hhasegawa
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- 自己紹介 長谷川晴生(Haruo Hasegawa)。自宅研究員(ドイツ文学・思想)。経歴、著作、ほかに使用中のSNSにつきましては下記ウェブサイトをご覧ください。DMは相互フォロー間のみと設定しておりますので、御用の方はtokan@nifty.comまで。
2022年12月23日(金)
![](https://pbs.twimg.com/profile_images/490746627842248704/n4QDazAb_normal.jpeg)
だから冬の夕方に電気が点いているのは、「電気が逼迫するような時間帯だけど無事に点いているなあ」という含意も考えられます。……え、そんなうがった詠み方するわけないって? いやいや。富安風生、本名謙次は逓信省の官僚で電気局長を務めました。つまり日本の電力業監督の責任者だったのです。
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posted at 22:30:20
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さらにいえば、高度成長期までの日本の電力は水主火従で、戦前の水力発電所はダム式は少なく、単純な水路式が多数でした。つまり川の流量=発電量だったのです。すると夏に雨の多い日本では、冬は発電量が少ないのに電灯が早くから点き、冬の夕方がいちばん電力需給が逼迫したのです。
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posted at 22:27:44
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しかし、私はこの句が何年に詠まれたものか知らないのですが、戦前の句であれば、「おのづから点」くことはありました。戦前の田舎の電気は、多くの場合夕暮れにならないと送電されてこず、昼間は電気が点かなかったのです。だから「もう送電されているなあ、冬だなあ」という読み方もできるのです。
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posted at 22:24:58
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昨日は冬至で、すっかり日暮れが早くなりましたが、こういう時期に思い出す俳句が、
廚の灯 おのづから点き 暮早し
という富安風生(1885-1979)の句です。「暮早し」が季語だそうで、冬になって暮が早く、台所の電気がついているなあという情景を詠んだものです。
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posted at 22:20:01