麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年09月23日(金)
遠藤武文「デッド・リミット」読了。事の始まりはシングルマザーの智子の許に届いた切断された息子の指だった。その直後に電話をかけてきた山田浅右衛門と名乗る男は息子の命と引き換えに身代金五千万円を要求する。……事件に巻き込まれた五人の事情が判明した時、驚愕な真相が明らかになる。
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posted at 10:23:14
驚愕な真相というと聞こえはいいが、ぶっちゃけ本作の真相は「クルーザー殺人事件」並に分からないと思う。一応誘拐ミステリを謳っているけれど間違っても心理的駆け引きや計画の緻密さを求めてはいけない。真相が明かされた時その行き当たりばったりな内容に開いた口が塞がらなくなること必至である。
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posted at 10:23:58
その他、登場人物の行動にも問題ありすぎでツッコミ始めたらキリがない。また文章面でもかなり難あり(擬音や台詞がおかしい、鵺の鳴き声のようなという表現は誰もが思う表現なのか?等)。ただ複数視点の割には「プリズン・トリック」よりは読みやすいので、ダメミス入門としてはいいかもしれない。
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posted at 10:24:30
山口雅也「狩場最悪の航海記」読了。タイトルにもなっている『最悪の航海』について登場人物の一人はこう語っている。「『最悪の』航海だったからこそ(中略)普通の人なら経験できないような数奇な冒険に巡り合えたということなのじゃないですか」本作は正にそんな体験ができる冒険小説の傑作である。
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posted at 20:51:01
2001年に発見された「ガリヴァー旅行記」の続編という設定である本作の雰囲気に一番近いのは、作者が古本屋で見付けた一冊ペーパーバックを翻訳したという設定の「日本殺人事件」だろう。但し「日本殺人事件」が徹頭徹尾本格ミステリであるのに対し、本作はあくまで旅行記の体裁を取っている。
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posted at 20:51:25
とはいえ、そこは山口雅也。サムライやニンジャ、海賊にドラゴンが入り乱れる中、ハラキリ殺人や密室殺人をさらりとやってのけてくれるのが素晴らしい。本作はミステリ要素は勿論のこと、蘊蓄や緻密に作り込んだ世界観が魅力の、山口雅也にしか書けない超絶冒険譚である。
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posted at 20:51:48