麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年10月30日(日)
それにより浮かび上がる異世界本格らしい異形のロジックもさることながら、このシリーズでお馴染みの黒幕の存在が最後に明かされる事件の構図の異様さを際立たせるのに一役買っているのも○。本作はこのシリーズの医療ミステリとしての弱点を巧く異世界本格要素でカバーしてみせた佳作である。
タグ:
posted at 12:32:55
現役薬剤師でもある作者による異世界召還×医療ミステリシリーズの二作目。花嫁を死に至らしめる「神の子が宿る」現象の正体は今回も察しがつきやすいものながら、本作が秀逸なのはそれだけでは終わらせず、人々の噂が現実化してしまうというこの世界のルールを巧くその現象と絡めている点だろう。
タグ:
posted at 12:32:35
紺野天龍「幽世の薬剤師2」読了。幽世の薬師となり吸血鬼事件を解決した空洞淵霧瑚の許に一人の少女が助けを求めてくる。なんでも彼女の村では毎年神の子を身籠る花嫁が村の娘から選ばれるが、なぜか常に神の子は生まれてこないまま花嫁が衰弱死する悲劇を繰り返しているらしい。果たしてその真相は?
タグ:
posted at 12:31:55
2022年10月26日(水)
だが終盤に近付くにつれ物語はそれとは異なるジャンルに踏み込み始め、終わってみればこれ以上ないほどラノベらしいハッピーエンドを迎えていることに驚かされる。軽妙な語り口に反してかなりテクニカルな構成であり、初期の野﨑まど作品のような軽々とジャンルを飛び越える体験が味わえる怪作である。
タグ:
posted at 21:07:54
良い意味でラノベらしいジャンルミックス小説。本作がユニークなのは特殊設定の青春小説として幕を開けたかと思えば一章ごとに視点人物を変えることで意外な事実を突き付け読者の認識に揺さぶりをかけてみせる点であり、そこだけみればミステリかつアンチセカイ系として捉えることもできるだろう。
タグ:
posted at 21:07:21
さがら総「恋と呪いとセカイを滅ぼす怪獣の話」読了。星墜ち島には特別で孤独な子どもたちが集められている。十数年前に太平洋に堕ちた星の影響で奇妙な『呪い』を宿す能力者たちだ。社会から隔離されたこの島に一人の転校生がやってきたのを機に、彼らの驚くべき真実が少しずつ明らかになっていく――。
タグ:
posted at 21:06:52
2022年10月25日(火)
密室のハウダニットや犯人を追い詰める決め手の部分はそれなりに練られている反面ミステリとしてみるとロボット三原則に纏わる一番肝心な所が後出しなのがやや気になるものの、そこさえ目を瞑れば謎解きをきっかけに始まる終盤の怒涛の展開は見応えがあるしラストに登場する某キャラも気が利いている。
タグ:
posted at 21:32:46
殺されても生き返る高校生探偵・追月朔也が事件の謎を解くシリーズの四作目。本作はこれまで出たシリーズの中では最上の出来で、ロボット三原則という定番の題材を巧く物語に組み込んでいる点もさることながら「殺されても生き返る」探偵の特性を四作目にしてようやく捜査に活かしているのも○。
タグ:
posted at 21:32:26
てにをは「また殺されてしまったのですね、探偵様4」読了。一万人を超える受刑者とロボットの看守により構成された屈斜路刑務所でロボットと人間の心中事件が起きた。ロボット三原則により人間を殺せないロボットはいかにして心中を実現できたのか?その謎を探るため朔也は刑務所に潜入することに――。
タグ:
posted at 21:32:02
2022年10月23日(日)
「劇場版 ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ」観了。アルゴが口調と中の人のせいでナナチにしか聞こえなかった(爆)。個人的にはアスナの成長が分かるミト戦も良かったがそれ以上に5層のボス戦が圧巻の出来(ただこれ、ミトがいなかったらアウトだったような気が)。
タグ:
posted at 23:35:28
2022年10月22日(土)
加えてその真相も決して突飛ではなくきちんと事件の設定から逆算して作られているのがいい。本作は法廷ミステリ好きは勿論のこと見方によっては裁判という形を借りた安楽椅子探偵物と捉えることもできるのでその手の話が好きな人にもお勧めできる傑作である(個人的なベストは第四章「沈黙と欺瞞」)。
タグ:
posted at 15:57:49
しかも本作が秀逸なのは「比類なき被告人質問」によって真相が齎される前に弁護人や被告人、時には語り手による珍推理(?)によって事件に幾つかの波乱を起こしている点であり、それを踏まえて読者にある程度真相を予想させてから、更にその上をいく真相を提示してみせる手腕が抜群に巧い。
タグ:
posted at 15:57:35
異端の裁判官が結審直前に発した「比類なき被告人質問」によって起きる五つの逆転劇を収録した連作法廷ミステリ。「真・逆転裁判」という帯の文句に偽りはなく、極めて現実的な事件を扱ったリアルな法廷の中でゲームの逆転裁判さながらの豪快な構図の反転が起こる様は実に痛快の一言に尽きる。
タグ:
posted at 15:57:10
矢樹純「不知火判事の比類なき被告人質問」読了。殺人事件の裁判を傍聴することになったフリーライターの和花は衝撃的な場面を目撃する。不知火判事が被告に「勇気を持って真実を答えて下さい」と前置きした後、投げかけた最後の質問をきっかけに今まで見えていた事件の構図が一変してしまったのだ――。
