麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年07月31日(水)
土屋隆夫「あなたも探偵士になれる」読了。「小説を楽しみながら探偵士になれる!」がコンセプトの異色謎解き短編集。バスの中での不可能犯罪「民主主義殺人事件」、舞台上で発生した殺人事件「わがままな死体」、完全犯罪を計画した犯人が逮捕された理由を推理する倒叙物「Xの被害者」など七編収録。
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posted at 16:30:31
本作は読者に探偵士を目指してもらうべく七つの短編を「予備テスト」「二級探偵士への道」「一級探偵士への道」の三つの難易度に分けて収録しているが、正直「二級探偵士~」の途中までは初歩的なネタばかりでかなり物足りない。それが一転して面白くなってくるのは「民主主義殺人事件」以降だろう。
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posted at 16:30:51
「民主主義殺人事件」はトリックよりもむしろ手掛かりの隠し方に見るべきところがある。「わがままな死体」は生憎トリックは読めてしまったが、ユーモラスな語り口と構成が○。「Xの被害者」は同様のネタを用いた作品が幾つかあるものの、伏線とタイトルが秀逸。ベストを挙げるなら「Xの被害者」。
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posted at 16:31:15
綾辻行人「Another エピソードS」読了。「見えるの? きみには、僕が」夏休みに家族と共に別荘へやってきた見崎鳴はそこで死の前後の記憶を失い、消えた自らの死体を探し続けているという賢木晃也の幽霊と出会う。興味を惹かれた鳴は彼の死体探しに協力することになるが……。
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posted at 21:02:02
本作の帯には「Another」の続編と銘打たれているが、どちらかといえば番外編に近い。「Another」が特殊状況下から抜け出そうともがく話だったのに対し本作は奇妙な幽霊譚で、「Another」同様ミステリ的仕掛けはあるものの、正直それに過度な期待はしない方がいいだろう。
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posted at 21:02:33
というのも今回の仕掛けは人によってはかなり早い段階で気付く類のものであり、むしろ作者が「陰摩羅鬼の瑕」のような読み方を推奨しているのではと勘繰ってしまう。しかしながら「Another」の設定を活かしたある動機部分は悪くない。あくまでミステリとして読まない方が楽しめる作品である。
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posted at 21:03:28