にょんギツネ
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- 自己紹介 日々読書や執筆、お絵描、文字の観察などを愉しんでおる寶曆６年生まれの仙人見習いな267歳幼狐なのじゃ！18禁要素注意じゃよ？ ヘッダーは @une_back に依頼したのじゃ。褒めて質問お題箱を兼ねた投書箱 → http://marshmallow-qa.com/nyol2novel
2021年02月01日(月)
ミナはジョナサンが帰ってくると、混乱からそこらじゅうで粗相をしてしまったのを平謝りに謝り、自分で掃除すると言って聞かなかった。
くらくらするような薔薇の匂いの中、夫は自分にも理解できない勃起を妻に悟られまいとしながら、訥々と慰めた。
「ミナ…明日はもっと早く…帰る…」
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posted at 00:25:21
「…えっほんとやった！？じゃなくって…そうしなよ。健康のためにもね…いや、あの…ごめん…」
「おう…」
つい整備士にむしゃぶりつきそうになった元飛行士は、いきなり首を振った。
「…あ、違う…もっと遅くていいよ…その方が…自由に…できるし…あれ…何言ってんだろ…」
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posted at 00:27:54
二重生活のでだしは多少混乱があった。しかしすぐに浮気好きの尻軽妻は板についていった。間男役の導きのもとで。
ミナはすぐに暗室の外でもミルティオとまぐわうようになった。命令通り、食堂でも、車庫でも、客室でも愛を交わした。
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posted at 00:32:23
ちゃんと主婦らしい振る舞いもした。二つ足の義肢をつけて裳裾をまとい、伯爵にしがみついて買い物に繰り出した。
七塞領の園丁の言葉通り、定命の民、昼の民の暮らしは変化し、夜の営みが広がりつつあった。多店舗展開の大型総合市場が、日暮れてから遅くまで煌々と照明を点して開いていた。
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posted at 00:57:59
街灯があちこちを彩り、闇を退かせ、人々はもはや暗がりから襲い掛かる牙や爪を恐れずに、太陽の加護のない暗い空の下をうろついていた。
もし、いまだ不死が七塞領の外にはびこっていたならば、どれほどか好ましい世界だっただろうか。
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posted at 00:59:43
塵に還した。
七塞領の技師が作った義肢は、華奢な作りに見えても百人力を発揮した。双孔に張り型を咥え、尿道に粗相封じの栓を挿し、先端に飾輪のはまった西瓜のような乳房と丸々とした尻を振りたてながら、主婦は模様替えをこなした。
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posted at 01:16:00
ミナはなお時々、悪夢から覚めたばかりの頼りない少年の表情を浮かばせることがあった。
「あれ…なんで…僕…こんなこと…ぁっ♥んっ♥…」
すぐにまた尽きせぬ官能の奔流におぼれていったが。
「浮気っ♥浮気っ♥しゅきっ♥あの人を裏切るのぎもぢぃっ♥伯爵と浮気ぃっ♥」
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posted at 01:30:32
ミナはジョナサンを縦長の瞳孔を持つ双眸で見つめ、優しく命じた。
「明日はもう一時間早く帰って来てね？」
「おう…だけどな。納期が…」
「だめ」
「わかった…」
「よろしい」
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posted at 01:35:27
夫が支度をして寝床に入るのを、妻はにこやかに監視した。一人用の寝台も新しくより高級な品に変わっていた。疲れた男が身を横たえれば朝まで目を覚ませないような上質なものに。
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posted at 01:38:21
昏々と眠るジョナサンに向かって蓮っ葉な口調で浮気好きの尻軽妻らしいごたくを垂れ流していると、ミナはどんどん頭の奥が壊れていくのが感じられた。これ以上もう壊れるものなどないと思っていたのに。
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posted at 01:54:37
気づけば妻は間男役との時間を作るために、好まなかった催眠術を盛んに夫に用いるようになっていた。
夫婦が言葉をかわす機会はどんどんと減ってゆき、ほとんどすれ違うような暮らしになった。
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posted at 01:56:56
伯爵だけのものになると幾度誓っても、どんな儀式を重ねても、正夫人の地位についても、体をほかの男には決してなじまぬよう作り変えても。
ミナの精神の核には聖域があった。飛行士としての、定命としての、昼の民としての礎が。
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posted at 02:07:14
例え凌辱と調教と寵愛の夜々に屈服し隷属しても、聖域に撤退した心は傷を癒し、折に触れて反撃と自由になる機会を求めて活発な働きを蘇らせる。
それがミナ。肉体よりも精神の再生に秀でた女の本質だった。
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posted at 02:10:47
「勝てた…んだ…あの時…まで…」
伯爵の差し延べる手を押しのけ、ジョナサンを選ぶような真似さえしなければ。聖域を隠したまま、力を蓄え、七塞領の主を打ち倒せた。
四肢を奪い、尊厳を奪い、青空を奪った男に。
そのためには。
ジョナサンを殺さなければいけなかった。
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posted at 02:19:25
