麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年05月17日(土)
笹沢左保「取調室 静かなる死闘」読了。大学教授の小田垣光秀とその息子・悦也が佐賀市内のホテルに泊まり、翌朝、光秀だけがチェックアウトした後、部屋から悦也の撲殺死体が発見される。警察は光秀に疑いの目を向けるが、光秀には悦也の死亡時刻に北海道にいたという鉄壁のアリバイがあった。
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posted at 11:44:14
通常のミステリでは陰に隠れがちな取調室にスポットを当て取調官と被疑者の必死の攻防を描いた異色作。これに関して作者は登場人物に「舞台が六畳の室内に限られているんでは、筆力のない作家によれば単調にならざるをえませんよ」と言わせているが、それにあえて挑むところに作者の自信の程が窺える。
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posted at 11:44:24
ミステリとしてみると最も驚かされるのが盲点をついたアリバイトリックで、不可能性に拍車をかけていた被害者に纏わる証言やダイイング・メッセージが、真相が明かされた途端、鮮やかな反転を見せる点が実に秀逸。また被疑者の設定と手掛かりを巧く組み合わせて犯行方法を推理してみせる点も○。
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笹沢左保「地下水脈」読了。静岡県由比町の好清寺近くに停められた車の中から排ガス心中を遂げたと思われる若い夫婦の死体が発見された。だが二人には新婚旅行の予定があったこと、妻がハンカチに口紅で「昌二郎あなたにも」という謎の言葉を遺していたことからルポライターの天知昌二郎が疑われる。
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posted at 20:53:51
ルポライターの天知昌二郎が探偵役を務めるシリーズの三作目。前作「求婚の密室」に引き続き、本作にも密室殺人が出てくるが、それはあくまでオマケに過ぎず、メインは心中事件の裏に隠された運命の悪戯とも言うべき偶然の連鎖にある。
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posted at 20:54:15
ダイイング・メッセージと絡めたそのうちの一つには驚かされるものの、どちらかといえばミステリというより運命に翻弄された男女の悲劇のドラマとして読ませる作品である。
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posted at 20:54:29