麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年03月26日(土)
谺健二「ケムール・ミステリー」読了。石膏風呂での溺死、指輪を握りしめた焼死体、車によって首を切断された死体……ケムール人を生み出した孤高の天才作家に魅せられた男が建てた異形の館で不可解な密室死が続発する。生前人目を避けるようにケムール人のお面を被っていた彼らの身に何が起きたのか。
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posted at 11:54:14
前作「肺魚楼の夜」以来8年ぶりの本作はバルタン星人などの生みの親である孤高の天才芸術家・成田亨の作品をモチーフにした館ミステリ。探偵役もそれに合わせて成田ファンの黒衣の原型師を起用しているが、そのキャラ設定はどこか御手洗風味の京極堂を思わせる。
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posted at 11:54:31
ミステリとしてみると仕掛けはどれも定番のものながら、それを巧く組み合わせることで意外性を演出している。むしろ本作の一番の見所は事件の構図であり、探偵役の言う美術構造的推理法によって見えてくる歪んだ愛の形が忘れ難い印象を残す。
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posted at 11:54:49
ちなみに本作にはお馴染みの(?)震災要素はないものの、代わりにひきこもり問題が盛り込まれており、それがミステリ部分としっかり結び付いているのはさすが。個人的には「殉霊」が好きな人にお勧めしたい社会派本格の佳作である。
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posted at 11:55:24
るーすぼーい「白蝶記2」読了。施設からの脱走後、旭は謎の少女・朱里と金城という男の二人と行動を共にすることになる。一方、教団幹部たちは時任に旭を連れ戻すように指示する。教団による包囲網が狭まる中、旭はようやく目的地である川幌市へと辿り着くが……。
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posted at 15:24:26
完全なる蛇足。前作は倒叙ミステリ要素のある良い青春小説で書きたいことが一貫していた印象だったのに対し本作は正直何がやりたいのかさっぱり分からない。具体的に言うと本作は施設を抜け出した主人公の逃避行をメインに主人公側と教団側の駆け引きが描かれるのだが、何というか全体的に内容が薄い。
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posted at 15:24:55
その駆け引きは些か安直だし、度々説明が入る教団の実態もテンプレかつ時々妙にセコくなるので、読めば読むほど凄いのか凄くないのかわからなくなってくる。トドメは終盤の展開で、これには思わず呆れてしまった。
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posted at 15:26:04