麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年07月26日(火)
貴志祐介「鍵のかかった部屋」読了。最近の密室を扱った作品というと、その殆どがトリックよりも何故密室にしたのかというホワイダニットに重点が置かれているのに対し、本作は愚直なまでにトリックに拘っている。本作で読者が求められている問題は極めてシンプルだ。――どうやって密室にしたか?
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posted at 02:05:23
だが、シンプル故に答えを出すのは極めて難しい。そのトリックの斬新さもさることながら(一部前例があるものもあるが)、構成一つとっても全てそのトリックを成立させるための無駄のない仕上がりなのが素晴らしい。またシリーズ長編でも見られた仮説のビルド&スクラップは中編集である本作でも健在。
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posted at 02:06:25
そして最後には犯人との対決まで用意されているという、至れり尽くせりぶり。但し、最後に収録されている「密室劇場」はギャグ作品なのでそれに該当しない。個人的には最後はギャグで落とさない方が良かったような気がするのだけど……ちなみにベストを選ぶなら「佇む男」。
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posted at 02:07:04
初野晴「初恋ソムリエ」読了。吹奏楽部所属の穂村チカと上条ハルタが活躍するハルチカシリーズ第二弾の本作は聞くところによると一部では前作「退出ゲーム」よりもミステリ度は劣ると言われていたようだがとんでもない。本作は前作に勝るとも劣らない、いや、それ以上に技巧的な作品に仕上がっている。
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posted at 18:38:09
特に感心したのは一月のうちに三度も行われた奇妙な席替えと熱血教師の謹慎が絶妙にリンクする「アスモデウスの視線」でこれこそ日常の謎の良い見本だと思う。また表題作にしても初恋鑑定というほのぼのとした内容からは想像もつかない真相のギャップ感が素晴らしい。個人的には前作よりも面白かった。
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posted at 18:39:21
安萬純一「ガラスのターゲット」読了。二十人以上の死者を出した世田谷の爆破事件と八王子、町田で立て続けに起こった若者の集団毒殺事件には繋がりがあった。……鮎川哲也賞授賞後第一作である本作は事件自体は派手だが、展開は前作「ボディ・メッセージ」と同様、極めて地味という欠点を抱えている。
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posted at 22:17:26
作者には申し訳ないが、判明した事実のみを淡々と記していくその展開は退屈の一言に尽きる。これで真相にそれらを帳消しにしてくれるくらいのインパクトがあればまだ良かったのだが、残念ながら最後までこちらの予測を上回ることなく終わってしまった。
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posted at 22:18:37