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2011年05月20日(金)
ホモ・サケルとは人の法からも神の法からも締め出された者、法の保護を受けられず(=剥き出しの生として)、主権者に生殺与奪を意のままにされてしまう者を指す。現代における例は、収容所の住人、ナチ体制下のユダヤ人、脳死者、そして潜在的には今日を生きる我々すべてのひと。
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posted at 11:26:02
ぼくらは生まれつき国家に属し、法に守られていると感ずる。でもその保護膜はいつ剥がされるともしれない。純粋な生存状態と法に守られた政治的なありかたを一体のものと考えるのは虚構で、いつ剥き出しの生を露わにされるかわからない。そういう意味でぼくらはみんな潜在的にホモ・サケル。
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posted at 14:08:08
ハイデガーはなんか運命論的だと思う。世界に投げかけられているという事実性を引き受けなきゃならない。でもハイデガーがここで言ってる事実性ってのは剥き出しの生として、なのに対して、ナチズムはドイツ国民として、血を継ぐものとしての事実性。つまり前述のレトリックでハイデガーを読み替えた。
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posted at 15:05:51
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そういう読み替えが読み替えとも思われずに実行されてきたのが近代という時代だ、とアガンベンは診断していると思う。そこで思われるのは、いわゆる実存主義というのはこの"剥き出しの生"(ホモ・サケル)主義のことなのではないかと。単独者・異邦人と呼ばれるのは、自分を例外状態に置くこと。
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posted at 15:34:32
じゃあカミュ『異邦人』をアガンベンから読んでみよう、と。ムルソーは何故殺人を犯したの? 厳密に言えば、彼には罪を犯したという意識はない。彼は法秩序に属していない、共同体から締め出された者。主権者がホモ・サケルを殺しても罪に問われないが、ホモ・サケルも法秩序に束縛されず行動できる。
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posted at 15:39:59
もっともホモ・サケルが殺した相手のアラビア人は法秩序に属しているので、罪を犯した意識はなくとも罰は受けることになるけど。ともかくムルソーはホモ・サケル以外の何者でもない。
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posted at 15:42:31
たとえば『存在と無』のサルトルが提示した人間存在もホモ・サケルの似像として読むことができる。実存主義は、でもあくまで個人主義の哲学を逸することがないから、『存在と無』以降の政治化したサルトルは自己の哲学が政治にうまく接合しないことに苦しむことになっちゃう。
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posted at 16:12:20
それは法や共同体から締め出された者として剥き出しの生を捉えるか、それとも自らそうした共同体から身を引いた個人として捉えるか、という態度の違いで、前者のアガンベンは同じ剥き出しの生を政治の問題に結びつけることに成功した。サルトルは失敗でしょう。
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posted at 16:16:40
でもサルトルはあの嗅覚でホモ・サケルとその政治性を結びつけていたと思う。彼はのちに難民や収容所の問題に発言を繰り返し、F.ファノンなんかに強い影響を与えた。きっとサルトルは、彼ら難民のうちに純粋な実存と政治性の結合体を見ていたんじゃないかな。
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posted at 16:45:39
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ガチで絵にしか見えない一枚だなコレ・・・! 『「これ、写真なんです」と言われても信じられない、一枚の砂漠写真』 www.hiroburo.com/archives/51758...
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2007年に僕が書いた減災絵本「いのちをまもる智恵」のことをブログにアップしました。日本で大きな災害が起こってしまった今だからこそ読んでほしい本です。innerscape.exblog.jp
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