麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年09月28日(土)
平石貴樹「松谷警部と目黒の雨」読了。目黒本町のマンションでOLが殺害された事件の背景にある大学時代のクラブ仲間を調べると過去五年間に関係者が三名も死亡していることが判明した。だが容疑者たちにはアリバイがあり、動機も不明。俳句が趣味の松谷警部と、白石巡査の捜査の行方は?
タグ:
posted at 18:28:05
ひたすら堪え忍ぶ系の本格ミステリ。事件を丹念に描いていると言えば聞こえはいいが、これといった盛り上がりもなく淡々と捜査で判明したことを書き並べていく展開は苦行以外の何物でもない。これで真相が面白ければまだマシなのだが残念ながらそれを帳消しにするだけのものがあったとは到底思えない。
タグ:
posted at 18:29:50
勿論OLの遺体発見シーンに提示されたある手掛かりからのロジックなど目をひく部分もなくはないが、この程度なら短編でいいのではと思ってしまう。また俳句好きという設定や清酒「浦霞」を傾けながらの謎解きも滑っている感が否めず、正直自分はあまり良い印象を持てなかった。
タグ:
posted at 18:30:25
寺川智人「クロとシロの囲い屋敷」読了。稀代の相場師、芦屋済が死んだ。昭和58年に書かれた彼の遺言書には何故か当時生まれていないホラー作家・竜崎縁の名があった。それから数日後、芦屋一族の住む奇怪な造りの蔵と屋敷がある孤島・古銭島へ赴いた竜崎はそこで陰惨な連続殺人事件に巻き込まれる。
タグ:
posted at 18:30:42
奇妙な遺言書、孤島に建つ異形の館、怪しげな人々、クローズド・サークル、首切り、密室、見立て等々、本作には様々な本格ミステリ的ガジェットが詰め込まれているものの、その真相はあくまで本格ミステリではなく、ホラーであることが興味深い。
タグ:
posted at 18:31:01
ホラーらしく時折さりげないシーンにゾクリとするような伏線を入れているのは○だが、終盤のどんでん返しがくど過ぎて段々どうでも良くなってしまうのが難。また少々キャラ物要素を取り込み過ぎて折角の怖さが薄まってしまっている感もなくはないが、ミステリ風ホラーとしては悪くない作品だと思う。
タグ:
posted at 18:31:28
青柳友子「帰りは怖い」読了。まるで千手観音像のように十数本の竹槍を突き刺されて惨殺された老教授・上山公一郎。それから間もなくして、今度は息子の公人が雪の降り積もった朝に密室状態の書斎で首吊り死体となって発見される。平家の血をひく呪われた一家にはどんな秘密が隠されているのか?
タグ:
posted at 18:31:40
呪われた一家で起こる奇怪な連続殺人に体当たりで挑む女探偵の活躍を描いた作品。とはいえ前半は高校生の娘に手を焼く女探偵の母としての苦労話という、事件とは全く関係ないエピソードが長々と語られるため、読者の中には戸惑う人もいるかもしれない。
タグ:
posted at 18:37:28
しかしそれが終盤で、あるものとの対比として活かされているのは○。また雪密室の真相にしても、特に目新しさはないものの、女探偵の些細な違和感から丁寧に推理を積み上げているのがいい。本作は雪密室の不可能興味もさることながら、何より女の強さと異常な動機が印象深い作品である。
タグ:
posted at 18:38:02