麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2023年02月23日(木)
作者が得意とする伏線の妙もさることながら何気に変質者的行動の裏に隠された意図が○。そしてそれ以上に見所なのはタイトルの意味と直結した事件の真相であり、これを最後まで隠し通した技巧にはさすがと思う反面、情報を伏せすぎたせいでやや唐突に感じてしまう点は賛否分かれるところかもしれない。
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posted at 16:49:57
近年の作者らしい社会派要素が盛り込まれた長編ミステリ……なのだけど、その一方でオーソドックスな粗筋とは裏腹に色々と仕掛けられているおかげで何とも感想が書きにくい作品となっている。本作の見所は幾つかあるが大抵の読者がまず目を惹くのは○○形式を活かした中盤のサプライズだろう。
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天祢涼「彼女はひとり闇の中」読了。十月の日曜の夜、千弦の家の近くで刺殺された女性は幼なじみの玲奈だった。玲奈は殺される直前「相談したいことがある」と千弦にLINEを送ってきていた。事件の真相を探り始めた千弦はやがて大学で玲奈のゼミを担当している犯罪社会学者の葛葉を疑い始めるが……。
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2023年02月22日(水)
また読者に共感を覚えさせるためか登場人物たちの設定に今の社会問題を無理やり反映させている点もSFになりきれていないような中途半端さを感じてしまう。総じて個人的には前作同様、悪くはないが良くもない作品である。
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それでいてミステリの手法はかなりベタで、更に犯人の動機に至ってはどこかのアニメで見たような誇大妄想的安っぽさがあり、真相が明かされれば明かされるほどミステリとしての評価が微妙になっていくのが難。
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江戸川乱歩賞受賞第一作は宇宙ホテルを舞台にした長編SFミステリ。エンタメ的には読ませる部分もあるもののミステリとしてみると些か物足りなさが残る。というのも本作で使われているトリックは科学知識に基づくものが多く謎が解かれてもやられた感より科学番組を見せられたような感覚が付き纏う。
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桃野雑派「星くずの殺人」読了。完全民間宇宙旅行のモニターツアーで念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師穂稀は会社の指示に従いツアーの続行を決めるが、その後もトラブルが続出。通信手段まで失われる中、遂に第二の事件が――。
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2023年02月19日(日)
「スリープレス」再観了。17年前の小人殺人鬼が現代に甦り再び凶行を繰り返す話。ジャッロの現代版とも言うべきスタイリッシュさもさることながら改めて観ると所々にアルジェントのセルフオマージュ要素が感じられてニヤリとさせられる。ただ某古典ミステリまんまの一部の真相は賛否分かれるところか。
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「タランチュラ」観了。美女の首に針を刺して動けなくしてから惨殺する連続殺人鬼の話。ジャッロの代表作として挙げられることが多い作品だけあってジャッロの特徴である残虐な殺人シーンとエロスに関してはもはや様式美と言っていいくらい完成されている。ただ物語はあくまでオマケと割り切るのが吉。
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2023年02月17日(金)
ソウマトウ「シャドーハウス」13巻読了。無能力者狩り編の解決編。キャラ同士の楽しいやり取りから急転直下の謎解きはやや唐突な感があるものの真相自体はそれぞれの能力を活かした手堅い作り。だが特筆すべきはやはりその後の真犯人とジョンの決闘で真剣勝負なのにコミカルなのがジョンらしくて○。
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江坂純/凸ノ高秀「she is beautiful」2巻読了。カーチェイスなどのアクションシーン多めな一方で少しずつ明かされる主人公の境遇はだいぶ過酷かつ鬼畜でビックリ(あと思っていた以上にSF寄り)。とはいえまだ全て明かされたわけではないし更に新たな謎も追加されているので続きを楽しみに待ちたい。
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朝倉亮介「四季崎姉妹はあばかれたい」4巻読了。遂に明かされた犯人と動機。個人的に感心したのは主人公の置かれた状況がミスディレクションであると同時に実は最大のヒントでもあった点で動機に関してもこのシチュエーションならではで○。更に転生設定にもちゃんと意味があるようで先が気になる。
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2023年02月16日(木)
加えて波乱も特になくトントン拍子で進みすぎるのも物足りなさに拍車をかけている。ただ終盤ちょっとした意外な展開と共にさりげなく仕掛けられていたミステリ要素(特に○○トリックにはビックリ)が明かされる点は○。とはいえそれで全てを帳消しにできるわけもなく、総じて勿体ない作品である。
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地方の町を舞台に人生のたそがれ時を迎えた男たちが巨悪に立ち向かうクライムノベル。人間ドラマに定評がある作者がこの手の物語を手掛けたらさぞ盛り上がるのだろうなと思いきやどうにも物足りなさを覚えるのは単に主人公側の視点のみで敵側が描かれないため対決している感じが一切しないからだろう。
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posted at 16:59:04
宇佐美まこと「逆転のバラッド」読了。第一線を退き地元の支局に異動してきた新聞記者、老朽化した風呂釜修繕の金策に走る銭湯主人、暴力団を首になった釜焚き係、儲からない骨董屋の跡継ぎ。そんな人生の折り返し点を過ぎた男たちが若き銀行員の不審死を機に地方の町を侵食する巨悪と対決する。
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posted at 16:59:04
