麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2016年03月06日
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2016年03月06日(日)
仁木悦子「凶運の手紙」読了。子供の頃、私は隣に住む知恵遅れの娘・房代にこっそり手紙を出し続けていた。そしてその習慣は私の引っ越しと共に途絶えたはずだった。それから数年後、夫を連れてかつての故郷を訪れた私は房代が何者かに殺されていたことを知る――表題作含む六編収録。
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posted at 20:50:15
仁木作品ではお馴染みの悦子ママが探偵役を務める「初秋の死」以外は全てノンシリーズ物のミステリ短編集(一応「花は夜散る」には「二つの陰画」の登場人物が出てくるが)。ただ本作に収録された短編はミステリ以外の部分で忘れ難いタイトルが多かったように思う。
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posted at 20:50:24
例えば表題作は知恵遅れの房代というキャラの健気さが印象的だし(だからこそ事件の悲劇性が際立っているわけだが)、「金ぴかの鹿」は「書き直すと(中略)純文学になるだろう」と作者が語る通り、図らずも誘拐に荷担してしまった女児の苦悩が実によく描かれている。
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posted at 20:50:37
中でも特に忘れ難いのが、この作者には珍しい怪奇物である「一日先の男」で、一日先の出来事が常に書かれている日記を手に入れてしまった男の恐怖もさることながら、どちらにも受け取れる結末がまた絶妙な不安感を醸し出していて○。ミステリとは違った作者の魅力を知るには打ってつけの作品集である。
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posted at 20:50:47
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