麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年04月26日(木)
欠点を挙げるならば、終始どこかで見たことがあるような印象が拭えないことだろうか。願わくば次回作では、作者にしか書けない物語を読んでみたいと思う(そして、それが本格ミステリなら尚良し)。
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posted at 21:41:21
しかしながらエンターテイメント作品としては間違いなく一級品であり、最後まで読者を引っ張る力はかなりのもの。まるで先が気になるドラマを見ているようなこの感覚は、高野和明作品にも通じるものがあるように思う。
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第四回福ミス新人賞受賞作は、殺人事件の片棒を担ぐことになった末期癌患者の男が一人の少女を守るため、残り少ない命を賭ける、出色のサスペンス作品。福ミスというと本格ミステリの賞というイメージがあるが、本作に関してはそういった要素を期待して読むと間違いなく裏切られることになるだろう。
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知念実希人「誰がための刃 レゾンデートル」読了。自分の体が末期癌に冒されていることを知った外科医の岬雄貴は、ひょんなことから悪人ばかりを狙う連続殺人鬼「ジャック」の共犯となる。だが、暴漢に襲われていたところを偶然助けた少女・沙耶と心を通わすうちに、自らの行動に苦悩し始めて……。
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2012年04月25日(水)
前作とは全く違った切り口ながらも、本格ミステリとしての切れ味が全く鈍っていない本作は、決して一発屋ではない作者の確かなセンスを感じさせてくれる、ファンタジー×ミステリーの傑作である。
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ハウダニットに関しては、前作以上にあからさまな伏線を張っているにも拘わらず、全くそうだとは気付かせない手腕に脱帽。まさかアレが真相だとは……。一方コンゲーム部分では、ある人物の企みを読者が見破ることを前提に、二重の罠を仕掛けて見事にこちらの裏をかいてみせる。
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posted at 22:54:06
ファンタジーならではの設定を巧みに活かした本格ミステリでもあるシリーズの第2弾。結界というクローズド・サークル状況下でのフーダニット物だった前作に対し、本作は不死身の怪物を巡るハウダニット物であると同時に、コンゲームの要素も取り入れている。
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山形石雄「六花の勇者2」読了。魔神を倒すため選ばれた六花の勇者たちの前に姿を現した、凶魔を束ねる統率者の一体・テグネウ。どんな凶魔でさえも死に至らしめる聖者の血液が仕込まれた釘が突き刺さっても何故かテグネウは倒れない。そうこうしているうちにテグネウの策略が六花の勇者たちを襲う。
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posted at 22:53:04
2012年04月24日(火)
本作は内容紹介を見ると「斬新なパズル・ミステリー」とあるけれど、ぶっちゃけこの真相が途中で分かった人は今すぐ病院へ行くべきだろう。紛うこと無きトンデモミステリである一方で肝心な動機が普通だったり無駄な設定、突っ込み所が満載だったりとダメミス的にも抜かりない仕上がりとなっている。
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冒頭から脱力するようなやり取りとダジャレが炸裂し、頭はクラクラ状態。ようやく事件についてのまともな議論が始まったかと思えば、推理という名の妄想で話が進み、しかもその妄想はどれもトンデモで、読者を置いてきぼりにしたまま暴走機関車さながらに最後まで突っ走っていく……。
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大坂翠「円周率殺人事件」読了。男子高校生が身体を約四十箇所も刺されて殺される事件が起こった。犯人は星野王子という名の超・能力開発アドバイザー。一見単純な事件と思われたが加藤警視正は次々に不可解な壁にぶつかる。動機はおろか殺害方法までも円周率。全ての謎は円周率に集約されていく――。
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2012年04月23日(月)