浮気好きの尻軽妻は、もう何十通めかになる離婚の書類を書き終え、署名をしてから黒い塵に還した。だが意識の外でもう一通が仕上がっていて、それは同じようにできあがった用紙とともに暗室の机にしまい込まれた。
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posted at 02:33:29
週一の進捗報告を投稿しましたー。
今回からFANBOXも追加しました。よろしくでーす。
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posted at 21:29:38
2021年02月02日(火)
私が一番最初にTSを知ったのがジョーカーシリーズなので実は可変TSが好きなのかもしれない
ジョーカーにもドキドキしたけど、主人公の連れだったかがVR体験機器みたいなのを着けて女子の生活を追体験しようとするもおそらく男との性行為を体験してしまうシーン(明確な描写はなし)が結構興奮した
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posted at 01:16:17
Wikipediaで確認したら体験したわけじゃなくて暗示のせいで男性嫌悪症になってただけっぽい…？
現物が手元にないから、女好きでいかにもーな感じの男キャラが「男ってサイテー」って言ったり「きゃっ」て叫んだり若干言動が女性寄りになってたのは覚えてるんだけど細かいところ覚えてないなぁ
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posted at 01:25:15
初診の患者として訪れた際から、ミナ・ファ・ドラグ伯爵夫人は嫌な予感がしていた。
入口に立っている看護師は、女ながら並の男よりも丈高く、南方大陸出らしき黒い肌と逞しい肩や長い手足は、医療の専門職というより軍人か警察のようだ。
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posted at 20:21:43
七塞領での長い監禁生活で、目の前の医師から徹底した調教を受けた患者は、痛みだけで条件反射のように軽い絶頂に達した。
「ぁっ…はっ…♥」
「…接吻を…お許しは…いただいていますから」
せっかちな指示のままに伯爵夫人は典医と貪るように接吻をかわした。
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posted at 20:54:34
ミナが即答しようとするたび、リーはよく育った双臀を的確に痛めつけて封じ込める。
「その後こちらの法律で改めてご主人と婚姻すれば混乱は解消することかと思います」
「やら…なんれっ…♥あの人と一緒にいていいって約束っ♥」
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posted at 21:07:38
ミナは従いたくなかった。ジョナサンのごつくてしかし器用な手で体を洗ってもらったり、義肢をつけるためにそっと椅子に座らせてもらったり、髪を梳ってもらったり、そういう一つ一つがどれだけ快く、幸せで、満ち足りたものか。
だがそうした繊細なふれあいでも、血の渇きが生じるのは確かだった。
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posted at 22:07:16
「この格好。変だよね。太陽光過敏症の治療には、部屋でもあんまり肌出さない方がいいって」
「おう…そうなのか」
さすがに夫は堪えたようだった。家の中で妻の顔を見られないのは。
「こ、このぐらいは…時々してもいいと思う…けど」
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posted at 22:33:27
ミナは思わず義手を動かし、降ろしていた面紗を上げてしまう。ジョナサンの雰囲気は如実に明るくなった。
「…ミナ」
「う、うん」
「治るといいな」
「…そ、ん…うん…そうだね。ありがとう」
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posted at 22:34:40
だが訪問看護のことや、入浴介助のことを伝えると、負担が減るにもかかわらず、大柄な青年は寂しげになった。義肢の乙女は面紗の裏で唇を噛む。
「ほら。こういうのはずっと君一人でやってたら続かないからさ」
「俺ぁ平気だ」
「今より仕事が忙しくなったら」
「仕事は…やめたっていい」
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posted at 22:36:59
「ジョナサン！そういうのだめだよ！」
整備士は口を結んだが、意志の方は変わらなかった。元飛行士はまたよくない震えが走りそうになるのを懸命に押しとどめた。
あれだけ主の寵愛を注いでもらったのに、目の前の定命の雄が欲しくてたまらない。喉に牙を突き立て、
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posted at 22:38:44
熱い血を呑み、跨って、つながって、めちゃくちゃに腰を振りたい。
だがすぐに幻影が脳裏をよぎる。燃え上がる街と串刺しになった住民。武器として大鎚を握りしめたまま、杭に心臓を打ち付けられ事切れた壮漢。
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posted at 22:41:10
蝙蝠の翼の外套を翻した領主が、瞋恚（しんい）をたたえた双眸で、寛恕（かんじょ）しがたき裏切りへの制裁を下す。
七塞領の外に夜の支配を広げるなかれ。欲望のまま不死を広げるなかれ。さもなくば竜の怒りは降りかかる。最愛の花嫁の所業とて例外なく。
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posted at 22:43:45
「ミナ？」
「…とにかくもう決めたの」
「おう…首都からここまでだいぶまであるぞ。介助がいるなら、地元の」
「大丈夫、なんだ」
「おう…………いや、ただ…少し調べといた。傷痍軍人用の…」
「大、丈、夫」
ミナの双眸が面紗ごしに燃えて、ジョナサンはすぐ言葉を途切れさせ、うなずいた。
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posted at 22:47:46
