大本薫 Kaoru Ohmoto
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- 自己紹介 natural-born Jazz Flutist。ジャズフルート奏者。フルートらしさ(フルーティズム)よりジャズが本体の破壊者。幼少より渡米。ジュリアード音楽院、コロンビア大学文学部院卒。全米ジャズ教育協会会員。英米で流行りのハイデガー論者。てげてげでアドリブする現存在。17年鹿児島移住。コロナ禍で休眠中。
2014年12月11日(木)
鈴木大拙といえば、ハイデガーと二人でニコニコしてる記念写真が有名らしいが、禅の用語という「放下」と和訳される転回後のハイデガーの問題系を、無の思考どころか、思考の無のように誤解させることほど、愚かしいことはない。twitter.com/sunamajiri/sta...
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posted at 00:48:37
2014年12月12日(金)
ハイデガー読本、初期論文集、ハイデガーの教授資格論文、スコトゥスのスコラ学の思弁文法学~超越範疇論とフッサールの範疇的直感の共通性から、新カント派が素朴な形而上学と退けたアリストテレス形而上学を救い出してくる様が、スリリングで3回素読していたが、突然睡魔がきた。ぐっすり寝れそう。
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posted at 02:29:19
つまるところ、スコトゥス学派の思弁的文法→超越的範疇→範疇的直感→超越論性→範疇論を捨象したアリストテレスの形而上学、となるわけね。これ至極簡単な話、通常の文法学では、何一つ喋れるようにならない、というあれ。(^-^)/ pic.twitter.com/14sUwin13x
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posted at 02:45:07
2014年12月13日(土)
明日明後日、黒ノート編者ピータートラヴニー氏を招いたシンポを聴講するが、ハイデガー読本所収の同氏の特別寄稿と、安部浩氏の訳者付記を合わせて読むと、黒ノートの反ユダヤ主義の部分はほんの僅かで、それもユダヤの世界支配、という陰謀論と出処は同じのようだね。
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posted at 00:42:00
陰謀論の出処とは、ヒトラーが参照したシオン議定書で、ユダヤ陰謀論の起源と実証されているものだが、むしろ、ハイデガーはナチスが、ユダヤの世界支配という陰謀論に侵され暴走することに、かなり危機感をもっていた、と読めるというだけに見える。
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posted at 00:43:09
ユンガーの総動員にちなみ、工作機構とハイデガーが名指すボリシェヴィズム(共産主義)、アメリカニズム、英国帝国主義、つまり連合国をユダヤ視し、自民族を存在の歴史と捉えているのだが、それが陰謀論であるだけに、ナチスそのものが工作機構になってしまう。そういう両義性。
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posted at 00:45:10
ハイデガーにとっては、デカルト以降、形而上学が形骸化し、ハイデガーの言い方では「空虚な合理性や計算能力」だけに明け暮れる工作機構になったのは、ディアスポラによる「世界の喪失を前提とした」ユダヤ人で、それは存在の歴史を詩学として語る自分とは違う、ということが言いたかっただけに映る。
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posted at 00:45:41
黒ノートというのは、たまたま黒い表紙のノートブックだったので、ハイデガーがその愛称で呼んでいただけで、暗黒のノートという先入観は禁物だそうだ。ハイデガー自身、『ヒューマニズムについて』で生物学的なナチズム、レイシズムを批判しているが、陰謀論に手を焼いたということだろう。
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posted at 00:52:21
明日講演のピータートラヴニー氏が、昨年暮れにフランスのハイデガリアンに、黒ノートのごく一部に反ユダヤ主義=陰謀論の部分があると持ちかけたところ、フランスでハイデガーの名誉を傷つけると、出版差し止め騒動になりかけた、というだけらしい。しかもそれは黒ノートの全容ではないという。
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posted at 00:54:43
今年の夏、安部ファシズムの吹き荒れる中で、陰謀論者の反ユダヤ主義発言に手を焼いてしまった私としてしては、なんというか同情するものがある。たぶん、ナチズムの時代なので、もっと苛烈に陰謀論との敵対があったのだろう。
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posted at 00:56:05
しかし、そうしたハイデガーまで陰謀論に苦慮させられたことを、レイシズムを意味する反ユダヤ主義とするのは、受け取る側のステレオタイプにすぎない。むしろ工作機構になること、デカルト以降の形而上学が存在の歴史を阻むことが、問題だという。 pic.twitter.com/dUhGrvYa0I
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posted at 01:03:34
ハイデガーが苦慮しているのは、1945年までは無邪気に自民族の詩学だけが存在の歴史だと語れていたのが、それ以降は筆禍になりかねないという一点であるようだ。そうであるなら、私たちにも他人事でないのは、デカルト以降~という唯一点だろう。 pic.twitter.com/mr4X1WSqAo
