麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年09月22日(月)
若月香「屋上と、犬と、ぼくたちと」読了。仲間と拾った子犬を内緒で飼っていたビルの『屋上の屋上』から台風の日、仲間の一人・オッタが転落して死んだ。それから十年後、ガソリンスタンドでバイトしている修司の許にその時の出来事を示唆するメモが舞い込むようになる。オッタの死は事故だったのか?
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posted at 01:25:18
第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作。小学生時代に起きた事件の真相に大人になった主人公たちが迫るという「回想の殺人」系の作品でノスタルジックな雰囲気とテンポのいい文体で読者を引っ張る力はかなりのものだが、肝心の謎解きがごちゃついており、あまりスマートとは言えないのが難。
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posted at 01:25:35
加えて伏線が伏線として上手く機能していない部分も幾つかあり、イマイチ謎解きのカタルシスに欠ける印象が否めない。面白い作品ではあるが、ミステリとしてのやられた感を求めると少々肩透かしを覚えるかもしれない。あと微妙な寝盗られ感あり(爆)。
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今邑彩「人影花」読了。車椅子の夫を残して妻が失踪した。最初はただの家出と思われたが妻の兄は夫の態度に不審を抱く。真実は椿の花だけが知っている――表題作を始め、見知らぬ女性からの留守電、不穏に響く野鳥の声など、ささいなことから平和な日常が暗転する九編を収録。
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posted at 22:02:38
単行本未収録作を集めた、全体的に手堅い出来の作品集。構成としては前半にミステリ&サスペンス、間にショートショートを挟んでから、後半にホラーという並びになっているが、個人的にはホラー色の強い短編の方がキレがあるように感じた。
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posted at 22:02:53
とはいえ、それ以外のものも話の転がし方が短編ミステリ(ホラー)の見本とも言うべき巧さでどれも甲乙つけがたい。またファンであれば「大蛇伝説殺人事件」の探偵役が出てくる話や「鬼」の原型っぽい話がある点も見逃せないだろう。ベストはありふれた間違い電話が意外な展開を見せる「私に似た人」。
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posted at 22:03:04