大本薫 Kaoru Ohmoto
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- 自己紹介 natural-born Jazz Flutist。ジャズフルート奏者。フルートらしさ(フルーティズム)よりジャズが本体の破壊者。幼少より渡米。ジュリアード音楽院、コロンビア大学文学部院卒。全米ジャズ教育協会会員。英米で流行りのハイデガー論者。てげてげでアドリブする現存在。17年鹿児島移住。コロナ禍で休眠中。
2014年12月13日(土)
トラヴニー氏の工作機構に対立する詩作がマルクスのユダヤ性といういわば陰謀論になる、という話は予習してたのだが、むしろ斎藤元紀氏の、いやそれより黒ノートの内実は、フッサールを新ヘーゲル主義の犠牲者、学問の偶像化と批判する「存在史的反ユダヤ主義」という「最悪の価値観」はハードだった。
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posted at 23:30:18
いずれにせよ、最近の陰謀論者が、ハイデガーの言うような「空虚な計算能力」だけのデカルト的な形而上学の虜になり、そのことで反ユダヤ主義に染まっていくように、計算能力だけに陥ったナチズムの時代に、大きな危惧を抱いた、というのが黒ノートの該当箇所から読み取れるだけ、というように思えた。
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posted at 01:27:01
しかも、そうなれなるほど、ハイデガーになぜヘブライについて語らないのか直接尋ねたポールリクールの命題を受けたマルレーヌザラデルのように、他者によるハイデガーのヘブル性が際立つのかもしれない。
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posted at 01:20:17
ハイデガーが苦慮しているのは、1945年までは無邪気に自民族の詩学だけが存在の歴史だと語れていたのが、それ以降は筆禍になりかねないという一点であるようだ。そうであるなら、私たちにも他人事でないのは、デカルト以降~という唯一点だろう。 pic.twitter.com/mr4X1WSqAo
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posted at 01:18:45
しかし、そうしたハイデガーまで陰謀論に苦慮させられたことを、レイシズムを意味する反ユダヤ主義とするのは、受け取る側のステレオタイプにすぎない。むしろ工作機構になること、デカルト以降の形而上学が存在の歴史を阻むことが、問題だという。 pic.twitter.com/dUhGrvYa0I
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posted at 01:03:34
今年の夏、安部ファシズムの吹き荒れる中で、陰謀論者の反ユダヤ主義発言に手を焼いてしまった私としてしては、なんというか同情するものがある。たぶん、ナチズムの時代なので、もっと苛烈に陰謀論との敵対があったのだろう。
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posted at 00:56:05
明日講演のピータートラヴニー氏が、昨年暮れにフランスのハイデガリアンに、黒ノートのごく一部に反ユダヤ主義=陰謀論の部分があると持ちかけたところ、フランスでハイデガーの名誉を傷つけると、出版差し止め騒動になりかけた、というだけらしい。しかもそれは黒ノートの全容ではないという。
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posted at 00:54:43
黒ノートというのは、たまたま黒い表紙のノートブックだったので、ハイデガーがその愛称で呼んでいただけで、暗黒のノートという先入観は禁物だそうだ。ハイデガー自身、『ヒューマニズムについて』で生物学的なナチズム、レイシズムを批判しているが、陰謀論に手を焼いたということだろう。
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posted at 00:52:21
ハイデガーにとっては、デカルト以降、形而上学が形骸化し、ハイデガーの言い方では「空虚な合理性や計算能力」だけに明け暮れる工作機構になったのは、ディアスポラによる「世界の喪失を前提とした」ユダヤ人で、それは存在の歴史を詩学として語る自分とは違う、ということが言いたかっただけに映る。
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posted at 00:45:41
ユンガーの総動員にちなみ、工作機構とハイデガーが名指すボリシェヴィズム(共産主義)、アメリカニズム、英国帝国主義、つまり連合国をユダヤ視し、自民族を存在の歴史と捉えているのだが、それが陰謀論であるだけに、ナチスそのものが工作機構になってしまう。そういう両義性。
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posted at 00:45:10
陰謀論の出処とは、ヒトラーが参照したシオン議定書で、ユダヤ陰謀論の起源と実証されているものだが、むしろ、ハイデガーはナチスが、ユダヤの世界支配という陰謀論に侵され暴走することに、かなり危機感をもっていた、と読めるというだけに見える。
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posted at 00:43:09
明日明後日、黒ノート編者ピータートラヴニー氏を招いたシンポを聴講するが、ハイデガー読本所収の同氏の特別寄稿と、安部浩氏の訳者付記を合わせて読むと、黒ノートの反ユダヤ主義の部分はほんの僅かで、それもユダヤの世界支配、という陰謀論と出処は同じのようだね。
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posted at 00:42:00