麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年03月31日(木)
仁木悦子「刺のある樹」読了。推理マニアの仁木雄太郎、悦子兄妹の下宿先にある日一人の紳士が相談に訪れた。このところ不可解な出来事に次々と見舞われ、命を狙われているのではないかと脅えているらしい。兄妹が調査に乗り出した矢先、紳士の妻が何者かに扼殺されるという事件が起きて……。
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posted at 11:22:39
仁木兄妹シリーズの長編三作目。真相だけ取り出せば差ほど意外性はないものの、執拗なまでのミスディレクションによって容易に真相に到達できないようにしているのはさすが。また終盤の急展開には驚かされるが、それがあるからこそ際立ってくるタイトルの意味が○。
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posted at 11:22:52
あと個人的にはアリバイトリックよりもむしろ終盤の犯人を特定するロジックの方にキレがあるように感じた。派手さはないが、事件を通して垣間見える人間の本性が印象深い良作である。
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posted at 11:23:02
仁木悦子「仁木悦子少年小説コレクション1 灰色の手帳」読了。強盗傷害事件の犯人として疑われた兄の無実を証明するため小学生の弟が刑事の娘と共に奮闘する表題作、行方不明になった仲良しのおじさんを探して少年が命がけの冒険をする「消えたおじさん」の二長編など八編に随筆二十編を併せて収録。
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posted at 19:23:48
作者のジュブナイルミステリを集めた作品集の第一弾。全体的にネタは他愛ないものばかりだが、子供向けでもフェアプレイ精神を忘れないのはさすが。収録作で目を惹くのはやはり表題作と「消えたおじさん」の長編二作で、どちらも冒険活劇要素がふんだんに盛り込まれていてテンポ良く読ませてくれる。
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posted at 19:24:41
特に後者は冒険活劇の中にさらりと盛り込まれたひっくり返しが○。その他だとお馴染みの仁木兄妹が耳の不自由な老人に嫌疑がかけられた盗難事件を解決する「みどりの香炉」が真犯人を追い詰めるまでの過程もさることながら後年に発表された作者の某短編を彷彿とさせるタイトルにニヤリとさせられる。
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posted at 19:25:21