2023年02月15日(水)
緻密なロジックが展開された先に待つ真相は実にこの作者らしい人を食ったものであると同時に、この連作の設定を最大限に活かした意外性を演出している点が素晴らしい。ある意味本作で完結しているものの、個人的には続編も読んでみたいと思わせる佳作である。
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むしろ本番は第二の事件である表題作からで、ここでようやく作者の本領である発想の転換が堪能できるのもさることながら、なぜ予告状が大雑把かつあやふやだったのかの理由が秀逸。だがそれ以上に秀逸なのはトリを飾る第三の事件「手間暇かかった判りやすい見立て殺人」だろう。
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posted at 22:31:53
しかもどの事件も様々な理由で中途半端というのが何ともユニークだが、正直最初の事件である「古典的にして中途半端な密室」に関してはヒントがあからさまなせいもあってだいたいの人が途中で真相に気付いてしまうのではないだろうか。
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現実に起きたミステリ小説っぽい事件に対処するべく設立された警察庁特殊例外事案専従捜査課に所属するクセの強い探偵たちの活躍を描いた連作ミステリ。本作に収録された三つの事件はそれぞれ密室、怪盗の予告状、見立てといかにもなラインナップでミステリファンなら心惹かれるものがあるだろう。
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posted at 22:31:51
倉知淳「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状」読了。ミステリ小説っぽい事件がリアルに起きた時になんとかするための部署・警察庁特殊例外事案専従捜査課に配属されることになった新人警察官の木島。彼はクセツヨ探偵たちと共に中途半端な密室、あやふやな予告状、見立てっぽい殺人事件に立ち向かう。
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2023年02月14日(火)
ただその反面これまでの門前作品同様欠点も多く、事件が起きるまではかなり退屈だし設定に無駄が多いしオチの伏線も唐突だし……と挙げていったらキリがないが、それでも作者らしからぬ仕掛けの連打が新鮮だし何より近年の門前作品の中では最良と言える佳作である。
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ちなみに門前作品ではお馴染みのバカトリックを期待するとやや物足りないかもしれないが、最初の事件における一石二鳥の密室トリック(何が一石二鳥なのかは読めば分かる)はユニークだし邪悪な犯人の動機や偶然が過ぎるとはいえブラックなオチなど見所は多々あると言っていいだろう。
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posted at 21:44:45
とはいえその構成は定番とも言えるものであり、加えていかにもな書き方と分かりやすい伏線のせいである程度ミステリを読み慣れている人であれば作者がやろうとしている仕掛けに見当がつくかもしれない。しかしながらそこは作者も想定していたのか、更にもう一捻り入れてきているのは○。
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名探偵・蜘蛛手シリーズの七作目にあたる長編ミステリ。本作はここ数年の門前作品ではお馴染みの手記によって事件が語られる方式に加え謎のタクシーに一人の女が拉致されるエピソードが度々挿入される構成となっているがまず結論からいうと本作は門前史上(?)最も構成に力が入った内容となっている。
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posted at 21:44:44
門前典之「友が消えた夏 終わらない探偵物語」読了。一級建築士で探偵の蜘蛛手啓司が相棒の宮村達也から渡されたのは連続窃盗犯が所持していたある事件の記録。名門大学演劇部の劇団員たちが密室殺人に遭遇した挙げ句一夜にして首なし白骨死体と化したというその事件は一応の決着を見ていたのだが――。
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2023年02月12日(日)
「魔鬼雨」観了。ある一家が一冊の本のせいで悪魔崇拝のカルト教団に狙われる話。何といっても圧巻なのはCGが一切ない時代に作られた雨で人間達が溶けるシーンでそれと異様な邪教の雰囲気だけで押しきった感があるが個人的にはその二つの見所だけで充分元は取れる。あとオチは定番だがインパクト強し。
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「野獣死すべし」観了。松田優作の出ている方ではないルチオ・フルチ版「仁義なき戦い」というべき映画。一応兄を殺された弟の復讐劇がベースにあるものの次第に弟そっちのけで話が進んでしまい、最終的に復讐劇感が薄れてしまうのが残念。とはいえ無駄に残虐シーンが多いのが何ともフルチらしくて○。
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2023年02月09日(木)
一応誰が竜を暴走させたのかというフーダニット趣向もあるものの、どちらかというとそれを機に明らかになるモニカの父の死に纏わる陰謀や、殿下に隠された秘密など今後の展開に関わってきそうな要素がいっぱい出てきたことの方が興味深い。学園物らしさは弱めでも個人的には読み所が多い巻だった。
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posted at 21:17:44
最強の引きこもり天才魔女が正体を隠し王子に迫る悪を密かに裁く学園ファンタジーシリーズの五作目。今回は冬休み編だけあって学園物らしさは弱めだがその代わりいつも以上に殿下に正体がバレそうなハラハラ感と、その殿下との熱い共闘という一見相反した要素を絶妙に両立させている点が素晴らしい。
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依空まつり「サイレント・ウィッチV 沈黙の魔女の隠しごと」読了。冬休み中のモニカに与えられたのは隣国との外交取引で第二王子を護衛する公式任務。沈黙の魔女としての任務ゆえ、その隠れファンである殿下の熱視線が痛い。そんな中、外交の場に突如竜が襲来!しかも竜の暴れ方は尋常ではなく……?
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posted at 21:17:05