麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2013年11月22日
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2013年11月22日(金)
戸川昌子「火の接吻」読了。昭和33年、洋画家宅で発生した火災は三人の幼稚園児の火遊びが原因とされた。だが三人の園児はこう証言する。ボクたち、火遊びなんかしなかったよ。ほんとに黒い蝙蝠が口から火を吹いたんだよ――それから26年後、成長した三人の周りで連続放火事件と奇妙な殺人が……。
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posted at 22:32:19
ミステリとして書かれたにも拘わらず、何がメインの謎なのか、まるで見えてこない奇妙な作品。しかも登場人物にほとんど固有名詞を用いることなく展開するため、読み進めば読み進むほど、現実感すら希薄になっていく。
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posted at 22:32:52
そして、この現実感を希薄にさせるという点こそが本作の狙いであり、それを徹底することで普通なら到底受け入れられないような冗談としか思えない真相を読者に認めさせてしまうその技巧には脱帽と言わざるを得ない。
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posted at 22:33:22
その一方で作者のデビュー作に纏わる、ある趣向には思わずニヤリ。夢から覚めたようなエピローグも申し分なく、徹頭徹尾この作者にしか書けない怪作にして傑作と言っていいだろう。ちなみに本作を読んで、何となく西澤保彦の某作は本作を意識して書かれたのかもしれないと思った。
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posted at 22:34:02
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