麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年03月22日(日)
樹下太郎「夜の挨拶」読了。企画課長に昇進したばかりの石上はある日、新製品のアイディアをライバル社に流したスパイとして疑われる。彼は嫌疑を晴らすためライバル社の女社長を問い詰めようとするが、あえなく撃退されてしまう。ところが翌日、女社長が殺されているのが発見されて……。
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posted at 16:58:56
企業を舞台にしたフーダニット物。とはいえフーダニットとして見ると、犯人の正体に直結する動機に関する伏線があからさまだし、また第二の事件のトリックにしても伏線が取って付けた感じなのがいただけない。
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posted at 16:59:21
むしろ本作の見所は随所に意外な展開を盛り込んだ巧みなプロットであり、複数視点で様々な人物の思惑を描いた構成も事件への没入感を高めていて○。本格というより良質なサスペンスとして読んだ方が吉な作品である。
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posted at 16:59:35
樹下太郎「最後の人」読了。喫茶店ウェイトレスのなぎさは愛しの人とのデート当日に三人の大学生に輪姦されてしまう。それから一年後の同じ日に犯人の一人である大城が自宅でガス中毒死し、残った二人は大城がなぎさの復讐で殺されたのではないかと怯える。そしてまた一年後のその日に再び事件が……。
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posted at 16:59:46
復讐譚にフーダニット趣味を盛り込んだ作品。ミステリ的仕掛けに関しては構成からすぐに読めてしまうかもしれないが、それが分かったとしても本作の魅力が減じることはない。むしろ分かった上で読んだ方がある登場人物の報われない想いが浮き彫りになり、より感情移入できるだろう。
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posted at 17:00:17
また本作はラスト一行で明かされるタイトルの意味が秀逸で、そこに込められたやりきれなさが絶妙な余韻を生んでいる。本作は仕掛けの分かりやすさが欠点に繋がらない、稀有な作品である。
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posted at 17:00:30