麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2013年02月17日
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2013年02月17日(日)
葉真中顕「ロスト・ケア」読了。物語は一人の男が死刑判決を受けるところから始まる。〈彼〉は四十三人もの人間を殺害した大量殺人犯。死刑になってしかるべき人間だ。しかし傍聴席で判決を聞いた洋子は思う。私は〈彼〉に救われたのだ、と。……〈彼〉は一体何をし、何を人々に齎したのか?
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posted at 16:53:44
傑作。これは一人の大量殺人犯の物語であると同時に介護に追い詰められた人々の心の叫びを描いた社会派小説である。「人が死なないなんて、こんなに絶望的なことはない!」作中において作者は登場人物の一人にこう言わせているが、この言葉が本作の全てを言い表しているといっても過言ではないだろう。
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posted at 16:54:06
その一方で本作は緻密に計算された本格ミステリでもある。本作を読み終わって初めて読者は序章の段階で罠に嵌まっていたことに気付くことだろう。本作の構成は全て読者を騙すためにあり、細かな描写がそれを補強するミスディレクションであると同時にフェアな手掛かりとして機能しているのが実に秀逸。
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posted at 16:54:33
正直デビュー作の段階でここまで隙のない作品を書いてしまった作者には脱帽せざるを得ない。本作は横山秀夫ばりの一級のエンターテインメントと本格ミステリを極めて高い次元で両立させた作品である。
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posted at 16:54:58
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