麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年11月09日(金)
野崎まど「野崎まど劇場」読了。野崎まど初の短編集。死体を探しに行く検死官、対局にペットを連れてくるプロ棋士、勇者を何とかしたい魔王、色々とツッコミどころ満載の森の音楽団、密室を舞台に活躍するアイドルグループ、アンドロイド対人間のビームサーベル戦記などバラエティ豊かな24編収録。
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posted at 21:45:52
本作を一言で例えるならば、小説版「ギャグマンガ日和」。全編シュールとしか言いようのないギャグ物で統一されており、「パーフェクトフレンド」のトムなどのギャグが好きだった人にはうってつけの作品と言えるだろう。
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posted at 21:46:27
だがその一方で単なるギャグ物には留まらない、この作者ならではの文章実験が炸裂しており、例えば最初の短編「Gunfight at The Deadman city」では小説の常識を打ち砕くような衝撃(笑撃?)の超絶技巧を見せてくれる。
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posted at 21:47:23
また文章表現だけではなくイラストを多様する構成はある意味、蘇部健一作品にも通じるものがある。基本的には非ミステリ作品ではあるが、唯一例外なのが「首狩島容疑者十七万人殺人事件」で、首を切らなかった理由という逆説的なロジックを扱っているのが素晴らしい。
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posted at 21:47:49
尤も担当編集者は「ミステリーとしてどうよ」と苦言を呈しているが、はなからバカミスとして書かれている以上、個人的には充分アリだと思う。野崎まどの入門編としてはお勧めできないが、野崎まどファンであればニヤニヤできること請け合いの短編集である。
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posted at 21:48:20