麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年09月04日(日)
仁木悦子「一本のマッチを擦る時」(単行本版「穴」収録)読了。殺された女性歌手を巡る話。文庫版には収録されていないので出来が悪いのかと思いきや真相の意外性はなかなかのもの。ただ本格ミステリとしてみると真相を示す決定的な伏線がないので物足りなさはあるかと(サスペンス物としてならアリ)
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posted at 17:14:28
山田正紀「蜃気楼・13の殺人」読了。栗谷村で行われたマラソン大会の最中、逃げ場がどこにもないコースから十三人のランナーが消えた。後日、消えたランナーの一人が木に突き刺さった無残な死体となって発見される。更に奇妙なことに、この一連の出来事が百五十年前の古文書に書かれていて――。
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posted at 17:21:44
過疎化が進む村で続発する不可解な事件の数々を描いた長編ミステリ。次から次へと繰り出される魅力的な謎もさることながら、真相もよく練られており、特に優れているのはランナー消失事件と古文書の見立てに纏わる真相だろう。
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posted at 17:22:02
尤も前者に関しては国内作家Aの某短編と真相の一部が被ってしまっているのが難だが、堂々と真相が書かれているのに気付かせない大胆な伏線がそれを補ってあまりあるし、真相が明らかになったかと思えば更にもう一捻り加えることで再度読者を驚かせようとする姿勢は○。
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posted at 17:22:22
また後者は社会派要素を巧く活かして犯人側にそうしなければならなかった必然性を用意している点が秀逸で、それが後に判明する皮肉な事実と結び付いて運命に翻弄される人間の悲哀ぶりを浮き彫りにするのがいい。
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posted at 17:22:32