麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2013年11月06日(水)
倉知淳「シュークリーム・パニック Wクリーム」読了。体質改善セミナーに参加したメタボな中年男四人が絶食を強いられている中、インストラクターがおやつにとっていた冷蔵庫のシュークリームが盗まれる「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」など三編収録。
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posted at 22:20:38
タイトルや内容紹介とは裏腹に、本気の倉知淳が垣間見える(!)切れ味鋭い中編集。まず「限定(以下略)」はびっくりするほど端正なフーダニットで、緻密なロジックの積み重ねとさりげない伏線の巧さに加え、なんと論理のアクロバットまで見せてくれる大盤振る舞いぶりである。
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posted at 22:21:05
しかしながら、そこまでやって作者に照れが生まれたのか(?)脱力のオチをつけて読者を苦笑いさせる。とはいえ、それはそれで初期の某短編を彷彿とさせてくれるのがいい。
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posted at 22:21:35
続く「通い猫ぐるぐる」は一匹の猫に隠されたメッセージを刑事とその彼女が読み解こうとする話で、ほのぼのとした雰囲気の中、読者を翻弄させる展開から一気に盲点をついてみせる構成が実に上手く決まっている。
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posted at 22:21:58
最後の「名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状」はいかにもなタイトルに反してオタク趣味丸出しの話で出だしから読者をずっこけさせてくれるが、実はそれこそが作者の罠とも言える。仕掛けとしては前例があるものだが、それをパロディ的に演出してみせた点が秀逸。
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posted at 22:22:11
先に出た姉妹編「シュークリーム・パニック 生チョコレート」とは一体何だったのか(失礼)と戸惑うくらいミステリに対する姿勢に差がある本作だが、もしかしたらそのギャップこそが狙いだったのかもしれない。
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posted at 22:22:34