麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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» 2016年11月28日
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2016年11月28日(月)
米澤穂信「いまさら翼といわれても」読了。合唱祭の本番前にソロパートを任せられていた千反田えるが失踪、その行方を探す表題作の他、衆人環視の投票箱の中で票が増殖した謎に挑む「箱の中の欠落」、奉太郎が省エネ主義になった理由に迫る「長い休日」など全六編収録。
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posted at 23:10:06
前作から六年ぶりの古典部シリーズ六作目は、古典部四人それぞれの過去と未来が描かれる短編集。本作を単純に本格ミステリとして見た場合、ベストは意外な伏線からの急転直下の解決が鮮やかな「箱の中の欠落」になるだろう。
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posted at 23:11:10
しかしながら本作は昨今の米澤作品同様、ミステリとしての切れ味より謎を通して浮かび上がる人間ドラマを重視しており、そういう観点では「クドリャフカの順番」の後日譚とも言うべき「わたしたちの伝説の一冊」が完璧な仕上がりと言える(他にも「走れメロス」をミステリ的に読み解いているのも○)。
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posted at 23:11:48
その他、謎が解かれた後のラスト一文がじんとくる「長い休日」や、真相は分かりやすいが推理の過程が描き出す心の葛藤が秀逸な表題作も捨て難い。総じて小説家として熟練した今の作者だからこそ書ける、青春ミステリの一つの到達点的連作である。
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posted at 23:13:35
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