麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年06月16日(金)
東川篤哉「探偵さえいなければ」読了。ゆるキャラコンテスト会場で起きたゆるキャラ殺し。密室で発見されたバラバラ死体。ある時は探偵、ある時は自作の(!)ロボット、またある時は被害者と瓜二つの男を使って偽のアリバイをでっち上げようとする犯人たち……五つの事件に烏賊川市の探偵たちが挑む。
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烏賊川市シリーズの短編集第三弾。東川ミステリの特徴と言うと個人的には主にギャグの中に巧みに隠されたキレッキレの伏線と手垢のついたトリックを光らせる意外な見せ方の二点だと思っているが、本作の収録作はいずれもその特徴を最大限に活かした成功例と言えるだろう。
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posted at 00:10:29
ベストは日本推理作家協会賞の候補にもなった「ゆるキャラはなぜ殺される」で二転三転するロジックと着ぐるみならではの盲点をついたトリック、そして鮮やかすぎる犯人の退場とどれをとっても感嘆の溜め息しか出てこない。
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posted at 00:10:56
次点は「被害者によく似た男」で、タイトルから察しがつくであろう手垢のついたトリックとしょーもないネタを使ったまさかのどんでん返しの連続にびっくりさせられる。他にもバラバラ死体に隠されたグロバカトリックが炸裂する「とある密室の始まりと終わり」など全体的にハイレベルな短編集である。
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posted at 00:11:46
加藤元浩「Q.E.D.iff」7巻読了。インドのストリートに住む数学の神童を見出した大学教授が殺された事件と激化していくマフィアの抗争の関係に迫る「虹の彼方のラマヌジャン」、1964年の大阪で起きた興行師の不可解な自殺と彼を巡る人間関係の謎を解き明かす「ある興行師」の二編収録。
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posted at 09:54:33
「虹の彼方のラマヌジャン」は得意の数学ネタを効果的に使ったホワットダニット物で、入り乱れる複数の謎をスマートに解き明かしてみせる手腕もさることながら、謎が解かれるごとに浮き彫りになっていく登場人物たちの二面性が秀逸。
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posted at 09:55:30
一方「ある興行師」はこのシリーズの某過去作の変奏曲とも言える作品で、奇妙な人間関係に隠された一世一代の仕掛けもとい、タイトルにもなっているある興行師の真の姿にはかなりびっくりさせられる。と同時にその興行師に魅せられてしまった某登場人物の最後の台詞が何とも印象的な秀作である。
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posted at 09:55:50