麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年04月20日(金)
海猫沢めろん「左巻キ式ラストリゾート」読了。記憶がない僕が目覚めた場所は十二人の少女が生活する見たこともない学園だった。そこで僕は理事長を務める少女・宇紗菜から最近学園を騒がす連続強姦事件の調査を命じられる。閉鎖世界、狂気、凌辱、暗号、読者への挑戦――そして、その先に待つものは?
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posted at 11:39:06
本作を一言で言うならば、エロゲの文脈を使って書かれた、メフィスト賞作家Tの某作という印象。なので古くからエロゲに慣れ親しんでいる人間からしてみると、本作の内容は差ほどブッ飛んでいるとは思えないし、00年代前半にはこれと同タイプのエロゲが結構あったように思う。
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posted at 11:39:26
また仕掛けに関していえば先述の某作の方が巧く、衝撃度でいうならばエルフの某ゲームの方が間違いなく上だろう。むしろ本作は先行作に対するリスペクトの結晶という見方が正しいかもしれない。
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posted at 11:40:08
法条遥「リライト」読了。1992年の夏、中学2年生の美雪は未来からやってきた少年・保彦を救うため、十年後へ跳んで携帯電話を持ち帰った。そして2002年の夏、作家となった美雪はその経験を小説にして出版するが、それと平行して、かつての同級生たちが次々と謎の死を遂げている事実に気付く。
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posted at 22:36:16
本作はSF、本格ミステリ、ホラーの三つの要素が含まれた秀作である。まずSF設定に基づき、次々と起こる不可解な現象。それに対し同窓会という、関係者が全員揃った場にて真相を披露する本格ミステリ的な構成。
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posted at 22:37:29
そして、真相が明らかになると同時に浮き彫りになる、ある登場人物の執念、幕切れは正にホラーのそれである。これだけややこしい話を270頁というコンパクトな分量で纏め上げた手際が実に素晴らしく、個人的には処女作「バイロケーション」を超えたと言っても過言ではないだろう。
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posted at 22:38:02