blueday(@blueday)/2012年01月/Page 5

さうした人間觀・世界觀を前提しない限り、左翼の思想に右翼の主張は太刀打ちし得ないだらうと思ふ。

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posted at 22:58:50

その結果として、「自分だけの言葉」なるものを越えた歴史的な表記の積極的な受容、のやうな發想も生れる。

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posted at 22:58:17

傲慢な自己を拒否し、自己をこの世で一番偉いとする主義を拒否する立場から、自己を超えた存在を敢へて受容れる――さうした發想から、自己を超えるもの、宗教なり國家なりを受容する、と、さう云ふ主義をとる事。

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posted at 22:57:51

左翼に對抗する右派は、個人主義を乘越えて、個人主義の意義を知つた上で、敢へてそれを拒否する＝絶對化した自己なる傲慢な存在を拒否する、と云ふ立場から、超個人主義を主張しなければならない。

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posted at 22:56:30

一方、個人の獨善が他者への抑壓に繋がる事を、日本の左翼の人もよく承知してゐて、だから個人主義をあらかじめ突き詰めないと云ふ自衞策に走つてゐる。それをやると何時まで經つても個人主義に行着かない許りでなく個人主義の缺點に氣附けないので、ぬるい日本の個人主義は何の役にも立つてゐない。

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posted at 22:55:07

なぜなら、個人主義は結局、個人絶對主義に至るのであり、即ち自己の絶對化に繋がるから。自分で自分を絶對化するなら、それは傲慢と言ふしかないものになるし、當然それは他者の抑壓に繋がる。

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posted at 22:53:31

個人主義については一度觸れておく必要はある。確かにあるが、ただ、個人主義は到達點であつてはならないものであり、超克されねばならないものである、と云ふ事に注意が必要。

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posted at 22:52:42

日本の左翼が右翼を非難し、「國家主義」を非難するのは、「個人を抑壓する國家」と云ふ個人主義の感覺があるから。

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posted at 22:51:52

左翼の基本原理は個人主義。特に日本の左翼の場合には大抵これで説明がつく。個人の自由とか矢鱈強調するのは個人主義だから。

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posted at 22:51:05

「愛國心を持つのは當り前だからあいつらサヨはおかしい、けなしてやれ」といつた論文が雜誌にもウェブにも花ざかりだが、當り前でないから反撥する左翼がゐるわけだ。

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posted at 22:27:03

葦津珍彦にしても福田恆存にしても、さうした神がかり的な事は――少くとも評論では言つてゐないのであり、内心の信仰が動機としてある事は必須の要件であるにしても、現代の議論の場では理性的・理知的な説得が必要になる。

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posted at 22:25:07

「國民にとつて天皇は親も同然」等と言つたところで、「ちがうよ」と言はれればそれまでである。

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posted at 22:19:33

保守派・傳統主義者は、今の時代、神がかり的な「お国のために」論、愛國心の主張は、やつても甲斐ない事であると、豫め承知しておかねばならない。

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posted at 22:17:27

「お国のために」と云ふのは神がかりだが、「国家権力の怖ろしさ」は「事實」であるからより説得的に聞こえるものだ。

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posted at 22:16:23

「反國家主義」がひたすら「国に逆らう事」だけを言つてゐる限り、國家主義の「お国のために」論同樣の魅力の缺如は誰の目にも明かである筈なのだが、「国家権力の怖ろしさ」の吹聽され續ける限り或程度の説得力を以て一般の人に受容れられる事は疑ひやうがない。

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posted at 22:15:22

「お國のために」と云ふスローガンを漠然と支持するやうな國家主義は、「みんなが幸せになるために」と云ふスローガンを掲げた人間的な左翼・進歩主義・平和主義或はエコロジーほどの魅力を發揮し得ない。

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posted at 22:11:05

今活躍中の多くの保守派知識人の言つてゐる事は、部分的には贊同できるが、全體としては決して支持できない。宗教觀・人間觀を缺いた政治的な單なる戰術を言つてゐても、本質的に理想主義の左翼・進歩主義に對抗する事は不可能だからだ。