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posted at 01:18:45
しかも、そうなれなるほど、ハイデガーになぜヘブライについて語らないのか直接尋ねたポールリクールの命題を受けたマルレーヌザラデルのように、他者によるハイデガーのヘブル性が際立つのかもしれない。
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posted at 01:20:17
いずれにせよ、最近の陰謀論者が、ハイデガーの言うような「空虚な計算能力」だけのデカルト的な形而上学の虜になり、そのことで反ユダヤ主義に染まっていくように、計算能力だけに陥ったナチズムの時代に、大きな危惧を抱いた、というのが黒ノートの該当箇所から読み取れるだけ、というように思えた。
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posted at 01:27:01
トラヴニー氏の工作機構に対立する詩作がマルクスのユダヤ性といういわば陰謀論になる、という話は予習してたのだが、むしろ斎藤元紀氏の、いやそれより黒ノートの内実は、フッサールを新ヘーゲル主義の犠牲者、学問の偶像化と批判する「存在史的反ユダヤ主義」という「最悪の価値観」はハードだった。
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posted at 23:30:18
2014年12月14日(日)
トラヴニー氏と斎藤氏、結構対立的。トラヴニー氏はナチズムという最悪の陰謀論の最中、ハイデガーもマルクス批判のために陰謀論に染まったが、不条理だからノートを秘蔵したというのに対して、確かにまずいと公表しなかったが死後公表を指示していたのは、より内実的な議論があったからだと斎藤氏。
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posted at 00:29:35
もちろん、陰謀論という言い方こそしないのだが、現代では陰謀論とされる問題としてトラヴニー氏が黒ノート問題を捉えてる側面は否めない。それに対して、いやそういう問題でないのは、現代の日本が抱えた問題からはむしろ自明だ、と斎藤氏は言っているようにも聞こえた。
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posted at 00:35:41
この日本がドイツに教えてしまうような視点がどうもあるようで、そこが面白い。ところで斎藤氏と一二分会話したが、ハイデガーの問題は現代の日本人からみれば至極分かりやすいことばかり、というような話になりかけたのも印象深い。
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posted at 00:41:14
2014年12月15日(月)
中田先生の本も講演もつまらないのだが、一番正論よね。ユダヤなんて哲学の問題じゃないわけだから。今日はハイデガーは下らんことばかりかくが、もっと下らんこと書いた、という話で一貫してたわけだが。@namacharlotte わはははは
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posted at 00:05:12
黒ノートシンポの感想はiPhone入力つらいから帰宅してからだが、2日目は陰謀論なんて哲学の問題でないのに、そんなものまで書いていたハイデガーの孤独とは何だったのか、日本の学者には分からない、で終わった形。当然ナチスが陰謀論的だからハイデガーが陰謀論から一歩踏み出せたわけだが。
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posted at 00:11:55
昨日の1日目のトラヴニー氏の趣旨は陰謀論は主にマルクス批判が動機というのに対して、斎藤氏のフッサール批判に比重があるという議論の方がおもしろかったのだが、2日目はトラヴニー氏のハイデガー批判の側面が垣間見れて面白かった。ハイデガー孤独すぎる。気の毒に。(^-^)/
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posted at 00:17:20
収穫は予想以上に日本の学者はハイデガーを馬鹿にしてる点だ。もちろん存在思惟は評価してるのだが、ハイデガーも人の子だという扱い。もっとカルト化してるのかと思ったが、轟氏以外は痛烈。トラヴニー氏までハイデガー批判の側に回るほど。しかし、そんな公共性に何か意味があるのか考えさせられた。
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posted at 00:29:47
黒ノートシンポ、一言でまとめれば、一般読者が思う以上にハイデガー研究者は、ハイデガーの個別的実存を独我論のトンデモと馬鹿にすることが研究の資源になっていて、それを公共性と言うのだが、黒ノートは格好の題材。現在のレイシズムから陰謀論まで、一般読者には公共的な題材だらけだ。
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posted at 23:51:56
もっといえば、ハイデガーは研究者の公共性にとってはトンデモであるレイシズムから陰謀論までを、個別的実存では大いに語ってしまうのだが、研究者の公共性からはそれを近代と命名する以外にない。一方、我々一般読者には、そうしたハイデガーはむしろ身近だ、という問題に思えた。
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posted at 23:54:29
2014年12月16日(火)
哲学にとってトンデモとはユダヤだ、というのは二日目に中田光雄御大がシンポを否定したとおりである。ハイデガーの存在史とは、文学であって哲学ではない。その文学はレイシズムではないにしても陰謀論的ですらある。だから研究者はハイデガーを貶すことを研究という。
