麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年04月08日(土)
「ゴースト・イン・ザ・シェル」観了。そこまで悪い出来ではないし所々に押井攻殻や神山攻殻へのリスペクトが感じられるものの何故かロボ・コップやアウトレイジ、君の名は。等の成分が盛り込まれたせいで自分の知る攻殻とは別物の作品になっている。唯一攻殻らしさを感じたのはエンドロールくらいか。
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posted at 16:46:41
蘇之一行「剣と魔法と裁判所」読了。満員ダンジョン内での痴漢、武器をSM道具と偽った脱税疑惑、腕利き冒険者によるパワハラ……そんな事件の数々を弁護士のキールは捏造や詭弁を駆使して勝訴に導いてきた。ある日、彼の許に密室殺人の容疑者になった恩師を救いたいという少女アイリが現れて……。
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posted at 17:10:25
ファンタジー世界を舞台にした裁判物。といっても基本的にはなんちゃってファンタジーであり所々に見られるあからさまなパロディーは人によって好みが分かれるかもしれない。主人公が悪徳弁護士ということでいかに真相をでっち上げるかが本作の見所になるが一番の見所はやはり第三章の殺人事件だろう。
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posted at 17:10:55
密室状況下のダンジョンで起きた魔法使い殺しというシチェーションもさることながら人間が絶対に使うことができない魔法の十戒が事件の不可能興味を掻き立ててくれるが生憎本作の眼目はそこではない。全ては物語のテーマと密接に関わる構図を際立たせるために用意されているのがなかなか興味深かった。
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posted at 17:11:37
岬鷺宮「読者(ぼく)と主人公(かのじょ)と二人のこれから」読了。灰色の毎日になるはずだった。新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは俺が偏愛する小説『十四歳』の主人公「トキコ」だった。出会うはずがなかった読者(ぼく)と主人公(かのじょ)の物語。その結末にあるものは――。
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posted at 19:17:40
愛読する小説の中のヒロインが目の前に現れたことから始まる恋愛物語。ヒロイン・トキコこと柊時子の童貞キラーな魅力(?)もさることながら(一番好きな小説は尾崎翠『第七官界彷徨』という不器用な文学少女)虚構の物語によって灰色の毎日だった主人公の現実が徐々に変化していく過程が素晴らしい。
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posted at 19:18:13
それでいて、この設定ならではの挫折を経た後、今度は逆に現実が虚構の物語へと収束していく構成が実に巧く決まっている。「――だから、わたしの初恋はエピローグのあとにはじまるのです」という帯の謎めいた台詞が読了後に胸に沁みてくる、メタ要素を取り込んだ恋愛小説の秀作である。
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posted at 19:18:58