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posted at 22:09:17

右も左も「どつちもどつち」式の論法がよく使はれるけれども、單純にそれを認めてしまふわけには行かない。

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posted at 20:45:43

右派の信仰が現代には堅牢たりえないのに對して、左派の信仰が現代には極めて堅牢なものになる、と云ふ非對象である事實は重要。

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posted at 20:44:42

ただ、左派の思想の受容の仕方には一種の定式があつて、それが左翼的なイデオロギー的のものであるから、堅牢であるけれども問題があるのであつて、そこをしつかり衝く必要があるけれども、しかしイデオロギー的である以上、彼等が容易にぐらつかない事は皆がはつきり認識してゐなければならない。

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posted at 20:43:41

歐米思想の受容については左翼の連中の方が先を行つてゐて、非道く巧みに採り入れてゐるから、右派が何か言ふと左派の知識人にねちねち責められて足許がぐらつくなんて事になりがち。

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posted at 20:42:18

しかも、日本と云ふ國が明治以來開國して海外の――特に歐米の諸國と附合ふ必要が生じてゐる今、傳統的な發想だけで何とかなるものでもないので、愛國心があると云ふ人ほど西歐の思想を勉強しなければならない、と云ふディレンマがある。

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posted at 20:40:29

今の神社神道の主張は割と傾聽に價するのであつて、その邊のWiLLに載るやうな威勢の良い論文なんかあてにしない方が寧ろ良いのだけれども、世間の人が神社新報社の本を基本圖書として讀んでゐる、なんて話は聞かない。

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posted at 20:39:22

日本の右翼なり保守主義なりはナチズムとは全く異るべきである事――葦津珍彦が戰爭中に神道とナチズムが異る事を論じたパンフレットを刊行してゐる。

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posted at 20:37:07

知識を持てば、左翼にも左翼の危險なところのあると云ふ所以が解るし、右翼にもそれなりの理窟がある事は解るけれども、今の日本の状況では、知識を持たうとするきつかけ自體がない。となればイメージ戰略でも何でもやる必要があるだらうと。

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posted at 20:35:22

Permalink - 2012年01月16日

2012年01月15日(日)

私は、福田氏の信者でありD.H.ロレンスの信者であるので、活き活きとした生を信奉し、「死と再生の儀式」としての藝術を信奉するから、死んだ規則であり非人間的な官僚的規則である「現代表記」は絶對に認められない。

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posted at 04:37:41

「現代表記」と云ふ物も所詮は現代人の「合理的」發想から作られたものであり、甚だしく非人間的であると見て、それで福田恆存は徹底抗戰を誓つたのであり、實際、「現代表記」支持者からの攻撃は常に人間味を缺いたもので、それで福田氏は態度をますます硬化させたわけだ。

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posted at 04:35:02

最う寢たいので話を短絡させるけれども

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posted at 04:33:06

かつての人間が活き活きとした生を謳歌し得たのに對し、近代以來の文明社會の人間が死んだやうな生を送らねばならない事になつてゐるのをD.H.ロレンスは憎んで、それが最終的に肉體的生＝性の肯定へと至つたのだけれども、福田恆存の發想はロレンスのさうした思想に直結してゐる。

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posted at 04:32:15

福田氏の戲曲「解つてたまるか！」も、素直に讀む・觀る許りでなく、D.H.ロレンスの發想が根柢にある事を理解して鑑賞する必要がある。ロレンスの現代文明批判が「解つてたまるか！」にも強烈に反映してゐる事を、福田氏が「全集」の覺書に書いてゐる。

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posted at 04:29:48

四季を實感する事は福田氏が極めて重視した事であり、それが戰後の「国民の祝日」を批判する理由となつた。

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posted at 04:26:06

「死と再生の儀式」こそが人間の生き甲斐にとつて最も重要なものである、と云ふ發想は、福田恆存の思想の根幹にある。福田氏が演劇に向かつた理由であるが、それだけではない。

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posted at 04:24:45

自ら火に飛込んで死に、灰の中から再生するフェニックスを、D.H.ロレンスは大層好んだと云ふ話である。

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posted at 04:22:16

觀客は、劇の主人公が自身に成代つて死ぬ事でカタルシスを得るが、ギリシャでは悲劇の後、サテュロス劇と呼ばれる狂喜亂舞の舞踊劇が附隨してゐて、觀客も卷込んで再生を演じたのだと福田恆存。

