麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年05月18日(金)
鯨統一郎「笑う娘道成寺」読了。バー〈森へ抜ける道〉を舞台に、女子大生探偵・桜川東子がグリム童話やギリシャ神話の新解釈を披露しつつ、難事件を解き明かすシリーズの四作目。今回のお題は歌舞伎の新解釈ということだが、あくまで言及するのが物語部分だけなのが少々残念。
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posted at 13:02:15
そのため短編によっては歌舞伎というより日本史の新解釈になってしまっている。できれば歌舞伎ならではのものをもう少し押し出してもらいたかった。一方、ミステリとしては突き抜けたところこそないものの、そつなく纏まっている印象。シリーズファンであれば安心して読める作品である。
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posted at 13:02:39
梶龍雄「本郷菊坂狙撃殺人」読了。本郷菊坂のホテルの一室で自殺をしようとしていた女が偶然目撃した狙撃事件。ある理由から事件に興味を抱いた女は、事件の鍵を握る少年が住む屋敷にメイドとして入り込む。それから間もなく少年の飼っていた犬が轢殺され、続いて屋敷の主人が何者かに射殺された――。
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posted at 22:04:34
「奇妙な探偵が異様な犯罪に挑む」という本作の内容紹介に偽りなし。ミステリ的にはかなり面白いことをやっている作品である。残念ながら犯人が行ったある試みに関しては自分にその知識がなかったため完全に驚くまでには至らなかったが、それを抜きにしても本作の真相の異形ぶりは際立っている。
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posted at 22:05:05
その異形の真相を縦横無尽に張り巡らされた伏線が支える一方で、些かご都合主義な展開が気になるもののラストで明らかになるある構図を見るとそれも致し方ないのかなと思わなくもない。個人的には秀作レベルの作品だが、もし前述したある試みに関する知識があったならば傑作と呼んでいたかもしれない。
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posted at 22:05:52