Twitter APIの仕様変更のため、「いいね」の新規取得を終了いたしました

麻里邑圭人

@mysteryEQ

  • いいね数 9,797/10,375
  • フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
Favolog ホーム » @mysteryEQ » 2022年12月
«< 前のページ123のページ >»
並び順 : 新→古 | 古→新

2022年12月02日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

水鏡月聖「僕らは『読み』を間違える」読了。 消しゴムに書かれた『あなたのことが好きです』について勘違いをし失恋した僕は高校入学後なぜか漫画研究部に在籍することに。そんな僕が日々読んでいる小説に対し捻くれた解釈をする中、太陽少女・宗像瀬奈がどこからか学園の小さな謎を見つけてきて――。

タグ:

posted at 11:48:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

第27回スニーカー大賞《銀賞》受賞作。まず本作は学園ミステリと謳っているが正直その売り方は微妙だと思う。というのも物語の前半は主人公が章題にもある「走れメロス」や「蜘蛛の糸」といった有名作品に自分なりの解釈を示すのだがこれが如何せんただの憶測な上に脱線しまくりで全く面白くないのだ。

タグ:

posted at 11:49:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

しかしながら物語の終盤、本作の本領が実はすれ違いがテーマの恋愛小説であり、前半の有名作品などに対するピントのずれた解釈も伏線だったことが分かってくると俄然面白くなってくる。加えてタイトルの意味が徐々に明かされていく構成も実に秀逸。

タグ:

posted at 11:49:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

故に本作は「学園ミステリ」ではなく「ミステリ要素のある青春恋愛小説」といった方が正しいのだが、あとがきによるとどうやら作者自身はミステリだと思って本作を書いたわけではないようなのでこれに関して作者を責めるのは酷かもしれない。

タグ:

posted at 11:50:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

本作はタイトルの意味が分かってから読む、二度目の読書が楽しい青春恋愛小説の佳作である。

タグ:

posted at 11:50:40

2022年12月03日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

オーノ・コナ「勇者認定官と奴隷少女の奇妙な事件簿」読了。魔王復活に備え『勇者認定保護制度』が法案化されて早百年。諸国を巡っていた王国勇者認定官のミゲルと相棒のディアはある日、魔王を倒した勇者の生まれ変わりである聖勇者の噂を耳にする。聖勇者の少女が起こす奇跡は果たして本物なのか?

タグ:

posted at 10:51:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

第13回講談社ラノベ文庫新人賞《優秀賞》受賞作。「”奇跡”と”勇者復活”を巡る異世界本格ミステリ」と謳っている本作は基本的に聖勇者の起こす奇跡の正体を主眼にしているが、それに付随して起きる様々な謎がホワットダニットにも似た効果を上げており、色々と先が気になる作りになっているのがいい。

タグ:

posted at 10:51:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

そしてそれらの謎がきちんと結び付いて明らかになる真相はシンプルながらも良い意味でファンタジーの盲点をついているのが○。加えて『勇者認定保護制度』という本作ならではの設定が巧く活かされており最後に明かされるあるサプライズによってそれまで見えていた景色がガラリと一変する点も実に秀逸。

タグ:

posted at 10:52:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

但し一部の奇跡に関してはフェアではないものもあるのがやや残念だが、それを差し引いても本作が異色の探偵コンビが印象的なファンタジーミステリの佳作であるのは間違いないだろう。

タグ:

posted at 10:52:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

「殺しを呼ぶ卵 【最長版】」観了。1968年に制作された養鶏サスペンスの完全版。社会派要素もあるもののどちらかというと異常性のシュールな描き方が印象的で独特な音楽や演出は「デリリウム」に通じるものがある。所々伏線未回収な部分もあるがそこは「細けえことはいいんだよ」精神で楽しむのが吉。

タグ:

posted at 23:38:57

2022年12月06日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

乾くるみ「ハートフル・ラブ」読了。突然の余命宣告を受けて結婚を決意した夫婦「夫の余命」、プチ同好会で聞いた同級生の自殺「同級生」、たった一人の女子を巡る理系男子の暗闇「数学科の女」など「イニシエーション・ラブ」を彷彿とさせる短編も収録した全七編の文庫オリジナル短編集。

