麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年03月03日(土)
井上ほのか「愛してるっていわせたい」読了。真名子と克樹のアイドル探偵コンビの今度の依頼人は日舞の名門桜童子流宗家のお嬢様。何でも桜童子流次代の家元に決まっていた彼女の許婚がパーティー会場で乾杯の音頭をとった直後に謎の死を遂げたという。彼女は許婚は毒殺されたのだと主張するが――。
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posted at 13:04:46
本作の成功はこの毒殺トリックを思い付いた段階で約束されたといってもいいだろう。作中の探偵役に「たとえトリックがわかっても、この犯罪は絶対に立証できないんだ」とまで言わしめたこのトリックは人間心理の盲点を突くものであると同時にある意味少女小説であることを最大限に活かしたとも言える。
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飛鳥部勝則「あなたの下僕」読了。寂れた寺の境内で行われた試写会で流された映画は貴夫に知佐絵との記憶を思い起こさせた。スクリーンの中のセーラー服を着た知佐絵似の盲目の少女はミイラ男にこう語りかける。「そうよ、あなたは私のためなら何でもしてくれる。だって、あなたは私の奴隷なのだから」
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posted at 20:35:29
「白い猫」と並ぶ、飛鳥部変態ホラーの傑作。美少女の放尿と罵倒が三度の飯より大好きな人(!)は迷わず手に取るべき作品である。「砂漠の薔薇」の終盤を彷彿とさせる罵倒もさることながら、何よりこのどこか清々しささえ感じる放尿シーンの変態的描写が素晴らしい。
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posted at 20:36:16
その一方で、次第に現実が虚構に取り込まれていく様は定番ではあるが、幻想的な美しさを覚える。このどうしようもなく変態なのに美しいという不思議な読後感こそ、飛鳥部勝則ならではのものだろう。
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posted at 20:36:52