タグ:
posted at 15:56:45
2022年10月20日(木)
個人的に良かったエピソードを挙げるとするならアネットと猫のほのぼのした触れ合いと苦すぎる結末のギャップが印象的な3章、犯罪組織『堕落論』を巻き込んだドタバタ劇からのバカミス的切り札が痛快な5章あたりだが、基本的には全体を通して読んでこそ意味のある作品と言えるだろう。
タグ:
posted at 21:09:56
「スパイ教室」シリーズの短編集第三弾。今回収録された短編はいずれもは本編では描かれなかった『灯』と『鳳』の交流の日々に焦点を当てており、それが忘れ難いものであればあるほど『鳳』が迎える結末の物悲しさが際立つ構成が実に心憎い。
タグ:
posted at 21:09:32
竹町「スパイ教室 短編集03 ハネムーン・レイカー」読了。『飛禽』のヴィンドはフェンド連邦の地で窮地に立たされていた。『べリアス』による襲撃、世界最高峰の力を誇る『黒蟷螂』との対峙。次々と仲間が倒れゆく中、彼の脳裏にあったのは『灯』と過ごした日々だった……。
タグ:
posted at 21:09:02
2022年10月19日(水)
江坂純/凸ノ高秀「she is beautiful」1巻読了。メメント系の記憶障害ネタに百合要素とSF風特殊設定を絡ませたミステリ。「この世界は一体何なのか?」「自分の身に何が起こったのか?」という二つの謎を軸にサスペンスフルに展開する物語もさることながらヒロインが可愛いのも好印象で続きが楽しみ。
タグ:
posted at 20:46:41
朝倉亮介「四季崎姉妹はあばかれたい」3巻読了。ミステリとハーレムラブコメの見せ方に関しては今回が最も秀逸で主人公の鋭い推理に感心した後のエロハプニングもといどうしてこうなった感が実に面白い。そして終盤のオッパイ攻勢にもめげずいよいよ核心に迫った主人公に対する三姉妹の反応に要注目。
タグ:
posted at 10:52:36
2022年10月16日(日)
「ルチオ・フルチのクロック」観了。三人組の強盗が押し入った屋敷で遭遇する悪夢。フルチ晩年のテレビ映画で時間が巻き戻ることでなぜ死者だけが蘇るのかが謎だが割とやりたいことが明確なストーリーは嫌いではない。また殺害シーンの無駄に残虐な描写や死者の甦りシーンはいかにもフルチらしくて○。
タグ:
posted at 22:20:42
2022年10月13日(木)
どちらかというと事件が終わった後のエピローグの方がそういったファンの期待に応えている感があり、そこで明かされるある意外な事実こそ最大の読みどころと言ってもいい作品である。
タグ:
posted at 22:36:26
言うなれば本作は「F」の展開を逆手にとって描いているところがあり、それが真相のミスディレクションになっている点は否定できないものの、その反面〈「F」の衝撃、再び〉という謳い文句を素直に信じてしまった読者からするとあまりにも俗っぽいこの真相はかなりガッカリするのではないだろうか。
タグ:
posted at 22:32:49
森作品ではお馴染みの探偵役の一人・犀川創平最後の事件と銘打たれた長編ミステリ。〈「F」の衝撃、再び〉と帯に書かれている通り本作は作者のデビュー作にして代表作である「すべてがFになる」を彷彿とさせる粗筋となっているが、正直それを期待すると良くも悪くも裏切られることになるだろう。
タグ:
posted at 22:32:17
森博嗣「オメガ城の惨劇」読了。「マガタ・シキ」の名前によって孤島に聳えるオメガ城へ集められた六人の天才と一人の雑誌記者。そこにはサイカワ・ソウヘイも含まれていた。執事すら主催者の顔を知らず招待の意図は誰にも分からない。そして深夜。高い叫び声のような音が響き、城は惨劇の場と化した。
タグ:
posted at 22:31:48
2022年10月12日(水)
るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」10巻読了。管理キャンプ編開幕。前巻から三年の時を経たことによりこれまで積み重ねてきた物語が活きてくるのがいい。またタイムリープの能力者との対決に関しては予測の範囲内での決着ではあるもののより強くなった主人公を見せる展開としては申し分ないと思う。
タグ:
posted at 08:46:52
2022年10月09日(日)
ベストを挙げるなら歌謡界の元スターの犯罪を描いた「一等星かく輝けり」で犯人はもとより読者をもペテンにかける、被害者の人物像を絶妙に活かしたある事実が秀逸。また「そんなやり方ありか?」という点では反則スレスレの手段でこれ以上ない〝瞬間〟の決め手を犯人に突き付けてみせる表題作も○。
タグ:
posted at 16:34:49
死神めいた風貌の警部が犯人を追い詰める連作倒叙ミステリシリーズの二作目。今回収録された四編に共通しているのはいずれも犯人を追い詰める決め手の意外性を重視している点であり、それもオーソドックスなものから「そんなやり方ありか?」と読者の度肝を抜くものまで幅広く用意されているのがいい。
タグ:
posted at 16:34:15
倉知淳「世界の望む静謐」読了。看板漫画家を殺してしまった週刊漫画誌編集者、悪徳芸能プロモーターを手にかけた歌謡界の元スター、部下の裏切りに報復する人気タレント文化人、過去を掘り返そうとする同僚の口を封じた美大予備校講師...…罪を犯した者達の前に死神めいた風貌の警部が立ちはだかる。
タグ:
posted at 16:33:55