タグ:

posted at 21:56:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

「イニシエーション・ラブ」「セカンド・ラブ」に続くラブシリーズ(?)の三作目にあたるミステリ短編集。「ハートフル」というタイトルに反して収録作の殆どがハートフルとは程遠い内容なのはどうかと思わなくはないが、ここ十年の作者の短編集の中では比較的まともな出来と言えるだろう。

タグ:

posted at 21:56:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

ベストを挙げるなら「夫の余命」で、作者の某作を思い出す構成とバカミスすれすれのネタを活かして収録作唯一の「ハートフル」を効果的に演出してみせた技巧が○。次点は「数学科の女」で、「イニシエーション・ラブ」を逆手に取ったようなネタを使って二転三転させるプロットが楽しい一編である。

タグ:

posted at 21:57:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

残念ながら全編当たりとは言い難いものの(個人的見解では七編中三編がハズレ)、久々にこの作者らしさが感じられる作品集である。

タグ:

posted at 22:08:26

2022年12月07日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月7日

鴨崎暖炉「密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック」読了。日本有数の富豪にしてミステリーマニアが開催する孤島での『密室トリックゲーム』に招待された高校生の葛白香澄は変人揃いの参加者達と共に本物の連続密室殺人に巻き込まれてしまう。果たして彼らは生きて島を出ることができるのか?

タグ:

posted at 18:51:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月7日

「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」の続編。正直いうと前作は光るところもなくはないが総じて質より量の印象が否めなかったため、前作に比べて密室トリックが増えたと言われても期待より不安の方が勝っていたのだけれど……結論からいうと、それは杞憂に過ぎなかった。

タグ:

posted at 18:53:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月7日

勿論七つも密室トリックがあれば中には微妙なものもあるけれど今回は物理の北山に勝るとも劣らない思わず笑ってしまうような大掛かりなものも多く、かなり好印象。しかもただ詰め込んだだけではなくトリックの順番も考えられており、それにより次に使われるトリックに説得力が与えられているのがいい。

タグ:

posted at 18:53:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月7日

加えて今回はロジックや仕掛けに関してもだいぶ力が入れられており、ある隠された趣向を犯人特定のロジックと絡めた点もさることながら何より作中にさりげなく挿入された某シーンを七つ目の密室トリックの解明と大胆に結び付けて意外な犯人を演出してみせた点が実に秀逸。

タグ:

posted at 18:54:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月7日

更に最後に明かされる仕掛けでは発想の面白さだけでなく、きちんと未回収の謎の補完として機能している点も○。総じて前作よりも遥かに質が向上した、バカミス愛に満ちた秀作である。

タグ:

posted at 18:54:30

2022年12月08日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月8日

平石貴樹「笑ってジグソー、殺してパズル」読了。ジグソーパズル連盟日本支部長で三興グループのオーナーでもある興津華子の死を皮切りに富豪興津家で三度惨劇が起こる。現場にはなぜか必ずジグソーパズルがばらまかれていた。若き法務省特別調査官・更科丹希が動機に囚われない論理的思考で謎を解く。

タグ:

posted at 17:45:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月8日

作者の看板探偵の一人・更科丹希こと更科ニッキ初登場の長編ミステリ。まず冒頭で作者は本作のことをジグソーパズル小説と称し「第3章の結末まででこの犯人捜しのジグソーパズルは一とおり完成される運びとなる」と語っているが、これは言うなれば本作が純粋パズラーであるという宣言に他ならない。

タグ:

posted at 17:46:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月8日

故に読者は第3章の結末の時点で探偵役の更科ニッキ同様真相に気付いていてしかるべきであると作者に挑発されているわけだが如何せん本作はパズラーとしてみるとかなりの曲者であり、特に連続殺人であるという事実を逆手に取って本質を見誤らせる事件の構図が意地が悪いくらいに良くできている。

