麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年08月15日(土)
アガサ・クリスティー「ねずみとり」読了。若夫婦の山荘に大雪をついて五人の泊まり客と一人の刑事がやってきた。刑事が言うにはある凄惨な殺人事件の現場にマザーグースの楽譜と共にここの名が書かれたメモが残されていたらしい。不気味な緊張感が高まる中、やがて客の一人が殺されて……。
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posted at 21:11:32
とにかくシチュエーションの盛り上げ方が巧くマザーグースの調べと事件を報じるラジオ放送が否応なくサスペンス感を高めてくれる。扱われる謎にしてもシンプルな犯人当てと見せかけて様々な意外性が盛り込んであるのも心憎い。本作はオーソドックスな設定の中でどう騙すかに重きが置かれた良作である。
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posted at 21:11:44
岡嶋二人「どんなに上手に隠れても」読了。白昼のテレビ局から新人歌手の結城ちひろが誘拐された。しかもその直前、誘拐を暗示する奇妙な匿名電話が警察に入っていた。犯人が要求した身代金は一億円。警察は発信器をつけて身代金を追跡するが、厳しく監視していたにも拘わらず犯人に奪われてしまう。
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posted at 21:12:16
芸能プロやCMのスポンサーを巻き込んだ派手な誘拐劇を扱った秀作。凝りに凝ったプロットもさることながら何故ここまで派手な誘拐が計画されたのかという点が素晴らしく、そこから浮かび上がるテーマは今でも他のものに当て嵌めることで充分通用するだろう。
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posted at 21:12:28
加えて犯人含む誘拐事件を利用しようとした様々な人間たちが最終的に迎える皮肉な結末も実に忘れ難い。「どんなに上手に隠れても」結局いつかはバレるのだという作者のメッセージが伝わってくるような作品である。
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posted at 21:12:43