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2021年03月19日(金)

メンタライゼーションに基づく治療(MBT)には可能性がある。
でも日本での実施には2つ課題がある。
①もともとの設定(デイケアや個人・集団療法の組み合わせ)が日本の医療保険に合わない。
②もともとの対象であるBPDと診断されてない患者がいる。
アレンの本は2つの課題を克服したMBT最強の本と思う。
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posted at 14:02:32

愛着関係とメンタライジングによるトラウマ治療: 素朴で古い療法のすすめ ジョン・G. アレン
www.amazon.co.jp/dp/4762829692/...
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posted at 14:03:05

①事例を読むと、アレンはメニンガークリニックの入院患者に個人面接を行い、そこにメンタライジングを生かしている。
患者も設定も千差満別であり、特異的療法は使えない。
しかしアレンはマニュアルやアドヒアランスのない、関係性を重視するセラピーにこそメンタライジングの本質が宿ると強調する。
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posted at 14:12:47

②アレンが関わっている患者の症状は、PTSD、重篤で慢性の抑うつ、薬物乱用、夫婦間暴力と多岐に渡る。BPDだけでない。
しかし背景に共通するのが、被虐待を含む、過酷な外傷経験の繰り返しである。アレンはそこに愛着(特定の人に安心感を求めること)が繰り返し傷つき孤立無援になった経験を読みとる。
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posted at 14:26:58

このような愛着トラウマをもつ患者と関わる方法が、愛着関係とメンタライジングによる「素朴で古い療法」だと力説する。
エビデンスを無視すべきというのではなく、むしろ全て上乗せすべきと言い、本書にまとめている。
あらゆるエビデンスをさらった後、現状では「素朴で古い療法」が妥当と言い切る。
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posted at 14:34:57

そんなわけで一見「当たり障りのない内容が包括的に整理されている本」という外見ながら、
実は現代の精神医学の大勢に対して、その方法論(EBM)を逆用しながら、ひとりで立ち向かっている凄まじい本である。
その説得力は、20ページ強に渡る引用文献と繊細な臨床記述に担保されている。MBT最強。必読。
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posted at 14:43:23

もう1点。ルイスがアレンと書いた
「トラウマを乗り越えるためのガイド:マインドフルネスとメンタライゼーションの実践」
はアレン本の要点を当事者向けにわかりやすくした内容であり、両方持っておくと、いろいろ役に立つ。
メニンガーのトラウマ心理教育のテキストである。
www.amazon.co.jp/dp/4422115286/...
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posted at 15:30:11