正直本作の仕掛けは引っ掛かった人を逆に見てみたいと思うくらい分かりやすいものだが、だからと言ってそれが欠点になるわけではない。本作はあえて仕掛けを割ることで少女たちの心の機微を読者に伝えたかった節があり、そういった点では本作は作者が本来の少女小説に立ち返った作品と言えるだろう。
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posted at 21:44:46
リリカル・ミステリー第二弾の本作は、少女暗黒小説とも言うべき前作と比べると、大分マイルドな内容になっている。そのため、前作のようなドス黒さを求めると間違いなく物足りなさを覚えることだろう。そして、それは仕掛け面にも同じことが言える。
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posted at 21:44:15
友桐夏「春待ちの姫君たち」読了。女子校の中等部に通う赤音は、学年の中心的存在の舞を拒んだことでクラスメイトたちから嫌がらせを受けるようになる。親友の春来にも裏切られ、孤立する赤音。だが、彼女には誰も知らない秘密があって……。
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2012年04月22日(日)
但し探偵の能力に明確なルールを定めていない為フェアさに欠けるのが残念。他の収録作も最後の短編を除けば定番のネタを使い、それなりに読ませてくれる。あとがきにて作者は本シリーズはもともと短編集形式にしたかったと語っているが、確かに間延びしていた前作を考えるとその方がいいかもしれない。
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posted at 15:55:53
例えば前作では推理しなくても真相が分かるという探偵の能力を伏線がないことの言い訳に使うという、ミステリとしては問題外といっていい内容だったが、本作の収録作の一つ「兄弟姉妹」ではそれをきちんと仕掛けに活かしているのは好印象。
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posted at 15:55:21
村田治「名探偵は推理しない2」読了。推理せずとも真相が見える探偵・譲羽恋深が活躍するシリーズ二作目は長編だった前作から一転、短編集形式に。かなりアレだった前作に比べると、大分マシになっていると言えるだろう。
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2012年04月20日(金)
そして、真相が明らかになると同時に浮き彫りになる、ある登場人物の執念、幕切れは正にホラーのそれである。これだけややこしい話を270頁というコンパクトな分量で纏め上げた手際が実に素晴らしく、個人的には処女作「バイロケーション」を超えたと言っても過言ではないだろう。
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posted at 22:38:02
本作はSF、本格ミステリ、ホラーの三つの要素が含まれた秀作である。まずSF設定に基づき、次々と起こる不可解な現象。それに対し同窓会という、関係者が全員揃った場にて真相を披露する本格ミステリ的な構成。
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posted at 22:37:29
法条遥「リライト」読了。1992年の夏、中学2年生の美雪は未来からやってきた少年・保彦を救うため、十年後へ跳んで携帯電話を持ち帰った。そして2002年の夏、作家となった美雪はその経験を小説にして出版するが、それと平行して、かつての同級生たちが次々と謎の死を遂げている事実に気付く。
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posted at 22:36:16
また仕掛けに関していえば先述の某作の方が巧く、衝撃度でいうならばエルフの某ゲームの方が間違いなく上だろう。むしろ本作は先行作に対するリスペクトの結晶という見方が正しいかもしれない。
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posted at 11:40:08
本作を一言で言うならば、エロゲの文脈を使って書かれた、メフィスト賞作家Tの某作という印象。なので古くからエロゲに慣れ親しんでいる人間からしてみると、本作の内容は差ほどブッ飛んでいるとは思えないし、00年代前半にはこれと同タイプのエロゲが結構あったように思う。
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posted at 11:39:26
海猫沢めろん「左巻キ式ラストリゾート」読了。記憶がない僕が目覚めた場所は十二人の少女が生活する見たこともない学園だった。そこで僕は理事長を務める少女・宇紗菜から最近学園を騒がす連続強姦事件の調査を命じられる。閉鎖世界、狂気、凌辱、暗号、読者への挑戦――そして、その先に待つものは?
