麻里邑圭人
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- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2016年05月23日(月)
山田正紀「おとり捜査官3聴覚」読了。おとり捜査官の北見志穂は凶暴な殺人犯を射殺したことで軽度の神経症に陥っていた。そんな時に生後二週間の新生児を誘拐する事件が発生。しかも犯人は何故か志穂を名指しで身代金の運搬役に命じる。犯人は志穂のいないはずの「双子の妹」なのか?
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posted at 22:03:39
おとり捜査官・北見志穂シリーズの三作目。粗筋からも分かるように本作は「誘拐」をテーマとしているが、そのテーマの扱い方が何とも異様で、一読忘れ難い作品に仕上がっている。
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posted at 22:04:08
本来、誘拐ミステリというと犯人と警察のサスペンスフルな駆け引きを描くことが多いが、本作はそこに「多重人格」という要素を持ち込み、誘拐幻想ミステリとも言うべき酩酊感に満ちた独特の雰囲気を作り出しているのだ。
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posted at 22:04:39
勿論これは本作の仕掛けを成立させるためには必要不可欠なものであり、そういう意味ではよく作り込まれているものの、その反面、本格ミステリと思って読んだ場合、登場人物の少なさと犯人のある行動が目立ちすぎて真相に気付きやすいのが難。
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posted at 22:05:36
また犯人が誘拐事件を起こした動機を見破るのは不可能に近く不満が残る。とはいえ主人公が真相の一部に気付いたきっかけは良かったし、何より凝りに凝った事件の構図には途中で分かってしまってもなお唸らされる。本作は異色の誘拐ミステリが読みたい人には是非お勧めしたい怪作である。
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posted at 22:06:18
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