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posted at 04:20:31

「藝術とは何か」ではない「劇と生活」。玉川大学出版部から出た『演劇入門』の冒頭に入つてゐる文章。

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posted at 04:18:25

ギリシャの演劇は、春夏秋から冬を經て死を迎へた世界が春になつて再生する樣を人間が再現したものである――福田恆存は「藝術とは何か」等でそのやうな説明を行つてゐる。

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posted at 04:13:21

物語の圓環構造については、ギリシャの演劇を通して福田恆存が述べた四季の循環＝死と甦りの人間による再現と云ふ發想が裏打ち的に存在する。

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posted at 04:11:21

物語の圓環構造と云ふ奴だ。

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posted at 04:08:25

伏線の展開とその囘收について理論化するには、サルトルの藝術觀が大いに役立つと思ふ。

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posted at 04:08:06

藝術は自分で自分を肯定する物である、と云ふ見方が、サルトルの『嘔吐』に示されてゐる。俺の藝術觀にはその影響が極めて強い。

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posted at 04:06:55

自己だけで完結する事を考へたのが實存主義者のサルトル。『嘔吐』はさう讀めと福田恆存が西歐作家論で書いてゐる。

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posted at 04:05:43

價値觀・イデオロギーと云ふ奴は、宗教の信念と同じ、或はそれ以上に非道い勘違ひだ。

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posted at 04:04:31

現代人は勘違ひが大嫌ひだから宗教の勘違ひを排斥するが、その結果として無神論・無宗教に行つても結局價値觀からは逃れられない。さうなると勘違ひの板挾みになつてますます苦しくなるのだが、そもそも「勘違ひ」と云ふ見方をしたのがまづかつたのでないか。

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posted at 04:03:46

宗教も勘違ひだらうと言はれるわけだが、よく出來た勘違ひの方法であるのであつて、無神論にをさをさ劣らない。生と死に希望を殘すだけ、寧ろ利點があるとすら言へる。

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posted at 04:01:54

神樣がゐれば神樣に肯定して貰ふ事を期待できる。けれども無神論では自分で自分を肯定するしかない。自分で自分を支へなければならないが、そんなのは無理。だから、無神論と言つてゐる人は、勘違ひで安心してゐる人か、よつぽど傲慢な人であるか、そのどつちかであるに決つてゐる。

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posted at 03:59:54

人はその人以外の誰かから認められるから價値がある事になるのであり、自分で自分を褒めても何にもならない。人間は人間以外の何者か――人間を超える者――から認められるから存在する意味を持つ。

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posted at 03:58:07

逆に言へば、宗教が生を否定するのみならず生を肯定するものでもある事。

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posted at 03:56:10

日本人に一般的なこの手の無神論は、生それ自體の價値を絶對化する一方、生の無價値から生の否定へと突進む危險がある。

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posted at 03:55:14

「どうせ死ぬんだから生きている間だけ幸福でいたい」と云ふ發想は、「どうせ死ぬんだから今死んでもいいんだよな」と云ふ發想を誘發する。

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posted at 03:53:17

「どうせ死ぬんだから」と云ふ發想は生禮讚の發想であるが、即座に自己禮讚の發想である。が、この手の自己中心的の發想はニヒリズムであり、生禮讚の發想の筈が即座に生の無價値の發想に轉化する危險を孕む。

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posted at 03:51:50

「悪いものがいくら増えようが知ったこっちゃない」「俺が生きている間だけ良ければそれでいいんだ」式の發想がまた、今の時代には支配的である事も大問題。

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posted at 03:50:35

個人の才能と云ふ物もあるから、良いものが消滅するわけでもないが、傳統の力を削ぎに削ぎまくれば、惡いものの増える事は間違ひない。

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posted at 03:47:22

新しいものを禮讚して古いものを古いからと言つて頭から否定する――さう云ふ態度が日本では横行してゐるが、それでは本當に新しいものなんて出て來やしないだらう、況してや良いものなんてものは出て來る筈もない。しかし、それでは困るのである。

