麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年11月08日(火)
梶龍雄「鎌倉XYZの悲劇」読了。まず最初に断っておくと本作は数ある梶作品の中でも異色作の部類に入る作品である。その理由は幾つかあるが、一番の理由は被害者が天国にある探偵局から捜査の過程を見物するという風変わりな設定だろう。しかし、だからと言って本作がキワモノというわけではない。
タグ:
posted at 09:39:39
それどころか、本作の設定は全て計算したものであるのだから恐れ入る。些か詰め込みすぎなきらいはあるものの、作者の企みはかなり成功していると言ってもいいだろう。また本作で起こる事件が、クィーンの「悲劇四部作」と何かしら符合しているのも、ミステリ好きの心を擽らずにはいられない。
タグ:
posted at 09:40:21
それにしても本作を含めたこの時期の梶作品を読むと初期の新本格に通じるものを感じてしまうのは何故だろう。仮に作者がまだ生きていたとしたら、そういった作品を未だ書き続けていた可能性も充分あり、もしかしたら今とはまた違った評価を得ていたかもしれない。そう思うと色々と感慨深いものがある。
タグ:
posted at 09:41:10
石崎幸二「第四の男」読了。櫻藍女子学院高校の生徒で大手食品メーカー会長の孫娘・星山玲奈が何者かに拉致された。だが彼女は犯人グループの隙を見て逃走、無事保護される。それから数日後、玲奈を攫ったのと同じ犯人グループから今度は警視総監宛に「別の女子高生を誘拐した」との脅迫状が届く。
タグ:
posted at 16:56:45
惜しい。前半の誘拐劇からお馴染みのあのネタを使って過去の事件へと繋げる手順は申し分ないのに、最後の最後でやってしまった印象。確かに本格ミステリである以上、手掛かりとしてその事実を出さなくてはいけないとはいえ、伏線があからさま過ぎて最後のサプライズが見事に失敗してしまっている。
タグ:
posted at 16:58:51