麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年03月15日(火)
仁木悦子「銅の魚」読了。おばあちゃんちの倉の中で見付けた歪んだ矢立にぼく以外で興味を示したのは金貸しをしているおかつさんだった。そのおかつさんが何者かに殺され、死の間際に遺した言葉からぼくが秘かに想いを寄せていたアヤちゃんのお父さんが逮捕されてしまう――表題作含む六編収録。
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posted at 06:46:23
収録作は悦子ママが活躍する「二人の昌江」を除くと全てノンシリーズ物。ベストは何と言っても表題作で、主人公が田舎に遊びにきた小学生であることを活かした仕掛けが実に秀逸。人によってはアンフェアと捉えるかもしれないが、自分はギリギリありだと思う。
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posted at 06:46:41
次点は母が殺された事件と幼い頃に亡くなった父の遺した詩がリンクする「あかねを歌う」で、事件を通して描かれる主人公・あかねの心の変化がいい。その他、推理作家が滞在先で殺人事件に遭遇する「山峡の娘」がミステリ部分とは違うところで用意された意外性が印象的だった。
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posted at 06:46:51
仁木悦子「暗い日曜日」読了。日曜日の朝、私は偶然通りかかった八幡様の境内で老文学博士の死体を見付けた。死因や被害者の手帖に残された「紫式部」という言葉に引っ掛かるものを感じた私は単身事件を調べ始める――表題作を始め、万引きと殺人がリンクする「うす紫の午後」など六編収録。
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posted at 10:39:56
収録作は仁木兄妹物、三影物、悦子ママ物の三編にノンシリーズ物が三編。意外性で言えば表題作と「うす紫の午後」が突出しているが、前者は些か取って付けたような感が、後者はフェアな作者にしては珍しく肝心な伏線がないので釈然としないものがある。
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posted at 10:40:43
一番バランスがいいのは私立探偵の三影潤がダイイング・メッセージの謎に挑む「くれないの文字」で、ダイイング・メッセージの意味こそ脱力物だが、何故現場にしばらく残っていた犯人がダイイング・メッセージを放置したのか? という謎は面白いし、様々な思惑が絡む真相も作者らしさを感じて○。
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posted at 10:40:56