麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年03月12日(月)
芦辺拓「大公女殿下に捧げる密室」読了。昔馴染みの未来生から助けを求められ欧州の小国「ヴェルデンツ大公国」にやって来た森江春策を待っていたのは宮殿内の塔で起こった密室状況下での殺人事件だった。塔内にいた未来生が最有力容疑者になったのに加えておてんば大公女にも振り回される羽目に……。
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posted at 20:06:47
本作には密室や首なし死体といった本格ミステリ的要素が出てくるものの、不思議と本格ミステリを読んでいる感じがあまりしなかった。それは多分、本作が謎をあくまで物語を盛り上げるための装置として扱っているからだろう。この感覚は皆川博子「開かせていただき光栄です」に近いものがある。
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posted at 20:07:42
とはいえ探偵に対する犯人の考え方は本格ミステリの定番を逆手にとったものでなかなか面白かった。ただプリンセスのキャラは、ツンデレと謳うにはツンもデレも些か弱い気がする(まあ萌えを重視しているわけではないので、それでもいいかもしれないが)。
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posted at 20:08:04
法条遥「バイロケーション」読了。画家を志す忍は偽札の使用を疑われたのを機に自分と同じ容姿、同じ行動をする「バイロケーション」なるものが存在していることを知る。その後忍は同じ理由で苦悩する人々が集まる会に入ることになるが、それから間もなく会のメンバーが何者かに一人ずつ殺されていく。
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posted at 20:08:20
本作はホラー小説として世に出たものだが、個人的には特殊設定を用いた本格ミステリとして楽しく読ませてもらった。本作の仕掛けのうち、一つはだいたい予想がつくかもしれない。だが作者はその後にもう一つ捻りを加えたサプライズを用意しており、自分としてはむしろこちらの方を評価したい。
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posted at 20:09:03
ホラーとしての恐怖感はイマイチ薄いものの、「バイロケーション」という設定を活かした物語としては申し分ない。またリーダビリティもかなり高いので、面白い本格ミステリを読みたいという人には是非とも本作をお勧めしたいと思う。
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posted at 20:09:32