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posted at 03:46:26

「言葉は伝わればいいんだよ」と云ふ發想が今は横行してゐるけれども、良い言葉が生み出され、後世に傳へられて行く事も、同時代で言葉が消費されるのと同じかそれ以上に大事。

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posted at 03:44:55

T.S.エリオットが言つてゐるのだけれども、或時代の全く新しい詩であつても、その最良の部分は、前の時代の詩の最良の部分である。個人の才能が新しいものを生み出すにしても、良いものは結局傳統的な部分である。

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posted at 03:43:05

以上は論理的な歸結だ。別に人をけなすとかさう云ふ意圖はない。

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posted at 03:08:26

「新かな」の問題點として、「過去のものを否定する事を助長する」「既成事實を批判的に見る事を阻害する」と云ふ事が擧げられる。最終的に、他者を理解しない態度が當り前になり、自分が一番偉い、と平氣で言ふ傲慢に到達する。

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posted at 03:07:59

非常に厄介な話なのだけれども、よくよく考へてみると、「現代仮名遣い」の立場が自己を正當化するのは、實は極めて難しい。ところが一般に「現代仮名遣い」は「正しい」とされてゐる。これが何を結果するかと言へば、「既成事實だから正しいと信じておく」と云ふ思考停止である。

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posted at 03:06:14

が、相手を理解しない態度は、閉鎖的なものである。

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posted at 03:04:28

全ての「アンチ正かな」「新かな的なもの支持者」の人が、最終的には「正かなづかひへの嘲笑」に至る。ところが、嘲笑と云ふ態度は、明かに、相手を小馬鹿にしたもので、「自分達の方が偉い」と云ふ上から目線のものである。これは相手を理解する態度ではない。

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posted at 03:04:18

さうなると、「現代人の間でさえ通じればいいんだよ！」と云ふ強い言ひ方で押し切らう、と云ふ發想が生ずる。ところがこの「強硬な姿勢で威壓して押し切らうとする態度」は、一般に原理主義的と呼ばれるものである。

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posted at 03:02:48

「新しい表記はコミュニケートするのに便利」と云ふ反論は、「コミュニケート」の意味が曖昧である問題がある。「現代人の間だけで通じる事がコミュニケートが便利と云ふ事である」と云ふ意見は「現代人だけでは閉鎖的である」と云ふ意見に對して説得的でない。

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posted at 03:01:30

となれば「新しい表記ならばなぜ良いのか」と云ふ極めて簡單な疑問が發生する。

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posted at 03:00:13

實際、「新しい・古い」と云ふ觀點から話をしてゐると、「新しいものならば全て良くて例外はないのか」「古いものならば全て良くて例外はないのか」と云ふ泥沼の言爭ひが發生する。當然の事ながら、「新しい・古い」と云ふだけで滿足なわけがなくて、結局「良い・惡い」の問題になる。

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posted at 02:59:51

表記それ自體に良し惡しは無い、新しい・古いがあるだけだ、と云ふ意見――しかし「古いものへの反感を懷かせる」と云ふのは、「古いものは惡い」と云ふ價値觀を示唆する事だ。即ち、良し惡しと云ふ價値觀に深く關係する事になるのである。

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posted at 02:57:06

最う一つ深刻な状況があつて、「新かな」に慣れた現代人には、歴史的かなづかひの文獻は「読みにくい」と云ふ感情的な反感が發生する――この「古いものへの反感」が發生する事、これが「新かな」の最惡の效能だ。感情を「新かな」は操作するのである。

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posted at 02:54:28

逆に、「新かな」しか讀めない人間にとつて、過去の文獻は一切が反古になり仰せてしまつてゐる現状がある。

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posted at 02:53:20

「新かな」に從つて――或は、「新かな的」だがさらに出たら目に――書かれた文獻、それが現在、盛に作られてゐる。それらは、將來に亙つて、ずつと讀取り易い文獻であり續けるか。

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posted at 02:52:38

歴史的かなづかひが、文法の約束事に基いて定められてゐる以上、後世に傳はつた文獻を讀取るにも、非常に便利である事は、豫測する事が可能である。

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posted at 02:51:06