麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年05月23日(水)
佐野洋「同名異人の四人が死んだ」読了。作家・名原信一郎の書いた中編小説「囁く達磨」の登場人物と同じ名前の男が変死した。最初は単なる偶然の一致と思われた事件も同名の変死者が四人にも及ぶと犯罪性を帯びてくる。四人の変死者と名原を繋ぐ接点が見出だせないまま、事件は謎を深めていく――。
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posted at 16:40:41
ある作家が書いた小説に出てくる登場人物と同じ名前の人物が次々と死んでいくという謎は魅力的な反面、肝心の解決が意外性に乏しく悪い意味で落差を感じてしまう。またそれまで話の構成が丁寧だったにも拘わらず終盤になると少々駆け足なのも×。できればきちんと謎に見合った真相を見せてほしかった。
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posted at 16:42:19
深水黎一郎「言霊たちの夜」読了。言葉をテーマにした非ミステリ短編集……というとやたらと高尚な内容に思えるが、さに非ず。早い話、東野圭吾でいうところの「○笑小説」みたいなノリのユーモア小説であり、従来の深水作品を知っている人間が読むと、作者に一体何があったのかと仰天するに違いない。
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posted at 21:03:35
例えば最初の短編「漢は黙って勘違い」は「鼻かみたい」と「裸見たい」を聞き違えるみたいなネタで最後まで突っ走ったような話で、これをくだらないと取るか、全力でくだらないことをやっている姿勢に感心するかで評価は大きく分かれると思う。
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posted at 21:04:18
但し最後の短編「情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群」は笑いの中に皮肉と社会的テーマを織り混ぜた内容であり、ただのユーモア小説として終わらせなかったのが何ともこの作者らしい。本作は作家・深水黎一郎の意外な一面が楽しめる短編集である。
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posted at 21:04:43