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posted at 00:07:29
それでも研究者は職業的に、哲学であることを公共性といい、ハイデガーを個別的実存ではあるが、公共性のない独我論だ、つまり病気だと貶すことを研究と言い続けるのだ。その滑稽さが、ハイデガーの黒ノート自体によって、明示されたようなシンポであった。
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posted at 00:08:57
たしかに、先日『ハイデガー読本』を刊行した若手によるハイデガーフォーラムは、これまでの秘教的なハイデガー研究に対比すればだが、一般読者に寄り添うハイデガー読解になってきているのだろう。だから斎藤元基氏には、却って一般読者に分かりやすい話題ばかりだ、と私は会場でいう羽目になった。
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posted at 00:17:15
来日したザラデル氏によると、黒ノートはハイデガーによるハイデガリアンの拒絶だという。ハイでガリアンから見ると黒ノートは、そもそも哲学的にはトンデモのハイデガーの秘境性のなかでも、群を抜いて秘教的なテクストということになってしまう。たしかに読む気はしないが、しかし陰謀論だ。
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posted at 00:19:29
ハイデガーがシオン議定書を彷彿とする陰謀論に迂遠な言及を行うのも、むしろ陰謀論に陥ったナチズムのレイシズムを拒否するためだろう。つまり、陰謀論が陰謀論によるレイシズムを拒否るために要請されているのだ。このことを研究者が非公共的という視点だけで捉えたわけである。
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posted at 00:21:33
研究者は陰謀論をトンデモ、つまり哲学的公共性に悖るとするが、ハイデガーはレイシズムを拒否るために陰謀論に言及する。たしかに黒ノートは差別語を含むから生前公表はされなかったことになるのだろうが、死後公表を遺言していたのだ。どこにステレオタイプがあるのかを問う必要があるのだろう。
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posted at 00:27:23
私にはハイデガーにはないステレオタイプが研究者共同体には存在するように見えた。ハイデガーの道、存在史的思索、存在理解には、ステレオタイプの発生源がある。だから研究者はステレオタイプを確実に抹消する方法がないという。つまり、一般読者の公共性に託されてしまう。それを公共性という。
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posted at 00:40:45
確かに哲学にとっては単なる差別語(中田御大)にすぎない反ユダヤ主義は、黒ノートの中ではレイシズムとしてではなく、工作機構(machenshaft)の述語として登場するそうだ。またそれは近代という主語に対する述語になるのだとトラヴニー氏は論じる。つまり近代の一般読者のことだ。
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posted at 00:43:30
さて、黒ノートシンポの感想の続き。ユンガー研究者の千坂氏がツイートtwitter.com/Chisaka_Kyoji/... したように、ハイデガー批判という面が際立ったのは二日目だ。とくに三島憲一氏などが、殆どハイデガーを戯言といわんばかりであった。
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posted at 20:41:45
三島憲一氏は、ハイデガーが独我論的で、還元主義的で、陰謀論の道を開いている、とハイデガーにないのは公共性だという指摘をすると、トラヴニー氏は、公共性ばかりではヘルダーリンを含め、哲学を捉えきれないと議論に発展しかけたが発展しなかった。
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posted at 20:41:58
加藤恵介氏も「いくつかの区別について」という発表の通り、二日目の対論は、おもに仕分けのような話に陥り、そこではハイデガーのブレとか非公共性が強調されてしまったのだろう。しかし、一日目の斎藤元基氏は、ハイデガーにはブレがないと捉え、むしろハイデガーが公共的だという発表を行っていた。
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posted at 20:46:33
黒ノートはトラヴニー氏によると、ユンガーを引用し、工作機械として近代形而上学を批判し、その際に「世界ユダヤ組織」という述語がでてくるようだが、黒ノートの最初の部分(94巻)は、カント書を否定し、メタ存在論に転回するために公共性を問うている、と斎藤氏は立論しているようだ。
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posted at 20:47:00
このように、黒ノートシンポは、二日間に渡り、公共性とは何か、ハイデガーは公共的なのか、ということを殆ど主題にしていたといってよく、その内実を把捉していたのは、斎藤元基氏の94巻の読みであったと見える。そこではステレオタイプも、「存在史的ユダヤ主義」と括弧にくくられる。
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posted at 20:58:07
一般読者は、ハイデガー全集の読者ではないという意味で言ったのだが、しかしこの話は意外と一般読者にこそ分かりやすい話にどうしても思える。そのあたり、もう一度再考して、あらためて感想をツイートするかもしれない。
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posted at 20:59:21