麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2023年01月31日(火)
とはいえ物語の構造的に吸血鬼の正体が分かりやすい面があるしロジックによる消去法が使われているわけでもないのでガチの犯人当てを期待すると少々物足りないかもしれないが、ライトな吸血鬼ミステリとしては申し分ない良作である。
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加えてそのフーダニットは吸血鬼に纏わるある要素が活かされた一筋縄ではいかないものに仕上がっており厳密なロジックによる絞り込みではないものの前述した要素を踏まえたユニークな伏線がいい。また吸血鬼の正体を巡って二転三転する中で候補者たちの素性が明らかになっていく展開もスリリングで○。
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吸血鬼が脅威として存在する現代日本を舞台に、吸血鬼捜しというフーダニットを趣向にした長編ファンタジーミステリ。本作を読んでまず目を惹くのは吸血鬼という定番の題材を使いつつも設定がよく考えられている点であり、それがメインのフーダニットにもきちんと反映されているのは好印象。
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岩田洋季「ゲーム・オブ・ヴァンパイア」読了。吸血鬼が人を襲う災害が起こる現代。吸血鬼による殺人事件をきっかけに天霧学園の高等部へ潜入し学園に潜む吸血鬼を捜し出すことになった公安吸血鬼災害課の汐瀬命。やがて命たちの捜査により四人の生徒が候補として絞り込まれる。この中に吸血鬼がいる。
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2023年01月29日(日)
ネタに関しては前作同様分かりやすいのに加え今回は起こる事件に必然性というものが殆どなく事件の構造はかなり雑なのに都合良くバレない場面が多すぎて展開に無理がある。一応あとでフォローを入れてはいるもののそれでも穴を埋めたとは到底言い難くミステリ的にも伝奇的にも中途半端な作品である。
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呪殺島秘録シリーズの三作目。前作「巫女島の殺人」がネタの分かりやすさに目を瞑りさえすれば、伝奇とミステリの程よい配分と約束された大破局に向かって疾走感を増していく纏まりのあるプロットが好感触だったのに対し、本作はというと全体的に悪い意味で行き当たりばったりの印象が否めない。
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萩原麻里「人形島の殺人 呪殺島秘録」読了。幼馴染みの古陶里が僕に黙って彼女の実家がある壱六八島――かつて人形を介した呪術を使っていた一族の住む島へと一人で向かった。古陶里を追いかけて島を訪れた僕を迎えたのは崖に吊された死体。姿を消した古陶里が殺人の容疑者とされる中、更に殺人が……。
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また病気の正体も分かりやすいが一作目も二作目もそこは分かりやすかったので、もうそういうものなのだと割り切った方がいいのかもしれない。一方「錬金術師」の事件は認知の変化を巡るロジックにピンとこない部分があるものの物語自体はどちらの事件も面白いので細かいことは気にしないのが吉である。
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現役薬剤師でもある作者による異世界召還×医療ミステリシリーズの三作目は初の中編集で粗筋にある通り「エクソシスト」と「錬金術師」に纏わる二つの事件が収録されている。「エクソシスト」の事件はネタの見せ方こそ悪くない反面、ある重要な描写が省かれているせいで釈然としないものがあるのが難。
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紺野天龍「幽世の薬剤師3」読了。漢方診療科の薬剤師・空洞淵霧瑚が迷い込んだ異界「幽世」には現実世界では存在しえない者たちがいる。取り憑いた悪魔を祓う「エクソシスト」。神秘を探究する「錬金術師」。果たしてその奇跡は本物なのか。空洞淵は事件の背後にある《病》の解明を試みるが……。
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2023年01月26日(木)
とはいえ、その説明回というワンクッションがあるからこそ次のゲームがより一層盛り上がるわけで、次巻から満を持して始まるマーダーミステリ『すべてが赤になる』(「すべてがFになる」っぽい名前だ)に大いに期待したいと思う。
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神々が考案した様々なゲームに挑むファンタジー頭脳戦シリーズの六作目。前巻の感想でいよいよ核心に迫りつつあると書いたが今回はその核心に入る前の説明回といった印象が強く、一応後半に人対人のカードバトルが盛り込まれているものの前巻の神々のゲーム二連戦と比べると些か物足りなさは否めない。
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細音啓「神は遊戯に飢えている。6」読了。いまだ謎に包まれた世界最強チームのヘレネイアの真意を確かめるべく神秘法院本部へとやって来たフェイたち。そんな彼らの前に現れたのはフェイの旧チームのリーダー・ケイオスだった。彼の口から語られる世界最強チームの正体とヘレネイアの真意とは?