タグ:

posted at 17:46:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月8日

それでいて動機に囚われない論理的思考によって犯人を突き止めつつも決して動機をないがしろにしているわけではなく、それどころかジグソーパズルを効果的に使うことで動機に纏わるある人物の心の闇をまざまざと印象付ける技巧が実に秀逸。

タグ:

posted at 17:47:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月8日

加えてなぜ犯人が毎回現場にジグソーパズルをばらまくのかという謎がシンプルながらも良く練られており前述した事件の構図と相俟ってミステリ好きであるほど罠にハマりやすいのではないだろうか。尤も警察の捜査のみで進む構成はやや単調かもしれないがパズラー好きならばぜひ挑んでほしい傑作である。

タグ:

posted at 17:47:16

2022年12月09日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月9日

岬鷺宮「あした、裸足でこい。2」読了。未来での二斗の失踪を止めるため過去へ遡って高校生となった俺は二斗の親友・五十嵐萌寧が二斗への依存をやめるべく始めた夢探しを手伝うことに。一方、二斗は順調にアーティストの道を駆け上がっていたが、それは未来で起きたある事件が近い前兆でもあった。

タグ:

posted at 21:35:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月9日

元恋人の失踪を止めるため高校時代へとタイムリープするシリーズの二作目。主人公のタイムリープの法則もだいぶご都合主義だが、そこへ更に某キャラのタイムループ設定も加わってきて正直困惑感は否めない。作者的には厳密にSFをやる気はないにせよ、それに関するフォローは後でしてほしい気がする。

タグ:

posted at 21:35:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月9日

とはいえ今回のメインである親友間の問題に前述したループ設定を多少なりとも活かしてきた点は悪くないし、何より今回作者が描こうとした熱くて美しいだけではない青春の一端は垣間見えたように思う。

タグ:

posted at 21:36:15

2022年12月10日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月10日

「MEN 同じ顔の男たち」観了。夫の死を目撃した女が心の傷を癒すためにやってきた田舎町で遭遇する恐怖。序盤の静かな展開からは想像もつかない不気味ながらもシュールな笑いの連続と終盤の血みどろの悪夢は必見。但し考えるな感じろタイプの物語は賛否が分かれるかもしれない。あと何気に音楽も○。

タグ:

posted at 22:18:31

2022年12月12日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月12日

青崎有吾「11文字の檻 青崎有吾短編集成」読了。JR福知山線脱線事故に遭遇したカメラマンが覚えた違和感を描く「加速していく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人の顛末「噤ヶ森の硝子屋敷」、人気コミックのノベライズ「前髪は空を向いている」などに書き下ろしの表題作を加えた全八編収録。

タグ:

posted at 20:33:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月12日

これまで作者が発表したノンシリーズ物の短編及び掌編のみを収録した作品集。中には某人気コミックの二次創作もあるごった煮的内容で、一応ミステリも幾つか収録されてはいるものの、どちらかというとミステリ部分よりも小説家としての作者の引き出しの多さを楽しむのが吉だろう。

タグ:

posted at 20:34:45

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月12日

とはいえミステリとしての読みどころが全くないわけではなく例えば「加速していく」はミステリとしての気付きが事故の衝撃性と相俟って米澤穂信にも似た青春の苦さを引き立てることに成功しているし「噤ヶ森の硝子屋敷」はこの作者らしい唖然とするような大胆な発想で楽しませてくれる。

タグ:

posted at 20:35:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月12日

また「your name」は掌編ながらも活字あるあるネタを巧く使ったどんでん返しがいい。だが何よりも本作のトリを飾る、奇妙な刑務所に囚われた男たちのコンゲームを描いた書き下ろしの表題作が、ミステリ作家としては勿論、小説家としても作者の今後の可能性を大いに感じさせてくれることだろう。

タグ:

posted at 20:35:37

«< 前のページ123のページ >»
@mysteryEQホーム
スポンサーリンク
▲ページの先頭に戻る
ツイート  タグ  ユーザー

User

» More...

Tag

Recent

Archive

» More...

タグの編集

※タグはスペースで区切ってください

送信中

送信に失敗しました

タグを編集しました