麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年06月10日(月)
伴野朗「密室球場」読了。夏の全国高校野球大会決勝戦。五万人を超える観衆が観戦する甲子園球場のネット裏で、敗れたチームの投手の姉が心不全で急死する。犯人はどうやって被害者に近付くことなく殺害したのか? 表題作含む六編収録。
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posted at 18:12:26
「“現代の死角”に挑んだ」と内容紹介にある通り、収録作はいずれも何らかの盲点を扱っているが、その中でも最も成功しているのは何と言っても表題作だろう。あらゆる可能性を徹底的に潰していった末に明かされる解答はシンプルだが、舞台設定と人間心理の両面から支えられた盲点が実に秀逸。
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posted at 18:12:43
収録作でベストを選ぶなら文句なくこの作品だが、その他の短編で良作を挙げるなら血の涙を流すブロンズ像の謎とコンゲームが融合した「兵士像の涙」と地方都市の市長選挙に絡んだ騙し合いを新聞記者の視点から描く「やねこい奴」。
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posted at 18:12:58
西澤保彦「ぬいぐるみ警部の帰還」読了。「赤い糸の呻き」収録の「お弁当ぐるぐる」で初登場した大のぬいぐるみ好きであるイケメン警部・音無が活躍するユーモアミステリ短編集。令嬢の全裸死体と開かずの金庫が開いていた謎を巡る「ウサギの寝床」含む五編収録。
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posted at 21:35:53
うーん……。あとがきで作者も語っているようにユーモアという割りにシリアス色が強すぎるのも気になるが、それ以上に気になったのは作者が得意としているはずの論理のアクロバットが不発気味であることで、その結果、全体的に説得力に欠けるのが難。
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posted at 21:36:01
他にも作者の都合よく展開し過ぎだったり、無駄に複雑にしただけだったりと欠点が多く、もしかしてあまり練り込む時間がなかったのかしらとつい勘ぐってしまう。また探偵役のぬいぐるみ好きという設定が却って足枷になっている印象もあり、何となくシリーズの今後に不安を覚えてしまった。
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posted at 21:36:29