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posted at 11:39:06
2012年04月18日(水)
それは月面基地訓練のための閉鎖施設を舞台にしたフーダニット物「星風よ、淀みに吹け」にも同じことが言えるだろう。むしろ個人的に良かったのは非本格である「くばり神の妃」で、ほのぼのとした見かけに反してこの真相は完全にホラーである。できれば、このノリで全編やってほしかった。
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posted at 22:12:13
表題作は、設定だけ見るとかなり捻くれた本格ミステリのように思えるが、非犯人を絞り込む推理の過程は意外と普通。オチに関しても特に意外性はなく、料理の仕方によっては突き抜けた可能性もあるだけに残念でならない。
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posted at 22:11:33
小川一水「トネイロの会非殺人事件」読了。憎むべき脅迫者を殺害すべく結成された『トネイロ会』。メンバー全員が手を下せるような特殊な殺人計画が実行に移されるが、一人だけ手を下していない人間がいることが発覚し――犯人当てならぬ非犯人当てに挑んだ表題作含む三篇が収録されたミステリ作品集。
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posted at 22:10:59
2012年04月17日(火)
惜しむらくは「分かれ目」という設定がなくても話が成立してしまうことだが、それは瑣末なことに過ぎない。良作揃いのロジック・ミステリ短編集として是非ともお勧めしたいと思う。なお、個人的なベストは「傘の花」、次点で表題作。
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posted at 22:21:01
「座間味くん」は操が「分かれ目」のサンプルとして語る過去の終わった事件から些細な矛盾点を指摘、そこからロジックを駆使して意外な構図を暴き出していく。その手際が優れているのもさることながら本作はこれまでの石持短編集に見られた「玉石混淆」感があまりなく全体的にレベルが高いのが好印象。
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posted at 22:20:32
石持浅海「玩具店の英雄」読了。事件の成功事例と失敗事例を分析し、その「分かれ目」を標準化することを目指す科学警察研究所の操はある日、大迫警視正から「座間味くん」と呼ばれる謎の男を紹介される――「心臓と左手」に引き続き、「座間味くん」が安楽椅子探偵として活躍する連作ミステリ。
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posted at 22:19:39
むしろ本作は友成作品にしては珍しく(?)最後まで失速することがなく、しかもきちんと話が纏まっているという点ではかなりの良作と言うことができる。しかし、まさか友成作品でここまで綺麗なラストを見ることができるとは思わなかった(爆)。
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どちらかといえば本作は、早瀬と雄高という二大狂人(!)に巻き込まれた人々が非道の限りを尽くした凌辱や虐殺に遭う話であるため、二人のまともな対決を期待すると些か肩透かしを覚えることだろう。しかしながら、本作は断じて駄作というわけではない。
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posted at 14:03:24
友成純一「魔族狩り」読了。香港の阿片窟で魔物に取り憑かれた男・早瀬が日本に戻ってきた。彼が白昼堂々起こした狂態を偶然目撃した魔術研究家の雄高は、霊媒の百合子と共に魔物に立ち向かうことになる……という粗筋をみて、よくある伝奇アクション物かと思った人がいるならそれは全くの早計である。
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posted at 14:02:00
それと共に怒濤の伏線回収が始まるのはこのシリーズではお馴染みだが、とりわけ本作は伏線の隠蔽の仕方が絶妙で、これまで以上に伏線探しがアツい作品になっているのではないだろうか。本作は本格ミステリとホラーのボーダーラインに挑んだ傑作である。
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posted at 01:18:47
そもそもメインとなる謎が朧げで全く掴みどころがなく読み進めば読み進む程ホラーの雰囲気が濃厚になっていく。かの刀城言耶に「現実の事件と非現実の怪異との境目が一体全体何処にあるのかさえ、一向に分からない」とまでいわしめるのだが、それがたった一つの事実から一気に解明される様は実に圧巻。
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posted at 01:17:43
三津田信三「幽女の如き怨むもの」読了。窓から逆さまに部屋を覗き込む「幽女」の姿が度々目撃される遊郭で、戦前、戦中、戦後にわたって起きた不可解な連続見投げ事件の謎――まず最初に断っておくと、本作にはこれまでの刀城シリーズに見られた不可能犯罪やどんでん返しが一切出てこない。
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posted at 01:17:07