麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2014年08月23日(土)
乾緑郎「機巧のイヴ」読了。牛山藩の武士・江川仁左衛門は幕府配下の機巧師・釘宮久蔵に、自身が想いを寄せている遊女・羽鳥に似せた機巧人形の作製を依頼する。やがて羽鳥そっくりの機巧人形は完成するが、ある時、仁左衛門は久蔵に謀られたことを知り――表題作他、機巧人形を巡る四編収録。
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posted at 16:12:45
時代小説をベースに「精巧に作られた機巧人形に魂は宿るのか?」というお馴染みのSF的テーマに挑んだ連作長編。表題作はその世界観を説明するのに打ってつけの一編で、連城作品を思わせる鮮やかな構図の反転は本格ミステリとして見ることも充分可能だろう。
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posted at 16:13:12
それ以降の収録作はどちらかといえばエンタメ寄りだが「神代のテセウス」や「制外のジェペット」は時代小説ならではの殺陣シーンを盛り込みつつ、優れたコンゲームで魅せてくれる。
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posted at 16:13:28
特に圧巻なのはラストの「終天のプシュケー」で、それまでの展開を絶妙な伏線として活かし久蔵の物語に終止符を打つと共に、機巧人形を通じて想いが受け継がれていく様には思わず胸が熱くなる。帯には「異形の本格ミステリー」とあるが、個人的には時代SFの傑作として本作を推したい。
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posted at 16:13:55
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