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2023年01月25日(水)
それでいて前作同様、デスゲームの常連プレイヤー視点ならではの一風変わったデスゲームの描き方や良い意味でラノベらしい無駄に萌え要素のあるデスゲームのシチュエーションも健在で、引き続き次巻でもこの唯一無二の個性を維持していってほしいと思う。
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例えば前作はただタイプの違う二つのデスゲームをギャップ狙いだけで並べた感が否めなかったが本作では前半のゲームの内容がしっかりと後半のゲームに活かされているのが好印象だし何より前作の〈キャンドルウッズ〉に見られたトンデモ要素が鳴りを潜め、きちんと説得力のある展開になっているのは○。
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デスゲームの常連プレイヤー・幽鬼のデスゲームという非日常の日常を描いたシリーズの二作目。二つのデスゲームが収録された二部構成で前半が脱出ゲーム、後半はバトル要素ありの集団戦なのは基本的に前作と同じながらも、実際読んでみると前作よりも完成度が上がっている印象を受ける。
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鵜飼有志「死亡遊戯で飯を食う。2」読了。〈キャンドルウッズ〉から三ヶ月後、幽鬼は再びデスゲームのプレイヤーに復帰した。足元の不安な廃ビルからの脱出ゲームと風呂場での札の争奪戦。その一方で彼女に近づく不穏な影と三十回辺りのゲームでプレイヤーが不幸に見舞われるという業界の〈呪い〉――。
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2023年01月22日(日)
また黒い真相という点では表題作「異分子の彼女」のシンプルながらも身勝手な動機も捨てがたい。その他、奇妙な死体の入れ替わりと息子が大叔父を殺害し自首した理由に迫る「焼けたトタン屋根の上」の事件を通して見えてくる、タイトルが象徴する人間の悲しい性も○。
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posted at 15:59:19
ベストは最もページ数が多い書き下ろし中編「そこは彼女が潜む部屋」で、恋人の何気ない発言に纏わる謎が複雑な人間模様を経て辿り着く有り得ない符合とそこから導き出される黒い真相も見所だが、それ以上にどこに着地するか分からない、読者を翻弄させるようなプロットがいい。
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posted at 15:58:55
タイトル通り腕貫探偵が「リモート相談窓口」という形でオンラインで謎を解く連作ミステリ。今回は珍しく作者のあとがき(コロナ禍について思うことや趣向について語っている)が付いている他、三つの事件が収録されているが、収録作のページ数に比例して事件の人間関係も複雑になっていくのが面白い。
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西澤保彦「異分子の彼女 腕貫探偵オンライン」読了。34年前の挙式当日に新郎が殺された謎、奇妙な死体の入れ替わりと息子が大叔父を殺害し自首した理由、曰く付きのマンションの一室に隠された忌まわしい記憶……コロナ禍の櫃洗市で発生する奇怪な事件の謎を公務員探偵がオンラインで解き明かす。
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2023年01月21日(土)
「キラーカブトガニ」観了。放射能事故で誕生した人喰いカブトガニが次々と人間を襲う話。冒頭から良い意味でB級臭さ全開で、古今東西のモンスターホラー映画から戦隊ヒーロー物の巨大バトルまで好きなものを片っ端から入れたような愛あるパロディーが実に微笑ましい。遊び心溢れるエンドロールも○。
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2023年01月20日(金)
中でも極め付きはタイトルにもなっているアネットが一連の騒動にどう関わっていたかであり、そこで明かされるバカンス回らしからぬ事実が何とも秀逸。加えてエピローグの後に用意された次巻への引き――もといあるキャラたちの成長した姿も実に心憎く、3rdシーズンの開幕としては申し分ない佳作である。
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そしてそれらをどう繋ぎ合わせてみせるのかが本作最大の見所でありラノベらしい良い意味で無茶苦茶な真相もあれば、コミカルな展開を隠れ蓑にしたミステリ的技巧に満ちた真相もあり、作者の芸達者ぶりを大いに感じさせてくれるだろう。
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posted at 21:30:15
しかしながら面白いのはラブコメ要素を盛り込みつつも一方で連続殺人の謎を追ったり伝説の財宝を探したりとシリーズ中最もミステリらしい話になっている点だろう。しかもその展開は様々な謎や趣向が入り乱れ過ぎて極めてカオスな様相を示しており更には奇想的演出(!)まで出てくるのだから恐れ入る。
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機関『灯』の活躍を描く長編シリーズの九作目。一応シリーズにおける3rdシーズンの開幕ではあるものの前巻までハードすぎる物語が続いたためか、今回は打って変わって短編集のノリに近い『灯』メンバーのバカンスを描いた肩の力が抜けた内容となっている。
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竹町「スパイ教室09 《我楽多》のアネット」読了。フェンド連邦での激闘の後、14日間のバカンスを楽しむため離島を訪れた『灯』の面々。だがそこで待っていたのはクラウスの許嫁を名乗る少女との出会い、島に伝わる海賊伝説、そして奇怪な連続殺人事件だった。更に仲間のアネットが行方不明になり――。
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2023年01月18日(水)
「DO YOU LIKE HITCHCOOK?」観了。ヒッチコックの「裏窓」と「見知らぬ乗客」をベースにアルジェントが大胆にアレンジ。サスペリアPART2を想起させる部分もあるが出来は雲泥の差で、どうでもいいシーンの水増しのせいでサスペンスなのに間延び感が否めないのが残念。あと主人公が割りとクズでアレ。
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「機械じかけの小児病棟」観了。閉鎖が決まった小児病院で相次ぐ怪異の真相とは? 怪異の一つ一つが真相を示唆する手掛かりになっている点もさることながら何よりミステリ的どんでん返しと共になぜ今になって起きたのかというホワイダニットが解き明かされる構造が実に秀逸。結末も巧く決まった傑作。
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2023年01月16日(月)
「ザ・ディープ・ハウス」観了。YouTuberカップルが湖に沈んだ屋敷で見たものは? やってることは正統派幽霊屋敷ホラーながらその舞台を水中にしただけで閉塞感や緊張感が格段に高まるのが面白い。惜しむらくは導入部がやや退屈な点だが水中パートになってからは目が離せなくなること請け合いである。
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