麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年03月17日(日)
土屋隆夫「最後の密室」読了。身に覚えのない強姦の恐怖に戦く人妻。現場から消えた後、別の場所から発見された死体。鉄壁のアリバイを崩す心の影。毒入りミカンを食べて死んだ少女。悪い女に捕まった男が立てた殺人計画の顛末。そして作者が最後の密室に挑んでみせる表題作含む六編+エッセイを収録。
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posted at 18:01:09
本作は作者が再編成した自選短編集とのことだが、お世辞にも出来がいいとは言い難いのが残念。まず「沈黙協定」「気まぐれな死体」の二編はそれなりに意外性はあるものの、肝心な情報を最後まで伏せているのがいただけない。
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posted at 18:01:35
「心の影」はアリバイトリックはバレバレだが、タイトルにもなっている心の影の使い方が巧い。収録作の中で一番本格らしい短編と言える。「死の接点」は発端や展開は面白いのに真相が極めて普通過ぎるのが難。「孤独な殺人者」殺人計画自体は盲点を突いていて良いが、オチが微妙過ぎて反応に困る。
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posted at 18:02:22
「最後の密室」は仰仰しい前置きに古典ミステリのネタバレを散々したあげく、ただの皮肉で終わってしまったのがアレ。これなら国内作家Oの某短編の方が捻りがきいていて面白いと思う。正直、巻末エッセイで作者が語っているミステリ論に対し、内容の方が伴っていないような気がしてならなかった。
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posted at 18:02:46
斎藤栄「《悪の華》殺人事件」読了。新婚旅行で訪れた大阪のホテルで、新婦がバラバラ死体となって発見された。容疑者の一人として疑われた大学生の保は事件の背後にある誘拐殺人が関わっていることを知るが、その矢先に第二のバラバラ殺人が――。表題作含む全五編収録の中短編集。
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posted at 22:33:01
収録作のうち、唯一の中編である表題作は粗筋だけ見るとシリアスな内容のようだが、のっけから「式を挙げれば夫婦なんだから、新婚旅行の間中、キミはパンティをはいてはいけないよ」(原文ママ)なんて台詞が飛び出したりして陰惨な雰囲気をお色気シーンで見事に相殺してくれるのでご安心を(?)。
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posted at 22:34:08
中には濡れ場を演じながら推理する(!)なんてシーンもあって度肝を抜かれるが、それ以上に強烈なのは結末の意外性である。犯人の正体もさることながら、まさかあんな所にそんなものが仕込んであるとは……。多分、こんなことを思い付くのは斎藤栄が水野泰治くらいのものだろう。正に怪作である。
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posted at 22:34:29
ぶっちゃけこの表題作が強烈過ぎて、残りの短編があまり印象に残らないが(爆)、子供視点の話やホラー風味の話などバラエティに富んだラインナップでそれなりに楽しませてくれる。とりあえずキワモノ好きには表題作を強くお勧めしたい。
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posted at 22:34:55