麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年08月08日(土)
深木章子「ミネルヴァの報復」読了。夫の浮気相手に対して妻が損害賠償請求を起こした。その直後に相手が失踪し、妻は巨額の慰謝料を得ることになった。ところがそれから間もなく、弁護士会館と裁判所で発見された二つの他殺体により、様相ががらりと一変する――。
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posted at 00:28:16
「敗者の告白」に続き、弁護士・睦木怜が探偵役を務めるシリーズの二作目。本作のミステリとしての興味はやはり不可解な損害賠償請求の顛末とその後の殺人事件ということになるが、個人的には前者の真相の方に唸らされた。
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posted at 00:28:39
ネタだけ取り出せば定番ではあるものの、それを裁判と絡めることで成立させた点がまず新しい。一方後者に関しては犯人が容易に推測できてしまうのが難点だが、相変わらず伏線の張り方が巧く、中には全く予想外のエピソードと繋がったりするのが面白い。
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posted at 00:29:14
小島正樹「モノクローム・レクイエム」読了。隣家の窓に映った戦時中の亡霊、公園で目撃された浮遊する無数の光る目、次々と血が湧き出る密室に飾られた西洋剣……怪異に隠された五つの見えざる犯罪を暴いていく連作ミステリ。
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posted at 17:21:53
作者初の連作短編集。扱っている謎自体は実にこの作者らしい反面、長編の時のように謎が詰め込まれていないせいか手掛かりがあからさまで真相にほとんど意外性が感じられないのが難。また全体的に文章が粗いのも気になる。
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posted at 17:22:06
唯一最終話のみ、いつものようにやり過ぎなくらい謎が詰め込まれているが、やはり頁数が足りないのか展開が急ぎ足かつ、真相の強引さがかなり目立ってしまっている。もしかしたら短編は短編で無理せず別のスタイルを模索した方がいいのかもしれない。
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posted at 17:22:22
囲恭之介「バリアクラッカー 神の盾の光と影」読了。あらゆる傷と病いから人を守る不可視の盾、アイギス。その恩恵を受けている千年都市アーモロートで有り得るはずがない殺人事件が起こる。アイギスを砕く者の存在が囁かれる中、異端審問官のベルヘルミナは情報屋クリカラと共に事件の謎を追う。
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posted at 17:22:33
見た目は異世界ミステリ。しかしながら肝心の謎解きの直前でミステリであることを放棄してしまうため読んでいて非常にモニョる。とはいえ仮にミステリとして読んでいなかったとしても、いきなり○○展開に突入し世界の真実が語られ出すのは意外性を狙ったとはいえ、さすがに強引と言わざるを得ない。
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posted at 17:23:04
加えて謎解きにしても、幾つか説明不足な点があるのが気になる(もしかしたら十月に出る次回作ではそこに焦点をあてていくのかもしれないが)。ある意味本作は国内作家Iの某作品にも通じる、要注意作品である。
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posted at 17:23:39