ハルケルに変わっているが、会社側は旧姓での在籍登録を強く求めた。
タグ：
posted at 20:07:16
かの伝説の飛行士チャールズ・マリー氏の娘という点に宣伝効果を見出しているようだった。
ミナは社員証の氏名を確認してからしまうと、夫のジョナサンの前に行き、腰に手を当てて気取った姿勢をとった。
「どうかな」
タグ：
posted at 20:10:04
顔は面紗（ベール）で隠れていたが。
「そう？もっと褒めていいよ？」
はしゃいでミナは踵を跳ね上げ、固く軽やかな音をさせて踊ってみせる。とても膝から下が義肢だとは思えない、なめらかな動きだった。
タグ：
posted at 20:15:07
「おう…」
太腕を大きく広げ、何かあった時のために支えようと近づいた整備士の厚い胸に、飛行士は幼馴染時代からの癖でつい勢いよく飛び込もうとして、いきなり大きく重い響きをさせて、踏みとどまり、身を退かせる。
「…そ、ろそろ…いかなきゃ…」
「送る」
「いい…いいから」
タグ：
posted at 20:18:05
ミナはうつむくき、また元気よく頭を上げる。
「なんでも一人でできないと、ね？」
「二人でいい。ずっとそうだ」
「…っ…あはは！そんなこと言って、ガルドの機体が見たいだけでしょ」
「おう…ちょいと見てえ」
「また今度、ね」
タグ：
posted at 20:20:12
こないだ描いてた鉛筆のラフを元にパスをおこしています。源泉丸ゴシック（by butさん）の漢字に合わせてますがBウエイト以上になると画線が重なっている箇所等きれいな角丸になってないので（自動処理しているからしかたない）もしフォント化するならELからMまでかなぁ。 pic.twitter.com/LHpQtERtAO
タグ：
posted at 20:20:35
ガルド国際宅配便の運用する高速機はまだ到着していなかった。そもそもそんなものが存在するのかどうか、飛行士には確信がなかった。
必要がない。
夜行列車で故郷の町に行き、日の出の前に会社が設置した暗室に入る、と夫には説明していたが、本当は腰から蝙蝠の翼を生やして一瞬で空を飛び、
タグ：
posted at 20:24:49
